るいは智を呼ぶ 皆本るいシナリオの感想・レビュー

呪われた6人の少女(内一人は女装っ娘)が呪いに立ち向かうおはなし。
現代伝奇風味アクションノベルテイスト?な作品が『るいは智を呼ぶ』。
最初は固定シナリオで皆本るいルート:呪詛を受け入れ、死んだお父さんと和解をするという内容です。

主人公のキャラクター表現と物語の背景


主人公和久津智は女装っ子。普段はクールビューティで優等生の仮面を被って有名学校暮らし。何で女装しているかと問われれば、智の呪いは「正体を偽らなければならない」ことだから。能力的にはわりかし最強設定。テキストかっこよい。知性派で策略重視だけどストレートな返しには弱いボクっ娘ちゃん。呪いを解くため皆本るいと接触を試みることからこの物語が始まります。その過程において呪いを持ってるのは智だけじゃないことが判明し、呪われた少女たちが一堂に会することに。智以外のメンバーにはそれぞれ呪いを代償とすることで、なんらかの特別な才能の恩恵を受けていた。呪われた少女たちは今までみんな孤独、寂しいけれど集団になるのは慣れていない社会のはみ出しっこちゃんたちが、群れて傷を舐めあおうよ、けどすぐには親しくなれないから相互同盟みたいな!?各々が呪いとどう立ち向かっていくのか!?

皆本るいのキャラクター表現とフラグ生成過程


一週目はるい固定。選択肢一切なしでクリア後にルート解放。るいの呪いは「未来を思うこと」。予定を立てることや約束をすることさえままならず、るいちんは独りぼっちだったの。過去と現実に生きる少女るいちんは呪いの代償として怪力並みの身体能力の向上を得ていた。マシンスペック生かしてイベントをこなしていく。るいシナリオでは、るいの呪い・るいと父親との和解・智の呪いの受容が主なテーマだと思うんですが、如何せんシナリオ内イベントとテーマへのアプローチがあんま結びつかないんですよねー。イベント的には、プロローグ駅伝ごっこ→OP→呪詛解除物語るいちんの呪い編→るい家庭事情編→オトコだってバレちゃったよ編→仲間のために奮闘捕り物活劇という流れで、最後に智が呪いを受け入れるという展開。オトコだとばれちゃったのに智の呪いが発動しないで、普通に性行為描写に突入ですよ。しかもるいシナリオだとその説明がないからきっと次のヒロインのシナリオで説明されるんだろうよね?るいのギターが得意設定はどこにいかされてるのかしらん?



るいの家庭事情としては以下の通り。るいの家庭はわりかし幸福だったけど、母方の家系がもともと呪われた一族だったの。そんな折、るいの呪い発動とともに、父親が出奔。展開的にはストレートで、父親はるいの呪いを解くために出奔したのに、るいは母親と自分が見捨てられたのだと思い込み、一方的に父親を憎む。るいの呪いは「将来を思う」ことであったため、父親が何をしているかを教えることはできなかった。そのためるいは両親に対して怨恨を抱くようになっていった。母親は心労が祟って死に、父親は交通事故で死んだ。ともが巻き込まれたのは遺産争奪紛争。故に家出少女となっていたの。家庭問題がネックで一番のシナリオの根幹になりそうなのに、ちょっとかすっただけで遺産問題はうやむやに。寧ろ智との関係に溺れ呪いを踏む事件が発生してしまい家庭問題はうやむや。るいの呪いの代償で第三者が死んだのに後半では忘れ去られて哀れだ。フラグ構築後は、仲間のために協力して捕り物活劇。家庭問題はとってつけたかのように最後に父親の手紙が挿入され誤解が解けた、みすてられたんじゃなかったとハッピーエンド。智は呪いと上手く付き合っていく仲間を見て、るいと出会えたのも呪いのお陰だからイイじゃない!?と呪いを受け入れるいと一緒に生きていくと決意してめでたしめでたし。