雑録

ノラと皇女と野良猫ハート2 体験版1.00の感想・レビュー

認識観測と存在忘却モノ。表面的にはギャグ要素の強いバカゲーなのですが、本質は哲学思想ゲー。
認識されて初めて存在できるとするならば、忘却されずに認識され続けるにはどうすれば良いのか?
逆ONEよろしく新ヒロインのアイリスは存在を忘れ去られる呪縛を背負う。
幼少期アイリスのトラウマ話は破壊力バツグン!←お誕生日会に誘われて行ったらあなた誰扱い!!
お母さんに言われたからエンド家一族を滅ぼすというアイリスをパトリシアが説教!!
滅ぼすというのなら歴史を勉強して根拠をもって主体的意志で滅ぼしに来いと説くのであった。

絵本の童話は児童に根源を継承する最良の物語〜history is story〜

  • 歴史の継承と存在の証明
    • 存在するとはどういうことでしょうか?それは人々に認識されることです。もし仮に実体があったとしても認識観測しなければそれは存在しているとは言えません。そして、もし仮に実体がなかったとしても、人々によって認識観測されればそれは存在することになるのです。歴史もこれと同じであり、人々から忘れられてしまえば、その歴史はなかったことになってしまいます。故に歴史を継承し、幻想の共同体を創出しようとするのですね。
    • 新ヒロインのアイリスの王国はついに地図から消え、存在が消滅しようとしていました。風前の灯火。アイリスは消滅を免れるために冥界から現世へとやってきます。そこで主人公くんたち一派と交流を交わし期待を持つのですが、案の定、忘れ去られるのです。アイリスには存在忘却の呪縛が科せられており、存在を忘却されてしまうのです。この時に挿入される幼少期アイリスエピソードは涙を誘ってやみません。トモダチから誕生日会に誘われ、相手のために一生懸命プレゼントも選んだのに、誕生会に行ったら相手からは忘れ去られている切なさよ。
    • 主人公くんの家を氷漬けにし、あまつさえ翼竜をも召喚するアイリス。しかしこの翼竜退治を経て、主人公くん一派はアイリスを思い出します。そして童話:大きなカブをモチーフに、力を合わせることの重要性が説かれるのです。哺乳類パワーが炸裂します。群れることを否定するのは社会と文化の否定だぜ。

  • ナショナルアイデンティティの形成と主体的意志の確立
    • と、いうわけで翼竜退治はパトリシアの救援もあり見事解決。しかしこれでアイリス一族を滅ぼしたパトリシア一族が相まみえることになりました。パトリシアはアイリスになぜ復讐したいのかを問いますが、返ってきた答えはお母さんに言われたから。この返答にはパトリシアもブチ切れ。主体的な意志はないのかと問い詰めるわけです。もっと、歴史を勉強して。複数の史料にあたり、きちんとした根拠を自分の中に見つけてから、主体的意志を持って滅ぼしに来いと要求するのです。こうしてアイリスは冥界の歴史、パトリシア一族の歴史、自国の歴史を勉強することになったのでした。また、アイリスたちはより見聞に広めるために、主人公くんたちの学校へとやってきます。一体どうなることやら!!といったところで体験版はお開きになります。