雑録

海事

次の演習のネタ集め用メモ「戦前期軍港都市呉への帝国民の訪問」(軍港都市観光・進水式・海軍記念日・博覧会・海軍省海軍軍事普及部)

前回までのあらすじ 4月冒頭の演習の授業では、旧軍港都市呉の文化遺産を活用したコンテンツツーリズムについて報告した。5月の演習では戦前期の呉に焦点を当てて研究を進め報告することとなった。現在行われている旧軍港都市呉への訪問と過去の帝国民の軍港…

【レジュメ】髙橋香織「軍港都市・呉の戦後史―旧軍港市転換法と自衛隊誘致を中心に―」、『北陸史学』67号、55-77頁、2018

概要 「はじめに」で先行研究の整理が行われ、第1章で海軍進出に伴う主要産業の喪失による海軍・呉市民間の相互依存関係の構築が論じられ、第2章では戦後呉市経済の混迷と軍転法設置について、第3章第1節では軍転法の限界について述べられる。 だが第1章、第…

コンテンツツーリズム論演習 呉市の地域資源開発~「海」に関する独自の歴史~

前回までのあらすじ。 各地域に飛ばされていた我々コンテンツツーリズム研究室所属メンバーたちは、春休み終了と共に呼び戻され、各々のフィールドワークの成果をプレゼンすることになったのである! 【menu】 プレゼン用のスライド プレゼン 原稿 プレゼン…

2020年度「呉海自カレーシールラリー」(26店舗コンプリート)

海上自衛隊呉地方隊は旧海軍を継承しており司令部の地方統監部は呉鎮守府跡に置かれている。 呉海自カレーは海自呉基地所属の艦船のカレーを呉市内の飲食店で提供するという取り組み。 まさに海自カレーは「旧海軍グルメ」というコンテンツの一翼を担ってい…

【講座】「明治期の新聞『芸備日報』を読む」

本講座の趣旨 1882~88年に刊行されていた『芸備日報』に注目し、そのなかから呉に関する特徴的な記載を紹介する 【menu】 1.新聞のはじまりと地方への広がり 2.『芸備日報』の成立 (1)広島県における明治初期の新聞 (2)新聞の講読方法 (3)日刊紙の発行 3.『…

【海自カレー】「呉市役所9F食堂最後の日」【潜水艦うんりゅう】

海上自衛隊の艦艇ごとのカレーが味わえることで有名なコンテンツ海自カレー。 各艦艇及び呉基地のレシピが呉市内の飲食店に卸され監修を受けています。 海自カレー提供店はコロナショックにより次々と閉店を余儀なくされています。 おぼろ月・駅膳くれ・麦酒…

加藤政洋「『呉花街案内』を読む」(上杉和央編『軍港都市研究Ⅱ』、清文堂、2012年、321-323頁)

『呉花街案内』に関するコラム。従業員の女性426人分の個別データが掲載されている所が最大の史料的価値であるとしている。 『呉花街案内』とは 呉市で1935(昭和10)3月から5月にかけて開催された「国防と産業大博覧会」の会期に合わせて発行されたB6の書籍。…

村中亮夫「地形図と空中写真からみる呉の景観変遷」(上杉和央『軍港都市研究Ⅱ』清文堂、2012年、45-79頁)

呉市の地形図・空中写真を用いて、その土地利用の年代的変遷を論じる。 第1節 呉の地理的環境 第2節 呉の景観変遷 (1)呉鎮守府設置の経緯と設置前の景観 (2)呉鎮守府開庁後 (3)呉鎮守府拡大期 (4)第二次世界大戦終結前後 (5)高度経済成長期 (6)20世紀末~21…

加藤政洋「軍港都市の遊興空間」(上杉和央編『軍港都市研究Ⅱ』、清文堂、2012年、281-320頁)

軍港都市には遊興空間が存在し、そこは消費の局面では空間的に分化しており、海軍の社会性が刻み込まれていた。 はじめに 第1節 軍港都市の遊郭 (1)『全国遊郭案内』における軍港都市 (2)遊郭の立地と景観 (3)私娼街の問題 第2節 軍港都市の花街 (1)遊郭との…

旧軍港都市呉における観光案内所にみられるコンテンツツーリズム

観光案内所、それはその都市の魅力を観光客や市民に提供する場所です。すなわち、観光案内所を見れば、どのようなものが観光資源としてアピールされているのかが分かると言えるでしょう。では旧軍港都市呉には海軍遺構しか観光資源が無いのでしょうか?また…

