Summer Pockets REFLECTION BLUE「野村美希(のみき)」シナリオの感想・レビュー

KEY伝統の御家芸である「家族」ゲーを幻想要素「夢の共有」で提示。
捨て子であるのみきは自己欺瞞により両親は本州で仕事をしていると思い込んでいた。
主人公は少年団の活動を通して島民全体がのみきを育てたのだと知る。
だが島の取材と称して記者がやってきたことでのみきの安寧は崩れてしまう。
なんと記者たちこそがのみきの両親であり、娘を迎えにきたのであった。
困惑したのみきは夢世界に囚われるが、主人公の力でそれを打破し親と和解する。

野村美希のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • みなしご美希の家族問題
    • 野村美希(のみき)は島の少年団で治安維持活動に精を出す少女。主人公がプラプラしている様子を見て、少年団に誘ってきます。のみきとの活動を通して交流を深めその人柄に惚れていくという寸法です。のみき√でメインになるのは島の取材について。本州からやってきたという記者たちから島をテーマとして記事を書きたいと頼まれたのみきは島を紹介しながらインタビューに応えていきます。
    • それと並行して夢世界が展開され、夜になるとのみきの夢が主人公に侵蝕してくるという手法で、のみきの隠された欲望に触れていくのです。のみきの隠された欲望というのは家族愛について。なんとのみきは孤児であり、島民全体によって育てられたのです。しかしのみきは自分が捨て子であることを受け入れられず、自己欺瞞を発動し、両親は本州で働いており、いつかきっと自分を迎えに来てくれると信じ込んでいたのです。
    • 島民たちはそれを考慮してのみきを見守っていたのですが記者たちがのみきの親戚であり、のみきを養子にしたいと申し出たことから、のみきは自己を支えていた自己欺瞞と矛盾し精神崩壊(しかも記者たちは親戚ではなく両親であった)。その結果、夢世界に囚われてしまうことになります。ここで活躍するのが主人公であり、のみきが自己肯定感を喪失しているところに存在肯定をすることで夢世界から脱出します。そして現実世界でもお節介を焼き、両親とのみきを和解させるのでした。
    • めでたしめでたしで終わりますが、両親がのみきを捨てたという原因である島の利権問題の抗争はちょっとトートツ過ぎて、挿入するならそれなりにきちんと描写して欲しかったものよとも思ってしまうのでした。

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