雑録

あきゆめくくる「小高柚月シナリオ」の感想・レビュー

宇宙からの情報思念体が可能性を喪失した人間の脳に書き込まれたというはなし。
かつて「永遠の命」を得る方法に自分のコネクトームを空白人間の脳に書き込むという研究があった。
しかしある時、宇宙から飛ばされてきたコネクトームに空白人間は乗っ取られてしまった。
そのうちの1体がヒロインである小高柚月であり「中部凄歌事件」はその隠蔽工作だった。
時を経て北海道の地方都市ルルランで量子爆弾事件が起こり人々は可能性を喪失してしまう。
可能性を喪失した人々に宇宙からのコネクトームを書き込まれたため発生したのがワスプの正体である。

ワスプ(WSP)の正体とは何かを解き明かすのが小高柚月シナリオ


  • 人間の集団にある慣習・雰囲気に干渉することを目指す
    • 人間の集団には内面的に埋め込まれた慣習や雰囲気などが存在します。また祭りや危機的状況の時には、一種の狂乱状態となります。このようにして、人間集団には人々の感情が空気的に感染することがあるのです。この状態を利用して同じことを繰り返し続けるループ世界に干渉しようと試みます。その手段がラブコメであり、積極的に努力して楽しいと思える雰囲気を創出し、世界に干渉しようとしたのでした。小高柚月は自分のドキドキを周囲に伝えるため公開野外全裸自慰行為を始めます。するとどうでしょう。従来、柚月は自分をどこか客観視しており自分が自分でない存在のように感じていたのですが、今まさに精神と肉体が一致した実感を得たのです。さらに今までループするだけの存在であった可能性を奪われた残滓とされていたワスプたちが視姦しているではありませんか!そのうえ柚月が主人公くんと菊座に肉棒を入れる行為を始めると大勢のワスプが集まってきます。こうして雰囲気を感染させることで世界に影響できる手段を明らかにしたのです。



  • コネクトームと光人間
    • コネクトームとはいったい何のことでしょうか?作中では「脳には1000億ほどの神経細胞があって、それらの間に2兆以上の接続があるとされています。脳の神経系の接続状態を表した地図がコネクトームです」と説明されています。つまりは自分と同じコネクトームがあれば、自分とまったく同じ記憶を継承する自分を複製できるのです。クローンであろうとも記憶を継承できないため別個体となってしまいますが、コネクトームの複製ならば、まったく同じ自分を継承できるのです。このコネクトームを使って永遠の命を追及したのが、小高柚月の父;円鐘道万だったのです。道万は自分のコネクトームを別の肉体に書き込むため、脳が空白状態である人間をいくつも作り上げました。しかし、ここでアクシデントが発生。なんとコネクトームを光に乗せて地球に飛ばしている宇宙人が存在していたのです。道万が作り出した脳が空白な人間は、宇宙人のコネクトームを受肉させることになります。この時の1体が、小高柚月だったのです。柚月が公開露出オナヌーで精神と肉体の一致を得たのは、柚月が外部から書き込まれたコネクトームであったことに起因しており、公開露出オナヌーという行為が生を実感させたのですね。



  • ワスプとの交流と平和的共存
    • 主人公くんたちは可能性を失ってしまった北海道の地方都市;ルルランに流刑されたのですが、そこにはワスプと呼ばれる存在がありました(ホワイト・アングロサクソンプロテスタントではないよ)。当初、ワスプは可能性を奪われた人間の残滓と思われてきましたが、柚月シナリオではそのワスプの正体が明らかになっていきます。なんとワスプは可能性を失った人々に光人間が乗り移った姿だったのです。すなわち、宇宙から地球へ飛ばされているコネクトームが、可能性を失った人々の残滓に書き込まれた姿だったのがワスプのみなさん。その正体は宇宙人だったというわけです。ワスプは人間を襲う脅威ともなる存在であり、世界線:柚月√ではこのワスプをどう扱うかが命題として課されます。人間を殺そうとするワスプを、交流したのに消滅させることができるかということで葛藤しなさいと言われるのです。柚月と主人公くんのやり取りの結果、ワスプと交流しながらの共存が目指されることになり、その中で柚月は積極的に幸福となる努力をすることを決意するのでした。