上杉和央「連続と断絶の都市像-もう一つの「平和」都市・呉」(『複数の「ヒロシマ」 記憶の戦後史とメディアの力学』、青弓社、2012年、103-138頁)

本論の趣旨 呉市は、海軍が培った技術を用いるという連続性と軍・軍需目的とは異なるという断絶性の両面性を保有している。この矛盾を解消させる手段が平和産業港湾都市であり、戦前との連続性・断絶性どちらを主張する時にも使用できる便利な概念であった。…

林美和「呉市における戦後復興と旧軍港都市転換法」(河西英通編『軍港都市研究Ⅲ 呉編』、清文堂出版、2014年、309-332頁)

本稿の趣旨 敗戦後の呉市は海軍依存からの転換を目指し企業誘致と産業育成に努め成功したが、冷戦により再軍備への忌避感が無くなると軍港都市のプライドを取り戻した。しかしそれは再び海軍に依存していく契機となり、失われた30年により製造業が衰退すると…

講座「史料調査会資料からみる情報活動」

史料調査会とは何かを概略した後、その機関が収集した海軍軍令部の資料を扱う。 【menu】 1. はじめに 2.史料調査会資料 2-1.史料調査会とは (1)成り立ち (2)資料の経緯 2-2.大和ミュージアム所蔵史料調査会資料 3.史料調査会資料の軍令部資料 3-1.終戦と軍…

河西英通「「国防と産業大博覧会」の頃」(河西英通編『軍港都市研究Ⅲ 呉編』、清文堂出版、2014年、272-277頁)

本稿の趣旨 1931年6月に刊行された『呉市主催国防と産業大博覧会誌』を中心に「国防と産業大博覧会」の概略と特徴を述べる。 以下、本文内容まとめ 「国防と産業大博覧会」は戦前呉の一大ページェント 1935年3月27日から5月10まで二河公園と川原石海軍埋立地…

齋藤義朗「軍港呉と進水式-昭和前期の臨時イベント-」(河西英通編『軍港都市研究Ⅲ 呉編』、清文堂出版、2014年、233-238頁)

本稿の趣旨 呉海軍工廠において進水式は呉市全体を挙げた一大ビッグイベントであったが、情勢緊迫化で進水式の公開は秘匿化された。 内容まとめ 進水式のイベント化 「式場内では、記念絵葉書販売や臨時郵便局での記念スタンプ押印なども行われたが、式典は…

【文献サーベイ】呉市海事歴史科学館 研究紀要の分析

博物館には4つの機能があり、それは①調査研究、②収集、③保存、④展示である。 博物館では調査研究が行われており、その成果は紀要で報告される。 すなわち研究紀要を分析すれば、その館がどのような研究をしているのかが分かるのである。 科学ショーのイベン…

【講座】「入船山記念館の「金唐紙」」

講座の目的 旧呉鎮司令長官官舎の壁紙は「金唐紙」という大変貴重なものであり、復元の際には幸運が重なったということを再認識させる。 現在入船山で「金唐紙」の企画展を行っている 講座後に見に行ったら企画展のパネルに今日の講座の内容が詳しくまとめら…

太平洋戦争期の呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第2節戦時下の呉海軍-第2項太平洋戦期の呉海軍 (1)太平洋戦争の勃発(p.108~) (2)戦時下呉海軍の活動(p.112~) (3)呉軍港への空襲(p.121~) ①3月19日の空襲 ②5月5日の空襲 ③6月22日の空襲 ④7月1日~2日の空襲 ⑤7月24日の空…

日中戦争期の呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第2節戦時下の呉海軍-第1項日中戦争期の動向 (1)日中戦争と呉海軍(~p.92) (2) 鎮守府諸組織の動向(p.96~) (3)日中戦争下の呉鎮守府司令長官 (1)日中戦争と呉海軍(~p.92) 昭和12年7月7日 盧溝橋事件→日中戦争勃発 昭和12…

「非常時」・「準戦時」時代の呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第1節軍縮期の呉海軍-第4項「非常時」・「準戦時」の時代 (1)「非常時」から「準戦時」への移行 (2)呉海軍航空隊の拡充(p.71~) (3)諸組織の動向(p.78~) (4)「非常時」下の呉鎮長官(p.82~) (5)「非常時」下の呉海兵団 (1)…

