雑録

センター国語2013はこんな感じ

詳しい解説は大手予備校のサイトをみましょう。
と、言ったら、生徒がかいつまんで教えてくれと言ってきたので個人的メモです。
大体こんな感じという要約を掴みたい人向け。

評論…小林秀雄「鍔」

はいはい小林秀雄。国語便覧にばっちり小林秀雄が評論でよく出る(化石情報)と書かれているが2013センターにも登場。内容的には文化論ををテーマにしており「乱世という人間が生き残るのに必死な時代だからこそ、文化が生まれる」ということが書かれてる。この趣旨を掴んでおけば、フツーに全部解けるのではないでしょうか。小林秀雄におけるツバに対する批評なんて高校生が読んで面白いかは別ですが。この「テーマ」は「失われた20年」という混沌を生きる現代にも繋がるので、出題者の意図的に、出題されたと考えれますね。評論文は短期講習(夏季・冬季)で講座を持たされるのですが、要は「要旨把握能力」の一言につきます。語彙を増やして意味を取り違えないようにし(語彙力)、筆者の論理を分析して(論理的思考力)、筆者の主張は何か(要旨把握能力)をおさえればOK?個々の問題には全体の要旨から演繹的に対処していけるかと思っています。評論文は出題者の意図と解答者の読み取りが食い違うことは少ないので、抽象的な評論用語の意味の取り間違いに注意することが肝要かと。

小説…牧野信一「地球儀」

筆者の主張や自分の感想などではなく、「出題者の意図」を読み取るんだぁ!と言われる小説読解。根拠を論証できれば文学的文章なんて好きに読んでいい!!というPISA型読解力に真っ向から反抗しますよ?な入試小説です。内容的には「家族論」。放蕩癖のある父とそれに不満な母、そして一時的な迎合主義の立場を恥じる主人公という構図。小説はいかに点数を落とさないかに尽きるかと思います。入試の小説というのは、「登場人物」と「場面転換」、「登場人物の心情変化」と「心情変化をさせるために配置された出来事」をきちんと把握することが重要です。そして、その物語を通して、「筆者は何を表現しようとしているのかを読み取り」、それを考慮に入れた上で、「出題者がどのような意図を持って問題を出しているか」を推理する作業が求められます。いやー、ホント出題者の意図を把握できないと攻略は無理ですね。よく生徒さんが「小説の点数が安定しない」と言いますが、それは自分勝手に読んでいて、出題者と読み取りがマッチすれば点が取れて、マッチしなければ点を落とすから。しかし2013年度の[18]で「ふがいない自分をどこかで慕ってくれるのではないかと身勝手な想像をして」いるって、どこから読み取れるんでしょうね。過去回想の場面から主人公自身が父親を慕っており、息子に重ね合わせたからとかですか?ね。

古文「松蔭中納言物語」

私は古典(古文・漢文)は堅実に点数を取らせる指導しかできません。すみません。すなわち、古文は古文単語を覚えて、文法を確実にし、和歌の表現技法を押さえ、文学史的な時代背景を用いるというものです。漢文は、語句と句形と訓読、そしてオチが教訓というパターンであるということにつきます。では2013年度国語の内容について。今回の古文の「松蔭中納言物語」は中々エロゲ的展開です。一言で言うと「身分ある男と地方領主の娘の恋愛に、分かってる感のある母君や右近がニヨニヨする」というノリです。イメージ的にはこうです。東国に下ってきた男が、地方領主の家に滞在中、その家の娘と一夜明かした後という設定から始まります。そして男と娘は和歌の交換による好感度の蓄積という物語文学に特有のパターンを通してフラグを構築していくのです。周囲の人々は恋に気付いてからかったりニヨニヨする一方で、気付かない人はすっとんきょんな反応を取るという対比で結構おもしろく読めました。

漢文 「張耒集」

続いて漢文。漢文は上記にもありますが、語句・句形・訓読をきちんとやれば点数取れます。そして、漢文はオチが教訓話で終わるという必殺技もあり、2013も見事に使えます。では内容について。イメージ的には「塞翁が馬」や「糾える縄」に近いのではないでしょうか。花を愛でて静かな満足を得て暮らしていたが、左遷されて花が見られなくなってしまった。だけどこれから先に起こることは予測できないものであるし、また花も見ることができるかもしれない。・・・というようなことが書いてあります。多分。なんとも教訓的ではないでしょうか。そして漢文の場合、最後が要旨把握になっているので、一番教訓っぽい選択肢を選び、そこから演繹的に前の問題でも符合する選択肢を選ぶと全問正解になります。常に使えるわけでもなく、頼りすぎると問題になりますが、答えの見直しの時とかにやってみるといいかもです。ちなみに2013の場合は、漢文の問8[37]では、選択肢5の「今は不遇な状況にある自分だが、いつの日か罪を許されて再び海棠の花を愛でる時がくるかもしれない、と悲しみに没入することなく運命を大局的にとらえ、乗り越えようとしている」が正解となります。教訓っぽいでしょ?これが分かると問6と問7も連鎖的に解けます。やったぜ。