雑録

天ノ少女 前日譚の雑感

昭和30年代を舞台に探偵となって絵画作品の見立て殺人の謎を解き明かす話。
稀代の芸術家が残した未発表作品は、腕をもがれた天使の絵画であった。
資料調査により発見されたその作品は上野の美術館に展示されることになる。
この展示は話題を呼び、その後すぐ腕がもがれ翼を生やした女性の遺体が発見される。
芸術作品に見立てた死体を創り上げた殺人事件が発生したのである。
謎解き探偵ADVのように事件の真相を解き明かすことが当面の目的となっている。

殻ノ少女』未プレイだとキツイが読めないこともない

  • 昭和30年代の東京の雰囲気と芸術作品の専門性に特化した探偵モノ
    • 謎解き推理ゲーADV要素がモリモリなため、煩雑な選択肢や探偵パートをこなさねばならないので、読み物主体の作品を好んでやってきた層にはちょっとヘヴィ。さらに、作品の雰囲気が重苦しく(だがそれが良い)、人間関係も複雑で(前作プレイ前提)、近現代史と芸術に関する知識と教養を要求されるので、この作品を楽しむのはハードルが高いかもしれません。作品を楽しむための読者層レベル要求高すぎ。間違いなく名作なのは確かなのでプレイヤー自身がレベルを上げるしかありません。
    • で、私は『殻の少女』未プレイですが吶喊。分からないながらもシナリオを読み進めると、前作において殺人事件が起こったこと、探偵の主人公はその事件の尾を引いてしまっていること、その際に知り合った青年を探偵事務所に雇っていること、事件と関係の深い子連れの男性を探していることなどが述べられていきます。登場人物の整理メモはとっておいた方がいいかもしれません。誰が誰やら状態。どんな人物がいるのか、全体像の把握に努めましょう。
    • 途中参加組でもついていけるようになるのは、今回の殺人事件が起こってから。探偵の主人公は、稀代の作家の絵画作品の整理に携わり、そこで未発表作品が発見されます。そして間もなく上野の美術館で展示される運びとなり、大いにマスコミの話題を呼ぶのです。その作品は腕が無い天使を描いたものであり、タイトルは堕天使と名付けられます。殺人事件は、この絵画作品の展示をきっかけとして発生します。なんと、絵画作品に触発され、現実においても死体の腕をもぎ、肩甲骨を削り取って、羽を生やした遺体が芸術作品として創り上げられるのです。ここで探偵パートが入ったりして画面を総クリックして調査を行わなければならないのでとてもしんどいですね。こういうのが好きな人は好きなのでしょうけど、全部クリックしないと次には進めない仕様になっているので、血眼になりながら「まだクリックしてない場所はどこだ!?」とストレスを感じつつ画面を叩きまくる羽目になるので本当にしんどかった。攻略サイト見ながらやったほうが挫折しないで済むかも。また、死体をこねくりまわして芸術作品を創り上げる描写も克明に描かれるのでリョナ的風味もあります。
    • 昭和30年代、東京、謎解き探偵モノ、新興宗教、芸術論、リョナ描写などを題材にして、真摯に書かれたシナリオであることは間違いないので、前作未プレイでも吶喊してみても良いかもしれません。私はまだ経験値が浅かった頃、安易な気持ちで『カルタグラ』(ライターは違うがメーカーは同じ)に手を出し挫折していますが、再挑戦してみるつもりです。

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