ポストアポカリプスもの。人間が滅んだ後のセカイ。仏教。人類は無に至るべき。
人類滅亡後、人間は魂・骨・肉体の3種類に分かれた。
魂は月で月人となり、骨は地上で宝石人となり、肉体は海で軟体動物となった。
物語は月人が宝石人を襲撃してきて、それと戦うという構図から始まる。
だが月人は輪廻の呪縛から解脱し無に帰ることを目的としていたのである。
最終的に肉や骨は魂になる道を選び、主人公フォスによって無に帰される。
フォス自身は星の滅びを見届けた後、人類とは無縁の新たな鉱物生命体と生きることになる。
人類のどうしようもなさの成れの果てとそこからの救いとしての無と新たな生命を描く
以下整理されていないが殴り書き状態でメモする。『宝石の国』の序盤は月から仏像たちが攻めてきて、地上の宝石人たちが防衛するという内容である。正直ちょっと取っつきにくい感じがあるのだが、途中からポストアポカリプスの話になり、そこから面白くなるので耐えろ。人類滅亡後、人間は魂・骨・肉の3種類に分化し、それぞれが別の進化を遂げることとなった。魂は月へ行き不老不死となり快楽を楽しみ尽くしたが、それに倦み結局は無と化すことを望み始める。地上には魂を無にする装置である僧侶の機械人形があり、それが祈ると月の魂が無になれるという仕組みなのだが、壊れて祈れなくなってしまった。機械人形は当初は作動していたため、月に残っている魂は取り残された人々であり、どうにかして機械人形を動かそうとしている。この僧侶型機械人形:金剛は宝石人を率いて月と戦っているという構図。宝石人には胎内に微細な生命体があり再生とかする。ついでにこの機械人形を無自覚に愛するよう植え付けられている。この機械人形は人間から壊れるよう命じられるまでは止められず、最終的に主人公フォスがその役割を果たすことになり機械人形を止めさせる。肉の進化先である軟体動物は資源不足により知性を退化させて共食いを始め自らの子供も食らうようになった結果、月に救済を求めた。最終的に宝石人たちも魂となり、機械人形の役割に代ったフォスが新たに祈りを捧げて、旧人類の成れの果ては全員無と化す。残ったのは新たな鉱物生命体とフォスのみ。フォスは自分に人類の残滓が残っているのではないかと危惧し、惑星と共に滅びを選ぶが、AIと鉱物生命体に受け容れられ、新たな星へ移住。最後はフォスも救われることになり壮大な人類と宇宙を巡る話に決着がつく。