【感想】ブルアカ 生塩ノア拗らせ本 「摂氏16℃」を読んだ。

原作におけるノアとユウカと先生の間の微妙な関係を丁寧に掘り下げたしっとりした話。
先生に好意を抱いており普段から観察しているノアはユウカと先生の関係性変化に気付いてしまう。
先生がユウカと好き合っているならばノアも諦めがついたのだが先生は生徒と恋仲になることを否定したのだ。
これによりノアの感情は決壊。自分だけが置いて行かれてしまったような寂しさを感じて切なくなる。
ノアは自分の感情を持て余してしまい、ついに薬を盛って先生を発情させ、犯してしまうのであった。
わざと書類を落として先生を屈ませ、その頭を搔き抱き、つかまえたというコマは是非見て欲しい!!!
言葉巧みに先生の弱さを抉り出したノアは自分ならずっとそばにいてあげると述べ先生を堕としていく。
行為後、嘘でもいいから好きって言って?とのノアの要望に応える先生だがそれをユウカは見ており絶望するエンド。
(※先生のキャラ設定が便利屋先生でもデフォルメハゲ先生でもなく、一人称すら違うので注意が必要)

原作におけるノアの拗らせた感情とユウカが先生に抱く恋心を見てジレンマに駆られる姿がとてもよく昇華されている

ユウカとノアと先生の複雑な関係性

先生とノアとユウカの関係は、原作においても重要なテーマであり、特に「先生、ちょっとお時間いただきます!#特別回」の2:14~2:16はそれを象徴していると言える。そんな3人の関係性を丁寧に掘り下げた同人誌がコチラ。特にノアの切ない感情を主軸に置きながら現状維持を図る先生を壊しに行く流れが秀逸である。本作は先生のことを観察しているノアが、ユウカと先生の関係性変化に気付いたところから話が始まる。ユウカと先生が好きあっているならば、ノアは自分の感情を処理できたのかもしれないが、先生は生徒と恋仲になることを否定したため、さぁ大変。ノアは自分の感情を持て余すようになり、寂しさと切なさに駆られていく。そんなノアはついに行動に出て、先生が他者と深い関係性を持つことを怖れる弱さを抉り出していくのである。計算高いノアが、先生が壊れるように誘導していく流れを是非堪能して欲しい。個人的おススメポイントはノアがわざと書類を落とし先生を屈ませ、その頭を搔き抱くシーンである。ノアが先生に「つかまえた」というコマはグッとくるね。
 

先生の理性を壊すには

生徒との関係性に一線を引く先生を壊すにはどうすれば良いか。ノアは先生に薬を盛り、さらに悪いのは自分であり先生は悪くないと罪悪感を消させていく。そしてついに先生の弱さを抉り出すのである。本作の同人誌オリジナル設定では先生が過去に想い人を無くしたように匂わされており、生徒だけでなく他者と深い仲になって喪失してしまうことを怖れている。そんな先生の感情を吐き出させたノアが「ずっと私は一緒にいてあげますよ」と会心の一撃を放つのである。ここでノアが自分は子どもであることを存分に利用して先生を堕としに行っているところがかなり良い。原作ブルアカの魅力は先生が大人としての責任を果たすところにあり、それを踏まえると決して結ばれることは無いのだが、本作は大人だからこその理性をノアがこどもであることを利用して溶かしていくのである!
 

ノアとユウカの友情について

ノアに堕とされた先生はそのまま滑り落ちるかのようにノアを求めるのだが、先生と結ばれてノアは歓喜する。そのあまりにも嬉しい表情を隠そうとするノアに対し、先生は見せてよと強引に迫っていくのである。その際にさらけ出すノアのアヘ顔は作中随一の見せ場である。行為中に勿論ユウカのことにも言及するし、なんならユウカエンドになる。ノアは先生にだいしゅきホールドし中田氏を求めるのであるが、この時にはもう廊下にユウカがいたことに気付いていたのであろう。行為後にノアは嘘でもいいから好きっていって?とおねだりし、先生はそれに応えるのだが、それをユウカが聞いていて絶望するというオチになる。これ完全にユウカに聞かせるためだったよね。ユウカとノアと先生の関係は密接に絡まり合っており、単体じゃ攻略できないため、必然的にこうなるよな。

ユウカがいると気付いているからこそ先生に好きと言わせる
アヘ顔をさらすノア