ノラと皇女と野良猫ハート「夕莉シャチ」シナリオの感想・レビュー

母親役から嫁にクラスチェンジするはなし。過去エピソードとフラグ構築はわりと面白い。
結ばれた後にシャチ人外設定は天界の気候制御装置ということが明かされプレイヤーを引き付けるのだが…
特にイベントも発生せずイチャラブしてそのままエンディングを迎えます。
えーっ、ここで終わりかよ!そりゃないぜ!!!短いっス!!!今までの伏線は何だったの!?
折角パトリシアの冥界と対になる天界を登場させたのだから、もう少しうまく料理して欲しかった気も。

夕莉シャチのキャラクター表現とフラグ生成過程


  • 母親役からお嫁さんへクラスチェンジ
    • 夕莉シャチは人外ヒロイン機械系。幼少のころ主人公くんに拾われてから、主人公くんやその母に愛情を注がれた結果、今では立派な家族になっておりました。シャチとのフラグ構築の契機は、シャチの素潜り漁業とさかな料理がマスコミに注目されたことから始まります。家に取材が入ることを好ましく思わない主人公くんは、亡き母の性格を持ち出してシャチと些細な喧嘩をしてしまうのです。シャチ√の前半では過去のエピソードと現代の時間軸がシャッフルされながら語られていきます。幼少期シャチは感情表現や行動が機械のようであり(まぁシャチ自体機械そのものなのですが)、妙に理屈っぽい性格をしていました。しかし主人公くんの母が病気になり死が近くなる頃から、感情が育ち始めます。「家族の死による空虚感とその癒し」というパターンは結構鉄壁ですよねー。分かっていてもグッときてしまいます。主人公くんとシャチは母の死を二人で乗り越えてきたのです。しかしここで問題が、なんとシャチは主人公くんの母から後を頼まれたことから、すっかり自分が主人公くんの母となるつもりでいたのです。そんなシャチに主人公くんが大演説をかまし、また本当は母でなく嫁になりたかったシャチは狂喜するのです。こうして二人は結ばれるのでした。
    • フラグ構築後、なんとびっくり、シャチは天界から遣わされた天候制御装置であることが判明します。またシャチの感情が地球と同期してしまっており、シャチが幸福なら地球の天候も穏やかなのですが、シャチが情緒不安定になると天候不順になることも明らかにされるのです。そのため多くのプレイヤーが天界設定や人外機械設定からどのようにシナリオが紡がれるだろうとワクワクしたに違いありません。少なくとも私はワクワクしていました・・・。しかしながらイベントは発生せずスルーされ二人の幸せなイチャラブライフなキャラゲーが綴られたあとエンディング。えー!!!これで終わりっすか!?シャチのキャラクター表現が全ヒロインの中で一番好きなだけに残念でなりません。


主人公くんがシャチを嫁にするシーンが結構好きなので抜き書き

家系図あるじゃんか。この前書いたやつ。ケンカの原因にもなっちゃったやつ。母親になりたいなら俺の上にお前がいる。でもそうじゃない。俺にとっては母親は一人しかいないし、代わりはないない。だから縦の線では繋げない。でも、一人になるのは寂しいし、辛いし、不安だ。だから、今、俺たちをこうして(線を引き)こうして、横の線で繋ぐ。何なら線の上にハートマークをお見舞いだ。カップルだ。一歩ずつ進んでいくんだよ。家族になるために。これから進んでいくんじゃねぇの?そんで結婚すんじゃねえの?結婚すんだよ!同じ土地で生きて、同じ土地で一緒にいるんだよ。血が繋がってないとかそんなこと気にすんだったらな!繋げてやるっつーんだよ。何度波に消されても、びーって線引いてやるっつーんだよ。後悔しても遅いからな。お前は、俺の、大切な!!お嫁さんになるんだよ!!俺がもらってやるって言ってんだよ!!!

昔からずっと一緒で、同じ家にいて。母親がいなくなった時も、お前がいたからこそ、俺は一人になることもなくて。だからこそ、ずっとあの家で一緒に育ってきたお前のことを、俺は母親と見れるわけがなくて。でもーお前のこと、母親にすることはできる。もしお前が俺の母親になれなくても。俺はお前をママと思うことはできなくても。ママにしてやることはできると思うんだ。もちろん、今すぐでは無理だったとしても、俺、頑張るから。死ぬほど頑張って、信じられないくらい頑張って。お前が見たこともないくらい働いて頑張るんだ。その頑張りをそばで見ていて欲しい。