二宮書店の『基本地理A』(2016年3月18日検定合格)に掲載されている「アニメを通して地図を読もう」(170~171頁)という題材が話題になっている。作品としては埼玉県秩父市を舞台とした『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が取り上げられており、GISを用いた地図技能の習得が目的とされている。
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話題になったツイート
そういえば教科書にあの花載ってた pic.twitter.com/w8o1VaAxSd
— ソラ (@solovecomesuki) 2019年6月13日
二宮書店におけるコンテンツツーリズムを利用した地理教育への取り組み
コンテンツツーリズムを利用した地理教育は二宮書店の特徴となっている。文部科学省に提出されている「教科書編纂趣意書」や公式webサイトの「編集にあたって力を入れた点」、教科書紹介パンフレットにおけるアピールポイントの4番目「バラエティに富んだ地図学習」の箇所で、「アニメを利用した地理教育」の意図に関する記述を読むことができる。また二宮書店が発行している『地理月報』においても、『あの花』を題材にした地理学習に関する論考が掲載されている(秋本弘章「『聖地巡礼』と地理教育 〜「あの花」を事例に〜」、『地理月報』549号、二宮書店、2017年)。ちなみに埼玉県は県庁の観光課がアニメツーリズムに力を入れており『あの花』は「秩父三部作」として埼玉観光の観光資源の一つとなっている(「「アニメの力を信じて!埼玉県観光課の挑戦」」)
(3)教科書紹介パンフレットにおけるアピールポイントの4番目「バラエティに富んだ地図学習」より
出典:http://www.ninomiyashoten.co.jp/wp-content/uploads/A309_pamph_2020.pdf
2019年度における高校地理の教科書の採択数 (出典:『内外教育』第6726号、時事通信社、2019年2月5日)
2019年度のA・B含めた全地理の教科書の部数は67万1404冊。そのうち地理Aは59.3%。
二宮書店の『基本地理A』の占有率は地理Aのなかでは9.7%、地理A・B全体では約5.7%である。
残念ながら多いとは言えないのが現状である。
2019年度地理A占有率
2019年度地理B占有率
2019年度地図占有率