雑録

軍艦便乗

章霖「大正期における海軍の艦隊行動と地域社会」(『史学雑誌』第129編第9号、39-64頁)

本稿の趣旨 関東州巡航は、平時訓練や演習を意図して実施された。平時任務以外にも、広報、外交、乗組員の精神教育や休養といった様々な目的があった。艦隊行動は日本人居留民と現地民に異なる効果をもたらした。日本人居留民は自らの生活の後ろ盾としての海…

木村美幸「昭和戦前期における海軍協会の宣伝活動と海軍志願兵徴募」(『ヒストリア』267、大阪歴史学会、2018年、1-27頁)

概要 本論文の意義は、主に3つ。 ①静岡県磐田郡の史料を用いて地方での海軍協会の活動を扱い地方行政組織との重層性を取り上げた。 ②海軍協会の達成目標が1932~37年の軍縮条約体制打破から1940年以降の志願兵徴募強化に転換するまで、1937~40年の間に南洋…

【史料】1920年代末における呉海軍人事部の海事思想普及政策 (呉海軍人事部「地方官会議ニ於ケル人事部長口述覚書」昭和3年、昭和4年より)

旧字は適宜改めた。 概要 1920年代末期の地方官会議においては、海軍の志願兵徴募が問題になっている。特に呉鎮守府では、横須賀や佐世保が選抜採用しても余裕綽々であるのに比べ、身体・学力の面で充分に志願兵として適さない者たちが合格者に相当数含まれ…

【史料】『呉軍港案内』(呉郷土史研究会、1933年)に見る「軍港都市観光」による海事思想の普及

第一次世界大戦が総力戦となったことを見た日本は、帝国民を動員する必要性を感じ、総力戦体制の構築に努めた。海軍では海事思想の普及が求められることとなり、ワシントン軍縮後には海軍軍事普及委員会が設置され、ロンドン軍縮の際には海軍軍事普及部とし…

【史料】呉市主催「国防と産業大博覧会」における軍艦拝観(矢矧、呂号第五十三潜水艦、伊勢、榛名)

1935年、呉市で「国防と産業大博覧会」が実施された。そこでは3月27から5月10日まで初代「矢矧」と「呂号第五十三潜水艦」が展示され、実際に乗船して観覧することができた。また、期間中には連合艦隊(第一艦隊)が入港し、4月26日と4月27日には戦艦「伊勢」…

中嶋晋平「戦前期の「軍艦便乗」にみる海軍のPR活動と民衆」(『戦前期海軍のPR活動と世論』第9章、思文閣出版、2021年、213-230頁)

本稿の趣旨 【目的】軍艦への便乗を海軍思想・海事思想を広め海軍に対する理解と共感を得るためのPRの場とし、民衆との良好な関係を図った海軍は、そこから何を学びどう実践したのかを考察する。 【結論】海軍思想・海事思想の普及を目的とする際、軍艦便乗…