栗村アイリを用いて「アイデンティティの確立」と「友人との比較による劣等意識」を題材として描く話。
ブルーアーカイブのテーマとして「青春」を掲げているし高校倫理「青年期の思想」で扱われる分野。
栗村アイリは自分が個性の無い平凡な人間であるとして密かにコンプレックスを抱えていた。
(むしろ彼女はスイーツマニアのチョコミントヲタクであるという強烈な個性の持ち主なのだが)
それ故、アイリは自己の存在証明に駆られてしまい、仲間達にバンドやろうぜ!と持ち掛ける。
メンバーは乗り気ではなかったがアイリは優勝賞品の激レアスイーツを餌に焚き付けやる気にさせる。
だが言い出しっぺのアイリが一番上達が遅く劣等感を抱き、仲間を利用した罪悪感にも懊悩する。
先生がアイリの悩みに寄り添う一方でスイーツ部メンバーはアイリのために(明後日の方向へ)奮闘する。
最終的にアイリは仲間との信頼により自己の悩みを打ち明けることができ自分は自分でいいんだをする。
(個人的にはスイーツ部なのだから存在証明の手段は甘味系統でアイデンティティを確立して欲しかった)
青春がテーマの作品なら「アイデンティティの確立」、「劣等意識」、「自己の存在証明」は鉄板だよね
散々学生モノで擦られたテーマだけれどもブルアカのメインテーマとして「青春」を掲げている以上は扱われる題材だよね。この分野の題材を表現するためのヒロインとして栗村アイリが起用されることになる。栗村アイリは自分が平凡であり、個性が無いと思い込んでいて、それをコンプレックスに感じているお年頃。プレイヤーの皆さんはアイリの絆ストーリーやバレンタインイベントにより、彼女が強烈なチョコミン党でありどこが平凡で個性が無いなんてどの口が言うねんと感じるでしょうけど、それはそれだ。栗村アイリは日常の中で、本当に今のままでいいのかという思いを抱えており、それが刺激されて、自己の存在証明に駆られだす。
そんな彼女が選んだの学生バンド。だが放課後スイーツ部のメンバーたちは乗り気ではなく、アイリは彼女たちを賞品で貰える貴重なスイーツで焚き付ける。こうしてスイーツ部でバンドが結成され、皆で頑張ることになったのだが、ここでアイリの劣等意識が発動。アイリは自分が言い出しっぺだったのに、全然上達しなかったのである。仲間達は本当に善人なのでアイリに優しい言葉をかけてくれるが、できないアイリにとってはむしろそれが苦痛になってしまう。最後には全てを投げ出し自分の代わりに誰か上手い人にやってもらおうと結論を出し仲間に何も言わずに失踪してしまった。そんなアイリに寄り添うのが先生であり、彼女の悩みを吐き出させていく。
一方で仲間達は先生に丸投げではなくアイリの為に自分たちにできることを探そうとし、明後日の方向にではあるが、奮闘していく。この奮闘は結果だけを見れば無駄なものではあったが、アイリにとっては仲間たちが自分のために(投獄されるまで)尽くしてくれたことが重要であった。スイーツ部の皆はアイリがアイリだからスイーツ部に入ったんだと魂の叫びをあげる!これを言うのがヨシミっていうのが良いよね。これを受けアイリは先生に促され自分の心の弱さを仲間にさらけ出すことのできる強さを得た。彼女は自分が抱えていた劣等感や仲間への負の感情を伝えることができたのである。そしてアイリは最終的に「自分は自分でいいんだ」とアイデンティティを確立できてハッピーエンド。皆でバンド演奏を披露するムービーが挿入される。個人的には最後に(立ち絵は無かったが)宇沢レイサが登場し、カズサと絡みがあったのが良かったと思ったかな。