渡辺僚一

蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2(鳶沢みさきアフター)の感想・レビュー

競技者として追われる立場になったことでメンクラした少女がそれを愛に変換して奮闘する話。 才能に恵まれた鳶沢みさきは何でも出来たため要領よく飄々として生きて来た。 だがフライングサーカスを始めたことで挫折を経験し、自分の本性が暴露されていく。 …

『ふゆから、くるる。』製品版 (シルキーズプラス)の感想・レビュー

人類の拡張のため適応できる惑星を探すべく宇宙に放たれた情報思念体の死生観の話。 名探偵編までは茶番だが、補陀落渡海編からが真骨頂であり、ここから一気に面白くなる。 物語の舞台は量子的幻想世界であり、登場人物たちは宇宙を彷徨う情報思念体に過ぎ…

『ふゆから、くるる。 体験版』(シルキーズプラス)の感想・レビュー

成体と幼体の輪廻を繰り返す箱庭系学園で殺された友人の頭部を探すべく名探偵する話。 舞台は天才を生み出すために外界から隔離され第三者に観測されているという箱庭世界。 人々は成人まで成長したら今度は幼化し、赤子になったらまた成長する事を繰り返し…

渡辺僚一先生のシナリオに対する『スタァライト』の思想的影響について

渡辺僚一先生が『ふゆくる』完成間近に感想ツイートをしていた『スタァライト』。たいそう楽しんで視聴していたことがそのツイートからうかがい知ることができる。本人は『ふゆくる』には思想的影響はないと述べていたが、渡辺僚一先生自身には大変影響を残…

【ふゆくる】渡辺僚一先生、シルプラ生放送128回における青葉りんごさんとの対談で、声優業界のタブーに迫る【シルプラ】

最近のシルプラ生放送では、『ふゆくる』大特集が組まれており、担当声優とライター渡辺僚一先生の対談が行われています。シルプラ生放送128回目は青葉りんごさんが登場したのですが……。なんと放送事故!機材トラブルによって青葉りんごさんが何を言っている…

『ふゆから、くるる。』のイントロダクションと人間関係の整理

箱庭世界において成熟と若返りを永遠に繰り返す少女たちを通して生命を描く話。 主人公たち少女は不死という設定。頭部を切断しても48時間以内ならば復活することができる。 親友が首無し遺体となってしまった主人公は死を防ぐために名探偵をすることになる…

Ninja Girl and the Mysterious Army of Urban Legend Monsters!~Hunt of the Headless Horseman~ 体験版の感想・レビュー

忍者のクール系黒髪と相棒のブロンド幽霊少女が霊能事件にかかわる話。 体験版は短すぎて何とも言えないが、首なし騎士と戦い、行き倒れ少女を保護する。 しかし、その少女も忍者であることが判明し、忍者バトルへと発展するがここで終わる。 むしろこの戦闘…

缶詰少女ノ終末世界「更紗サリシナリオ」の感想・レビュー

世界を閉塞させようとする少女を、世界の果てを目指す少年が救うはなし。 「世界の果て」が「人類の可能性」であると定義され、主人公は宇宙を目指すことになる。 『3くる』と同じコンセプトであり「終末」=「核の冬」なので『缶詰少女』は『ふゆくる』。 …

缶詰少女ノ終末世界「辻花咲シナリオ」の感想・レビュー

「世界5分前仮説」と「観測による存在の確定」と「アポトーシス」のはなし。 人類という種の終わりに際して抑止力として発生するのが辻花咲という存在。 その一方で人類に終末をもたらす存在として発生するのが更紗サリという存在。 辻花も更紗も主人公くん…

缶詰少女ノ終末世界「烏森亜実花シナリオ」の感想・レビュー

死んでも時間遡航してしまう多重人格の少女が、自己の別人格を解放するために死を求める話。 一つの肉体を共有する多重人格のうち、少女の人格(ツバキ)が少年の人格(主人公)を愛してしまった。 ツバキは自己の境遇が主人公くんを束縛すると考え、束縛する宗…

缶詰少女ノ終末世界「八乙女華江シナリオ」の感想・レビュー

主人公が多重人格で別人格のツバキが時間遡航・並行世界認識の能力者であることが明らかになる話。 フラグへし折り形式であり攻略ヒロインたちは伏線回収のためのパーツに過ぎない。 八乙女先輩√では太陽嵐の終末が訪れるが、個別を選ぶとバッドエンドとなる…

