おそらく多くの学校・塾・予備校で高2・高1の生徒にセンター試験を解かせていると思います。しかしただ漠然と解くだけではダメで、どのような知識がどのような方法で出題されるのかを意識させなければ効率は上がりません。そのため毎年私は受け持ちの受講生に解説作りを推奨しています。一方的に受講生にやらせるだけではなく教員も一緒にやっています。そんなわけでレッツ・チャレンジ。
ノリで書いているので、誤字脱字には充分お気を付けください。
- 亀さまによるセンター世界史2018振り返り漫画
第1問 世界史上の帝国や王朝の支配について
- 【1】支配の仕組みについて(正文判定)
- 【2】「ローマの平和」の時期に起こった出来事(誤文判定)
- 1:(正文)1世紀後半、十二使徒筆頭のペテロ、異邦人伝道に活躍したパウロがキリスト教を広める。Fateやってればネロ(赤セイバー)ネタから解ける。
- 2:(誤文・正答)『ローマ法大全』はビザンツ帝国のユスティニアヌスがトリボニアヌスに命じて作らせたので6世紀。
- 3:(正文)ローマの季節風貿易ネタ。みんな大好き横断史。グローバルヒストリーブーム。1世紀におけるエジプト在住ギリシア人が書いた『エリュトゥラー海案内記』が季節風貿易の貴重な史料!というところで習う。
- 4:(正文)五賢帝時代のトラヤヌスがダキアを征服してローマ帝国の領土が最大に達する。ダキアは現在のルーマニア。『幼女戦記』でも国土が蹂躙されてましたね。
- 【3】ローマ帝国の支配下にあった諸都市のその後の歴史(正文判定)
- 1:(誤文)フィレンツェは毛織物。ヨーロッパではインドの綿織物に対抗するためにイギリスで産業革命が始まる。19世紀イギリスのヴィクトリア朝メイド漫画『エマ』で産業革命は学習しましたよね。
- 2:(誤文)ガズナ朝はアフガニスタン。アドリアノープルはバルカン半島の都市。ムラト1世に征服されオスマン帝国の都となった。オスマン帝国の首都の変遷はブルサ→アドリアノープル→イスタンブル。
- 3:(正文・正答)リスボンはポルトガルの首都。ポルトガルはインド交易がメイン。新大陸との交易でリスボンと競合したのはスペインのセビリア。
- 4:(誤文)第4回十字軍はヴェネツィアの商人につられてビザンツ帝国のコンスタンティノープルを征服してラテン帝国を建ててしまう。ビザンツ帝国は逃れてニケーア帝国。イェルサレムを奪回したのは第1回十字軍。
- 【5】人物史。ヘンリ2世について(正文判定)
- 1(誤文)アングロサクソン七王国統一はエグバート。
- 2(正文)プランタジネット朝創設はヘンリ2世。ウィリアム征服王の息子ヘンリ1世は男子の後継者を残さず死去したため内乱が発生。「ヘンリ1世の娘マティルダ」VS「ヘンリ1世の甥スティーヴン」で対立する。スティーヴンが優勢だったが、貴族と貴族高位者が権益拡大のため内乱を利用したため、スティーヴンはマティルダの息子アンジュー伯アンリを自身の後継者として指名し、スティーヴン死後、アンリがヘンリ2世として即位しプランタジネット朝を開いた。
- 3(誤文)マグナ=カルタはジョン王。フィリップ2世に北フランスの領知を没収されたジョンが軍備のために増税したため貴族に叛乱を起こされ出されたのがマグナ=カルタ。
- 4(誤文)シモン=ド=モンフォールの反乱はヘンリ3世。ヘンリ3世は貴族との取り決めをシカトしたためシモン=ド=モンフォールに反乱を起こされ、シモン=ド=モンフォールがイングランドの事実上の支配者となる。シモン=ド=モンフォールの議会から庶民がはじめて統治に対して発言したので、イギリス議会の起源とされる。
- 【6】帝国について(正文判定)
- 【7】アジアにおける王朝や民族の興亡について(正文判定)
- 【8】歴史書(正文判定)
- 1(誤文)澶淵の盟は北宋と遼の間の同盟。宋が兄、遼が弟とされたが、宋は寮に銀・絹布を納めることとなった。
- 2(誤文)国家による土地支給と徴税がセットになってるのは均田制・租庸調。両税法では現住地で課税されるようになり資産額に応じて徴収した。
- 3(正文・正答)春秋の五覇・戦国の七雄。春秋時代は周王室の権威が残っており、諸侯は王ではなく覇者と称し、諸侯の会盟を主催して秩序を守ろうとした。だが、黄河流域(従来の中国史の中心)でない長江流域の楚・呉・越などの勢力は、周王室を中心とした秩序を維持しようとするようなことはせず、王を名乗るようになった。
