雑録

アサガオは夜を識らない。体験版の感想・レビュー

世間から隔絶された若年犯罪者収容施設における自主更生プログラムの話。
記憶喪失・認識疎外となった主人公は収容所とは気づかずに送り込まれる。
プレイヤーは主人公視点で隔離された箱庭生活を追体験することになる。
そこは若者に集団生活を送らせ自主的な更生を行うように仕向ける施設であった。
体験版の最後で少女が斬殺したウサギを抱いて微笑んでいる姿が提示される。
施設にいるのは皆、世間から排斥された狂気の異常者であったというオチ。

親の七光りの精神科医が自分の論説を証明するべく用意してもらった実績作りのための更生施設

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  • 収容所のシステムや更生所のプログラムそのものが歪んでいた
    • 主人公を記憶喪失かつ認識疎外とすることで、徐々に少年院の生活であることが明らかになっていくというギミックを取っています。そもそも論としてこの更生施設が欺瞞の産物で出来ていました。その根本的な原因が精神科医の女性。この人物は実家が太く親の権威・権力を利用して、自分の研究成果の有用性を証明しようとしていました。その研究というのが、若い犯罪者たちを共同生活させることで自主的な更生に導くことが出来るというプログラム(つまり主人公たちはモルモットということ)。しかしそのプログラムには様々な権力者たちの横やりが入りイビツで歪んだものになりはててしまったのでした。けれども精神科医の女性はそのプログラムに縋りつくしかできず、歪んでいると気づいているのに、それを続けることしかできないという腐敗と汚濁に満ち満ちているのでした。
    • その象徴となるのが集団生活が全くもってうまく機能していないこと。顕著な事例はモブキャラの双子姉妹であり、間接的なイジメを繰り返して集団の和を乱していたのでした。さらには温和な英語教師を装ったヤサ男が精神科医の女性や若いつぼみを食い散らかそうと画策しています。そのような中で主人公と関係を持つことになるヒロインが3人。①資産家の娘で元中学バスケMVPでもある優等生、②不良の振る舞いをする心の根の優しいギャル、そして③情緒が育っていない子供のような不思議ちゃんです。
    • 体験版における最大のイベントは体育館を占有している一派とバスケ対決して解放すること。ルール違反の何でもありプレイを仕掛けてきた敵グループに対し、主人公が躊躇いなく煉瓦で足を砕く場面が見どころとなっています。主人公は最初はモブ双子の策謀によって周囲から遠巻きにされていたものの、この体育館解放の功績により一目置かれることになったのでした。
    • 誕生日には攻略ヒロインたちに祝ってもらい温かな感情を得るのですが……その晩、流星群を見に屋上へ上がると、そこには不思議ちゃんの姿が!!なんとこの少女、自分で大切に飼育していたウサギの首を掻き切り、悠然とその死体を抱きかかえて微笑んでいるではありませんか。この狂気に触れた主人公は、認識疎外の呪縛が解かれます。そして自分が少年院にぶち込まれたのだとようやく気付くという仕組みになっています。こうして体験版では舞台設定のお膳立てがなされたところで幕を閉じることになります。

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