雑録

抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?「文乃グランドエンド」の感想・レビュー

多文化共生モノ。価値観が異なる様々な人々が共存できる社会体制の創出を目指す。
革命に必要なものはいつだって大衆のエネルギー。どんな大義を掲げても大衆と結び付けられねば失敗する。
革命ゲーでは大衆に訴えかける「演説」が見せ場だが、本作でも文乃演説が抑圧された島民に火をつける!
幾重にも辛酸を舐め、七難八苦を越え、艱難辛苦の果て、満願成就に至る。
文歌を巡り、男たちが自分の信念を賭けて戦うが、最終的には仲間パワーで主人公くんが勝利する。

最初は自己のエゴのために大義を掲げるが、それが社会変革へと繋がる

  • 文歌を巡る男たちの詩
    • 物語は防人文歌という一人の女を巡る三人の男のエゴというのが真相です。防人家は代々主君に忠節を誓う家系であり滅私奉公を尊んでいました。しかしながら防人家の長男が愛する女と駆け落ちし、防人文歌が誕生しました。文歌は県知事と結ばれるのですが、県知事は高い理想を持っており家庭生活に埋没してしまえばアイデンティティが崩壊し自分ではなくなってしまうという厄介な人間でした。そのため文歌は身籠ったまま身を引くことになるのです。その娘がグランドエンドのヒロインとなる文乃でした。しかし文歌は自分がまっとうな職に就けば県知事に見つかってしまうので、裏風俗で働くことしかできず、島民に排斥されて死んでしまうのです。こうして防人氏は県知事を憎悪し権力基盤である島を崩壊に追い込もうとし、県知事は自分の妻を死に追いやった無知な島民を憎悪することになるのでした。主人公くんもまた、文歌が島民に殺されたことにより、閉鎖的な島を憎むことになります。幼少期にコンプレックスに悩む主人公くんを個性だと承認してくれたのが文歌だったのですね。しかしながら主人公くんは個別√を通して、様々な価値観を持つ人々と死闘を繰り広げることで、異なる価値観に触れて成長していったのです。

  • 革命エンド 〜幾重にも辛酸を舐め、七難八苦を越え、艱難辛苦の果て、満願成就に至る〜
    • 主人公くんを後押しするのが、文歌の娘である文乃の存在。文乃は自分を困難に追いやった状況を全て愛すと宣言します。未だ、過去の呪縛に囚われる主人公くんでしたが、愛する文乃が愛する島を受け容れることができるようになります。防人氏の政略により、島の産業は衰退し、島の象徴であるタワーも取り壊されることになります。これを契機に主人公くんは仲間を率いて立ち上がるのです。主人公くんの仲間たちはタワーの破壊を防ぎに出撃し、主人公くんは防人氏と決着をつけにいき、そして文乃は多文化共生を訴えます。主人公くんと防人氏の戦いには県知事も参戦して三つ巴の戦いとなり、己の思想信条を賭けて殴り合いをすることになるのです。一方で、文乃演説は島民の心を打ち大衆を動かして革命発生!一部の特権的な人々がどんな大義を掲げても社会を変革することはできず、いつだって大衆的なエネルギーを必要とするのです。しかしながら、その大衆に火をつけるのは個人的なエゴであったりもするわけで、本作は主人公くんと文乃の愛という個人的な動機が社会革命に昇華されたのですね。こうして仲間パワーにより防人氏・県知事を倒した主人公くんは革命を成功させ、多文化共生社会を形成させたのでした。主人公くんたちの戦いはこれからだ!経済発展至上主義の欲望拡大社会に対する新たな未来を描き出すのだとハッピーエンドを迎えます。