- 4(誤文)長江下流域の開発は頻出。下流域開発は宋代で「江浙熟すれば天下足る」。中流域開発が明代で「湖広熟すれば天下足る」。
第2問 宗教や宗教集団について
- 【10】シク教について(正文判定)
- 【11】マウリヤ朝の都の名前と位置
- 【12】軍の指揮官について(正文判定)
- 【13】ユダヤ教について(正文判定)
- 【14】商業について(誤文判定)
- 【15】人物史 シェイクスピアについて(正文判定)
- 1(誤文)ラダイト運動は産業革命における機械打ちこわし運動。
- 2(正文・正答)テューダー長最後の処女王エリザベス1世が死んだのは1603年で徳川家康が江戸幕府を開いた年。スコットランド王のジェームズ6世がイングランド王として迎え入れられステュアート朝のジェームズ1世として即位した。
- 3(誤文)ウォルポールが首相となったのは、ハノーヴァー朝時代。ジョージ1世はドイツに滞在し英語を話せなかったのでイギリス国政をウォルポールに一任。ウォルポールはホイッグ党が選挙に敗れて議会の支持を失うと、王の慰留にも関わらず辞任したので、イギリスでは議院内閣制が定着した。
- 4(誤文)グラッドストンがアイルランド自治法案を提出したのは19世紀後半。アイルランド問題はイギリスの民族問題として20世紀になってもひきずることになる。1914年にようやくアイルランド自治法が成立するものの第一次世界大戦により延期され、1916年のイースター蜂起を経て、1922年にアイルランド自由国が成立した。
- 【16】近代アラビア半島史(空欄補充)
- 空欄ア:近代アラビア半島におけるイスラーム改革で原始イスラームの回帰を主張しているのだから、ワッハーブ派。十二イマーム派はイスラーム教シーア派のうち、アリーの子孫の12代をイマームとして崇拝する。第12代イマームは隠れイマームであり、終末に再臨するとされる終末思想をとる。終末何してますか状態。サファヴィー朝以来イランの国教。
- 空欄イ:ワッハーブ派と組んでアラビア半島でサウジアラビア建国したのだからサウード家。ハーシム家は第一次世界大戦の時にサイクス=ピコ条約を結んでイギリスからアラブの独立を支援されダマスクスを征服してヒジャーズ王国を建国したのだが、サウード家との戦いが始まるとイギリスに見捨てられた。その後ハーシム家はイギリスがフランスと分割したアラブ地域をさらに分割してもらいファイサルがイラクを、アブドゥラがトランス=ヨルダンを貰った。
- 【17】宗教について(正文判定)
第3問 世界史上の都市とその建造物について
- 【19】歴史的建造物について(正文判定)
- 【20】ヨーロッパの河川(空欄補充)
- 【21】人物史・ヨーロッパの君主について
- 1(誤文)カペー朝を建設したのはパリ伯ユーグ=カペー。フィリップ2世は英王ジョンから領土の大半を奪う。
- 2(誤文)審査法を制定したのは王政復古期。カトリック復興を目論むチャールズ2世に対抗して、国教徒以外を官職につけなくした。よってエリザベス1世の時代ではない。
- 3(誤文)クローヴィスはフランク王国メロヴィング朝。ヴァンダルはゲルマン人の民族移動で北アフリカまで移動したことで有名な民族。地図問題とかでよく出る。
- 4(正文・正答)スペイン王カルロス1世は神聖ローマ帝国皇帝に選出された。皇帝としてはカール5世。16世紀前半のドイツという非常に困難な時代でルターの宗教改革とかシュマルカルデン同盟とかオスマン帝国のスレイマン1世とかフランスのフランソワ1世とかに苦しめられた。
- 【22】東欧や北欧の歴史(正文判定)
- 1(誤文)ハンガリーはチェック人ではなくマジャール人でしょうに。チェック人はボヘミア。
- 2(誤文)カルマル同盟はスカンディナヴィアンクロス(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)。フィンランドはスカンディナヴィア半島ではない。今年の地理Bムーミン問題の言語問題もフィンランドだけ言語全く違うでしょ?トナカイの絵柄で一発でバレたけどな!!ちなみにカルマル同盟はデンマーク女王マルグレーテちゃんを想起しながら、あーそういえばサガプラの作品で『カルマルカサークル』っていう作品があったよなぁ。いざ苦難(1397)の道へとカルマルカ!と覚えろ!!
