ウマ娘「キングヘイロー」シナリオの感想・レビュー

気位が高く高慢なせいで指導者たちから相手にされないお嬢様ウマ娘と共に本当の「一流」を目指す話。
素晴らしい血統を誇るが故に、親に対する凄まじいコンプレックスを抱くキングヘイロー
親は血統に縛られず自由に生きろと言ってくれるのだが、それがプライドを逆撫でしていた。
キングヘイローに必要なのは、自分に期待してくれることだったのである。承認欲求。
親から期待をされないのなら自分で自分に期待をするしかない。
ヘイローは自分で「一流」ということでしか自己を保てなかったのだ。

キングヘイローのキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 自分で自分を一流と言い続けるピエロになることでしか自我を保てなかったお嬢様を支えろ!
    • キングヘイローは血統に恵まれた超良馬。秘めているポテンシャルも高く、能力や才能にも溢れていました。しかし気位が高く高慢であるため、指導者たちからは倦厭されがち。選抜レースでも実力を発揮することはできず2着どまりであり、その性格からして大した結果は残せないであろうと評されていました。キングヘイローが求めるのは一流の指導者であり、主人公トレーナーも一度は断られてしまいます。
    • しかし何故キングヘイローが一流に拘るのかを知ればフラグは成立。キングヘイローの人格を構築せしめたのは親への強烈なコンプレックスだったのです。おそらくキングヘイローは親から期待をかけてもらいたかったのでしょう。しかし血統の重みを知る親は娘には自由に生きて欲しかったのです。それ故すれ違いが発生。お互いがお互いを大好きだからこそ、すれ違ってしまうのですね。拗らせてしまったキングヘイローは自分で自分を一流ということでし自己を肯定できず、一流を目指さなければ自我崩壊してしまうという危うさを秘めていたのです。
    • こんな今時珍しい「おーほっほ系ポンコツお嬢様」には支えてあげる存在が必要!主人公トレーナーは自分も一流になることを決意し、キングヘイローと共にその人生を歩み始めます。キングヘイローのことを心配して電話をかけまくってくる親に対して、一流になることを親に対しても宣言しよう!という場面がシナリオの最高潮となっています。
    • その後のデートイベントでも親へのコンプレックスが描かれていきます。デザイナーへと転身した親に対して悪態をつきながらもその洗練された勝負服を見て、人一倍母親のことが大好きだという思いが滲み出ています。推測に過ぎませんが、ヘイローのママンも自分の娘をイメージして勝負服を作ってるんじゃないかなと思わせる雰囲気が漂うのでした。

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