雑録

凍京NECRO 「軍警察の野望編(牙野原エチカ√)」の感想・レビュー

牙野原鉾康(エチカの父)が軍警察を率いて凍京を支配しようとするおはなし。
エチカと父;鉾康との関係性の相克が描かれ、煩悶の末に立ち上がったエチカが父の野望を打ち砕く。
なぜ父親の人格が変わってしまったのか、どうしてエチカが罪の子であるのかが語られる。
・人格変化→祖国のために戦争に行ったのに帰ってきたら銃後に糞を投げつけられた。
・エチカが罪の子→同性愛の男(早雲の父)と掛け合わせた遺伝子を借り腹の女に産ませた。
エチカ√には最初の4分岐で早雲をリビングデッドにし、エチカを生者のままにしておくと入れます。

エチカ√概要


  • 牙野原鉾康の人格変化
    • 牙野原エチカは軍警察トップ;鉾康の娘。しかし親子仲は非常に悪く、冷徹な対応をする父親をエチカは憎んでいました。なぜ二人の関係悪化してしまったのでしょうか?確かにエチカと鉾康の親子仲が良好な時期もあったのですが、戦争が二人の関係を変えてしまったのです。戦争というものは悲惨なもので、勝てば称賛されるわけですが勝てなければ銃後からの突き上げをくらいます。ベトナム戦争の時に祖国のために立ち上がり反共戦争に駆り出された若者が、帰ってきたらヒッピーに糞を投げつけられたのと一緒ですね。こうして鉾康は戦争を経て人格が変わり、軍警察を足掛かりに権力を志向するようになっていっていきました。鉾康は軍警察を使ってクーデタを起こし、凍京の支配を試みます。死霊使いともなっていた鉾康は主人公;早雲もリビングデットに変え、次々と主要施設を陥落させていくのです。エチカは自分が所属していた組織も解体され呆然となります。


  • 牙野原鉾康もその娘エチカも同性愛である件について
    • 鉾康とエチカの関係が微妙なものである原因にはエチカが忌み子であるという問題もありました。なんと鉾康は早雲の父親に好意を寄せる同性愛者だったのです。鉾康は自分の気持ちを押し込めようとしていましたが、さらに三角関係?が展開され鉾康に想いを寄せる阿蘇紫が絆を求めてそそのかすのです。早雲の父と鉾康の遺伝子を掛け合わせて女である自分が借り腹となって産めばいいと提案します。鉾康はこの甘い誘惑にのってしまい同性愛ベイビーであるエチカが誕生したのでした。ゆえにエチカは同性愛という歪んだ罪の象徴となっていたのですね。さらにここでエチカもまたレズビアンとして成長し、その上借り腹であった阿蘇紫の娘;阿蘇霧里を愛してしまったのでさぁ大変というわけです。父親との葛藤、レズビアンであることの苦悩が牙野原エチカを苛みます。グチグチと苦悩した結果、自己の存在証明をするために、エチカは父親の野望をとめるべく立ち上がるのでした。


  • 牙野原父子の対決について
    • 軍事・行政権を掌握し凍京の支配を進める軍警察に対し、エチカはゲリラ戦を挑みます。最終決戦のサムライチャンバラの始まり始まり。エチカは数々の苦難を乗り越えて父がいる最上階を目指します。ここでちょっとエチカ√における主人公;早雲の扱いについて紹介しておきましょう。エチカ√の早雲はかなり早い段階でリビングデッドになってしまい、徐々に感情が喪失されていきます。しかしその早雲の想いが付喪神的に機械である脳機能補助装置エクスブレインに憑依するというのが醍醐味となっているのです。最終決戦でエチカは鉾康のネクロマンシーによって洗脳された早雲とも戦うわけですが、早雲のエクスブレイン自体には洗脳が及んでおらず、そのおかげでエチカが勝利するという展開になります。
    • 父親との戦いにおいては、エチカが戦闘の中で自己の存在証明を見出していくところがウリです→→「オヤジのあれが「正しい」やり方?知ったことか!血の繋がった姉妹の「正しい」関係性?間違って何が悪い?邪魔があったらぶっ壊す。気に食わなかったらぶん殴る。キスしたかったらキスをする。でっかいコドモ。それがアタシ、牙野原エチカなんだよ!」・・・父親を倒し軍警察の野望を打ち砕いたエチカたち。凍京の治安は各地の勢力によって保たれていました。エチカは同性愛であろうが姉妹愛であろうが関係なく、その想いを貫ける強さを得ました。こうしてエチカは借り腹の母の娘である霧ねぇと結ばれました。味噌汁が飲みたいエンドを迎えます。