缶詰少女ノ終末世界 体験版の感想・レビュー

野外活動を描いた日常のA視点と小型核爆弾を巡るシリアスなB視点を交互に提示して一つに収束。 A視点は学園モノで『ヤマノススメ』や『ゆるキャン』よろしくアウトドアをする。 B視点はスパイ活劇よろしく小型核爆弾や地域紛争での殺戮が主題となるシリアス…

あきゆめくくる「轟山サトリ(佐々木沙織)シナリオ」の感想・レビュー

並行世界を認識し、統合できる少女がどの世界線でも主人公くんと結ばれない事実を受容するはなし。 佐々木沙織は轟山サトリが多世界を認識できなかった世界線の姿。 しかし多世界を認識できない佐々木沙織はもう既に轟山サトリではないのだ。 轟山サトリは主…

あきゆめくくる「土織キス(ドゥルキス)シナリオ」の感想・レビュー

恋は、重力!!恋を重力に見立て脳内「ビッグリップ」を阻止するはなし。 土織キスの前進は異能力保持者の失敗作であり、廃棄される寸前にウィルス実験に供された。 この寄生したウィルスがパンドラウィルス「ドゥルキス」であり「広がり」を求めた。 その「…

あきゆめくくる「小高柚月シナリオ」の感想・レビュー

宇宙からの情報思念体が可能性を喪失した人間の脳に書き込まれたというはなし。 かつて「永遠の命」を得る方法に自分のコネクトームを空白人間の脳に書き込むという研究があった。 しかしある時、宇宙から飛ばされてきたコネクトームに空白人間は乗っ取られてしまった。 …

あきゆめくるる「伊橋歩シナリオ」の感想・レビュー

学園闘争でリーダーとなり多くの兵を死なせてしまった少女の悔恨を解き放つはなし。 歩は政府へ寝返っており、ほぼ不死の主人公くんに再蜂起させることで、力をつける前に早期に鎮圧されるよう仕向けていた。 (歩は、政府から命に背けば不特定の異能保持者…

あきゆめくくる「共通(体験版の続き〜個別√まで)」の感想・レビュー

バカゲーの皮をかぶった哲学思想ゲー。量子力学をモチーフに人間存在や世界を解釈する。 体験版では世界を変えるという主体的な意志決定の手段としてラブコメをすることが決定した。 製品版の個別√までの流れとしては何を題材にしてラブコメをするかが物語の…

あきゆめくくる体験版の感想・レビュー

四季狂うシリーズ第3弾。哲学思想系空想科学SFモノ。 排斥されたデザイナーズチャイルドたちの蜂起が失敗しループする世界へ流刑されたはなし。 その世界に存在するのは量子爆弾により可能性を奪われループし続ける人間の残滓WSPだった。 主人公くんたちは…

渡辺僚一『はるまで、くるる』(すみっこソフト、2012-04-27)の感想・レビュー

人類滅亡後、氷河期となった地球環境が人類生存に適するようになるまで、ループしながら地下空間で生活するはなし。 種の保存と人類の可能性としては火の鳥未来編や漫画版ナウシカと同じようなノリ。 閉鎖空間の中で3ヶ月間を記憶リセットしながらループし続…

蒼の彼方のフォーリズム(体験版)の感想・レビュー

挫折系主人公くんが教導官として再び立ち上がるはなし。 ガンスリやロウキューブのように指導者の視点に立つということで自分が肯定される展開。 一度挫折し砕け散った主人公くんが少女の力になるために立ち上がるパターンは大好物だ。 それに加えて本作独自…

なつくもゆるるの感想・レビュー

なつくもゆるるは、終末思想を扱った未来形SFモノ。 10の72乗年後の宇宙が膨張して消滅する世界で人類を生き延びさせよ。 重力を主題とした学園異能バトル、生態系における生命が生きる意味、ループにおける思考実験。 別宇宙の未来で新生人類が生き残れるよ…

はるまで、くるる。(体験版)の感想・レビュー

『はるまで、くるる。』は「ぬきげぇ」の皮を被った箱庭的ループ哲学?ゲー。 最初はホント何でクリックしてるんだろーね?という気分になるが。 「閉鎖空間において記憶喪失状態で放置された人間がどのような行動を取るか」が主題。 それを観測者が3ヶ月間…