「満州事変」・「上海事変」と呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第1節軍縮期の呉海軍-第3項「満州事変」・「上海事変」の勃発 (1)「満州事変」の勃発(p.53~) (2)「上海事変」への出動(p.52~) (3)両事変と呉市民(p.57~) (4)事変下の鎮守府司令長官 (1)「満州事変」の勃発(p.53~) 満洲…

ロンドン軍縮期の呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第1節軍縮期の呉海軍-第2項 ロンドン軍縮条約(pp.36-52) (1)ロンドン軍縮会議の波紋(p.36~) (2)呉海軍航空隊の開隊(p.38~) (3)ロンドン軍縮期の呉鎮長官(p.42~) (4)呉海軍の活動(p.45~) (1)ロンドン軍縮会議の波紋(p.36…

ワシントン軍縮期の呉鎮守府・呉海軍

参考文献:呉市史6巻-1章呉鎮守府-第1節軍縮期の呉海軍-第1項 ワシントン軍縮後の状況(pp.7-35) (1)ワシントン軍縮と呉海軍 (2)軍縮期の呉鎮守府司令長官(p.14~) (3)組織・機構の変遷(p.18~) (4)軍縮期の呉海兵団(p.27~) (1)ワシントン軍縮と呉海軍 「帝…

【概要】軍縮期~太平戦争期における呉鎮守府・呉海軍

参考文献:『呉市史』第6巻第1章「呉鎮守府」(1-6頁) 第1章記述対象 軍縮期の呉海軍、戦時下における華々しくかつ悲壮な活動、全面的な解体にいたる呉鎮守府の諸動向 軍拡 「帝国国防方針」(明治40/1907)にもとづき大海軍建設への計画を樹立、大正期に入って…

講座「米国史料からみた呉軍港~米軍の眼差しから捉えなおす~」

本論の趣旨 戦艦大和の存在や呉軍港の様子がアメリカに綿密に分析されていたことを米軍資料から明らかにした 1.大和について 2.呉について 2-1.呉に関する情報収集 2-2.戦争開始後 2-3.1945年 3.質疑応答 3-1.海軍兵学校が空襲のターゲット外になったのは何…

吉田裕、森茂樹『アジア・太平洋戦争(戦争の日本史23)』、吉川弘文館、2007

参考になった箇所をまとめておく。 帝国日本の欠陥 明治憲法体制の問題点 「統帥権独立」の始まり 明治憲法の分立制に対する井上毅の説明 明治憲法体制下におけるリーダーシップ 陸海軍の対立、陸軍省と陸軍参謀本部の対立、海軍省と海軍軍令部の対立 陸海軍…

大和ミュージアム開館15周年記念シンポジウム「戦後75年と大和ミュージアム」

シンポジウムを聞いてノートにとってきたので、その断片を整理しておくこととする。 【目次】 第1部 基調講演「父 阿川弘之(大和ミュージアム名誉館長)を語る」 講演 戸髙氏(大和ミュージアム館長)とのトークショー 第2部 パネルディスカッション「大和ミュ…

呉市史編纂室編『呉市史』第三巻(呉市役所、1964年)

『呉市史』の第三巻は明治16年から大正15年までの呉海軍について記載してある。 以下、呉市の通史に関する箇所をまとめておくこととする。 鎮守府開庁以前 明治16年 海軍省水路局の基本調査の開始 「日本の沿岸を東西二部の海軍区に分けた(常泊所-東京湾・長…

呉市制100周年記念版 歴史ビデオ「呉の歩み」(呉市、DVD、2002)

呉市のDVD資料を見たので内容をまとめておくこととする。 第1章 呉市誕生 第2章 軍港・呉の繁栄と輝ける大衆文化 第3章 軍港ゆえの傷跡 第4章 平和産業港湾都市への復興 第5章 日本の産業を支える呉の技術 第1章 呉市誕生 第二代海軍卿・川村純義 → 各鎮守府…

上杉和央「軍港都市<呉>から平和産業港湾都市<呉>へ」(坂根嘉弘編『西の軍隊と軍港都市: 中国・四国 (地域のなかの軍隊 5)』、吉川弘文館、2014年、104-130頁)

本論の内容 軍港都市としての呉は空襲と敗戦により断絶したが、占領政策の変化と自衛隊の創設により軍隊の街として連続しており、「赤れんが」という海軍イメージの利用により、空間的な広がりを見せている。 はじめに 平和産業港湾都市 「平和産業港湾都市…