雑録

国民統合と国語教育

パスカル・グリオレ「日本語の近代化をめぐって-大日本帝国の公用語と片仮名の機能-」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

日本の言語帝国主義 ヨーロッパの進出に対して「国語」というものを築く必要性が意識されるようになった。 以前:漢文―中心的な言語、和語―周辺的な言語 ex.アイヌや琉球に対し、「和風俗」への同化を禁じる。 日本の近代化の側面 社会の変化は文字の次元に…

安田敏朗「帝国日本の言語編制-植民地朝鮮・『満州国』・『大東亜共栄圏』-」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

趣旨 近代日本の国民国家形成から台湾・朝鮮の植民地支配、満州国の支配、東南アジア軍事占領といった帝国日本のあゆみの中での日本語のあり様及び、異言語との関係を記述するもの。 帝国日本の言語政策 国語=国民国家的言語編制(内地・外地)から東亜共通語=…

小熊英二「日本の言語帝国主義-アイヌ、琉球から台湾まで-」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

要旨 日本の「言語帝国主義」が、周辺性の度合い(中央-周辺)に応じてどのような展開を遂げていたか。 「周辺」の三類型(沖縄・北海道/台湾・朝鮮/南洋諸島・中国・南方) 沖縄・北海道 日本の近代国家制度が成立するまえに領有 沖縄 国民統合の対象地域 …

ロバート・フィリプソン/白井裕之訳「英語帝国主義の過去と現在」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

英語の世界的な普及 国内:市場の力+単一な国民国家のイデオロギー⇒英語の地位を強固にする 国外:グローバル化みぎ英語支配を増強 英語=威力・権力・上向きの力の社会的移動性の象徴 ∴人口の全ての階層に対して強い吸引力を持っている。 言語英国主義は南…

三浦信孝「共和国の言語政策とフランコフォニー」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

本稿の目的 最近の地域語論争を手がかりにフランス語の成立と普及の歴史的過程を、フランス人の言語意識、フランス人に対する言語表象の形成に焦点を当ててたどる。 本稿の項目 はじめに:言語権と「共和国の矛盾」「帝国の逆説」 1:フランスの地域語論争 …

西山教行「フランス語は『フランス人』を創出するか-植民地帝国におけるアリアンス・フランセーズの言語戦略-」(三浦信孝・糟谷啓介『言語帝国主義とは何か』 藤原書店)

アリアンス・フランセーズ(略称:AF)は1883年設立の「植民地ならびに国外におけるフランス語のための全国協会」である フランス植民地帝国でフランス語の普及教育により言語同化主義政策をとる。 言語同化主義により「フランス人」を創出する。 時代背景 第…

安田敏朗『国語審議会』(講談社現代新書) のメモ

現在の「国語」が精神主義的偏向を帯びていることを指摘し、それを批判する内容が書かれている。 簡略に要旨を述べるならば以下の通り。近代日本における国語政策の在り方を、「簡易的なものを目指す」現在派と「伝統を重視する」歴史派の二派に分類。現在派…

デイヴィッド・クリスタル著 斎藤兆史/三谷裕美訳『消滅する言語』(中公新書)のメモ

あとがきで訳者より、この著は宣教師外交と英語帝国主義の思想がいっぱい詰まっているので注意!!とのお触れがある。だがその後で「英語!英語!と騒ぐより、まず日本語をしっかりと」という展開になってしまう。国際化⇒まず自分の文化を守るという構図が染…

安田敏朗『「国語」の近代史』(中公新書)のメモ

序章 「国語」を話すということ 国語とは書きことばの階層性と話しことばの自然の中で、国民国家の中で流通させるために作り上げたもの。 近代国民国家が要請したのは統一された「国語」を作り上げ、それを国民に話させるとい政治的なあり方。 近代国民国家…