- 3(誤文)なぜポーランドでハノーヴァー朝なんだい!?ハノーヴァー朝はステュアート朝のアン女王が皇位継承者残せなかったので、ドイツからやってきた王朝でしょうに。まだイギリスで続いてい断絶してないぜ。第二次大戦の時、敵国がドイツだったからウィンザー朝に改称したけどな!!
- 4(正文・正答)ビスマルクがオーストリア倒すためにその軍備がどれくらいか知るため、デンマーク潰そうぜ!といって共同出兵した戦争。で、戦力分析してオーストリア潰せるじゃんとなったので、デンマークから奪ったシュレスヴィヒ・ホルシュタインの領有を口実に普墺戦争を仕掛けた。
- 【23】首都について(正文判定)
- 【24】第二次世界大戦中の出来事
- 【25】都市について(誤文判定)
- 【26】宋代の新法について(正文判定)
第4問 人の移動と戦争との関わりについて
- 【28】人の移動とその影響について(正誤組合せ)
- 【29】反乱について(正文判定)
- 【30】人物史 エカチェリーナ2世(正文判定)
- 1(誤文)リシュリューを宰相としたのはルイ13世。三部会を停止したりした。
- 2(誤文)十四か条の平和原則を主張したのはアメリカ合衆国大統領ウィルソン
- 3(正文)エカチェリーナ2世はオスマン帝国と戦いキュチュク=カイナルジ条約でクリム=ハン国の保護権を獲得。その後、クリミア半島を領有化した。
- 4(誤文)インド皇帝に即位したのはヴィクトリア女王。ディズレーリの政策。
- 【31】ルワンダ内戦(年表挿入)
- 【32】戦間期に起こった出来事(正文判定)
- 1(誤文)ブレジネフは戦後冷戦期。冷戦期ソ連の指導者はスターリン→フルシチョフ→ブレジネフ→アンドロポフ・チェルネンコ→ゴルバチョフ。
- 2(誤文)イギリスでフェビアン協会が成立したのは第一次世界大戦前。社会民主連盟・フェビアン協会・独立労働協会が労働代表委員会を結成し、そこから社会民主連盟が抜けて労働党が成立した(1906)。
- 3(正文・正答)1917年のロシア革命の影響で世界で2番目の社会主義国となったモンゴル人民共和国。1917年にロシア革命が起こると、波及を恐れた中国政府はモンゴルの自治を撤回した。だが1921年にスヘバートル、チョイバルサンらがモンゴル革命を起こし、モンゴル人民臨時政府を樹立。活仏を元首としたが、1924年に死去したため、モンゴル人民共和国となった。
- 4(誤文)極東国際軍事裁判は第二次世界大戦の日本の敗戦後。
- 【33】スペイン史(正文判定)
- 【34】亡命の歴史(正文判定)
- 【35】20世紀の中国の歴史(正文判定)