パルフェ「杉澤恵麻シナリオ」の感想・レビュー

従姉で実姉で兄嫁で義姉の関係について様々なしがらみと過去について戦うおはなし。
恵麻シナリオは里伽子シナリオと表裏一体。ヒロイン間の重圧に悩む様はクリックしていてグッとくるものがあるね。

杉澤恵麻のキャラクター表現とフラグ生成過程


恵麻は極度のブラコンおねえちゃん。仁に対する愛情の深さでは誰にも負けない。その弟への偏愛っぷりが恵麻シナリオを動かす最大のキャラクター表現となる。そもそもの恵麻の実家である高村家では恵麻以外に子供がいなかったので、親戚関係である杉澤家の次男である仁を婿養子に迎える気マンマンであった。幼少の頃から、恵麻は仁と結婚するものだとばかり思って育ってきた。そんな幼年期に終わりを告げるのが、杉澤家の両親死亡。当時兄は18、仁は10で兄は大学へ入学し独り立ちもできたが、仁は親戚をたらい回しにされていた。そんな仁を引き取って養子にしてくれたのが高村家。こうして仁に想いを寄せる恵麻は仁と姉弟関係になってしまったことにショックを受ける。それでも恵麻が高校3年になるまでは、偏愛的な師弟関係が維持されるが、周囲の風当たりも強くなっていった。仁を諦めきれない恵麻は、仁の兄に嫁入り。しかも当時の約束が兄を仁としてみても良いという狂った関係であった。そんな兄も入籍して即座に海外先で死亡。恵麻と仁には兄嫁という間柄が残った。



兄との結婚で仁を忘れられるかと思いきや、その未練は兄死亡とともに反動となる。ここで恵麻の腹黒パワーが発動し、仁を兄貴に見立てることで仁がわざと恵麻を見捨てないように仕向けるのであった。兄と自分を重ねられた仁は、初恋で好きで好きで溜まらないお姉ちゃんに代償扱いされて発狂しながらも、看護にはしる。そんなお姉ちゃん大好きっ子を見せ付けられた里伽子は、想いを寄せていた仁からはっきりととした線引きをするようになってしまった。それでも里伽子も未練たらたら。未練たらたらの3人は、そのままクリスマスに突入。里伽子と無理やり約束をし、修復の可能性にかける仁だが3時間待っても里伽子は現れず。その寂しさを肉慾で慰めたのが恵麻であった。溢れ出る背徳感、コトバで通じ合わず肉慾の慰めに走ったことは3人の関係に跡を引き、最初に耐え切れなくなった恵麻が失踪。兄貴との想い出のペンションに逃げ込み、追って来た仁と共に懺悔をする。コトバに出すということは、決意をするということ。当初、関係を公にするのには時間が必要と考えたが、それは逃げにしかならない。立ち上がりて世間体と戦うんだ!!里伽子に土下座し、全てときちんと向き合ってファミーユ本店を再建する決意をした二人はどんな荒波にも飲まれない。だってそこには和解した里伽子もいるのだからというわけでハッピーエンド。