ブルーアーカイブ「安守ミノリ」絆ストーリーの感想・レビュー

左派系労働運動ヒロイン。労働者を搾取する資本家には断固として反対しデモやストで対抗せずにはいられないキャラ。
共産趣味ソ連懐古厨属性により生み出されたキャラ造形であり左派・アカ・ピンクで色付けされている。
労働者の権利を主張してプロレタリアートの最前線に立ち、労使交渉に臨んで待遇改善に訴えていく。
キャラストでは高い技術力と規律ある労働者階級を率いて現場作業における有能さを見せつけるのだが……
ひとたび資本家が給与不払いなどをチラつかせれば自分らが作った建設物の破壊をも厭わずに実行する。
暴力革命に満ち溢れているかと思いきや、休暇は図書館で読者に励む_しかしジャンルはプロレタリア文学
シャーレ当番では先生の手伝いにおいて独占欲を発動させてしまい思い悩むという可愛い一面も見られる。

安守ミノリのキャラクター表現とフラグ生成過程

労働運動に勤しむ安守ミノリ
  • 左派あるあるを属性とし労働運動を戯画的に描き出したヒロイン
    • 2010年代後半に共産趣味というのが流行った。これは平成大不況による失われた30年の時代にブラック企業による労働者の搾取が当たり前になった時、ソ連を懐古して左派の良い所を偲ぶというものであった。これがウケたのか左派系ヒロインは何人か生み出されていったが、このキャラはそんな左派属性を戯画的に描いて笑い飛ばそうというコンセプトで設計されている。
    • 安守ミノリは現場労働者のリーダーであり、土木・建設において高い能力を誇るも、その思想は真っ赤に染まっていた。デモ・スト・工作を趣味としており、権力には反してプロレタリア革命だ!だがメンストVol4_2章のように何でもかんでも労働運動するのではなく、きちんと合理的に物事を考える人物であることがキャラストでは描かれた。労働者の安全を第一に気を配り、怪我や事故が多い現場作業において細心の注意を払いつつ、工期通りに滞りなく作業を進めていくのである。すなわちフツーにしていれば何ら問題も無い良い子ちゃんなのである。だが現場作業のフツーとは資本家による労働力搾取が行われることがフツーとなっていた。低賃重労働サビ残に無茶な納期にサビ残は愚か給料未払いと来たもんだ。そんな時安守ミノリは立ち上がり、資本家に対して武力も厭わない労使交渉を開始するのである。今まで自分たちが進めてきた作業を破壊するのにも何ら未練は残らない。

  • 休日は図書館で静かに読書(但しプロレタリア文学)
    • 休日は図書館に読書に勤しむ知的派な側面も見せる。資本家との契約の際、専門用語に凝り固められた契約書に安易にサインすることを防ぐため読書は欠かせないという。そんな安守ミノリが愛好するジャンルはプロレタリア文学。不当な労働環境で搾取される労働者たちが団結を強めて運動を展開し待遇改善を訴えるパターンのジャンルである。このイベントでは安守ミノリが童話や昔話を全てプロレタリア文学の視点で再解釈することで面白さを表現しようとしている。

  • 平等な富の分配を唱えていたのに先生を独占したくなっちゃうミノリ可愛い
    • そんな左派属性を戯画化した存在のような安守ミノリではあるが、年相応に可愛いところもあり苦悩することになる。安守ミノリはシャーレでの当番を楽しみにしており、先生と二人きりで仕事をする時間を大切にしていた。だが全員が当番になれるわけでもないし、同じ人物が何度も当番に呼ばれて先生から寵愛を受けることもしばしばであった。先生は一人しかおらず全員が平等に恩恵を受けられるとは限らないのだ。平等な富の配分を掲げる安守ミノリがそれでも愛しさのあまり先生を独占したいと思ってしまう所は社会主義/共産主義画餅に過ぎないことをイチャラブイベントに組み込みミノリのキャラ表現を高めたワザマエなイベントであったと言える。メモロビでは現場作業が寒波で中止になった際、先生が差し入れに訪れ、ミノリと建設現場の足場の高みから思いを馳せるという内容になっている。

資本家に契約時に騙されないよう読書に勤しむミノリ(但しプロレタリア文学)
先生と一緒に現場の足場からの風景を味わう安守ミノリ
シャーレの先生当番における不平等を嘆く安守ミノリ
富の平等な配分を唱えていたミノリが先生への独占欲を露にしてしまう場面