ブルアカTVアニメ5話感想「ホシノ闇落ちフラグ~心を折る戦いで真っ先に心を折ってしまった小鳥遊ホシノ~」

自分たちが返済した借金の利息が自分たちを潰すための資金として流用されていたことを知る話。
アビドスは砂漠化により衰退し、借金塗れとなった結果、闇金に手を出し負のスパイラルに陥った。
カイザーの狙いは資金の回収ではなくアビドスにある「ウトナピシュティムの本船」であった。
そのためアビドス学園を潰そうとしてチンピラ組織に資金を流してホシノたちを襲撃しているのである。
だがそれは二重の罠であり、ゲマトリアの黒服の狙いはホルス神であるホシノ個人にあった。
借金が永遠に返せず磨り潰されるだけである命運を知ったホシノはまんまとその罠に嵌ってしまう。
ホシノは大人である先生も、仲間であるはずの対策員会メンバーも信じられず単身でその身を犠牲にする。

小鳥遊ホシノの闇落ち「万が一ってことをスルーしたからアビドスは…」

借金が永遠に返せない構造であることを知り苦悩を深める小鳥遊ホシノ

小鳥遊ホシノが闇落ちし、責任を自分一人で背負い込み、全てを自分一人で解決しようとした結果、最悪の事態に陥ってしまう話。アビドスは砂漠化が進行し、その対策として多額の資金を投入するも事態を好転することが出来ず衰退した。そんなアビドスに融資してくれる真っ当な金融機関は存在せず、結局は闇金に手を出してしまう事になる。そのため借金を減らすことが出来ず、毎月の利子の支払いだけで精一杯となってしまった。さらにチンピラたちが嫌がらせをしてくるため、武器弾薬にも乏しくなり、ジリ貧状態に陥っていた。このまま手をこまねいていては滅亡するのみである。そのため先生に救いを求め当面の物資の支援を受けられることになった。これにより局面は安定したが、根本的な問題が解決されたわけではない。チンピラ組織が嫌がらせをしてくる資金源はどこから来ているのか。調査の結果、闇金と闇銀行が繋がっており、自分たちが返済した借金の利子が闇銀行を通してチンピラ組織に流れ込んでいることを知ることになる。つまりは永遠に借金は返せないし、チンピラたちの襲撃も止むことは無いわけだ。こうして負の構造を知った小鳥遊ホシノは次第に思い悩むようになっていく。彼女はかつてユメ先輩を死なせてしまった後悔と自罰意識に苛まれており、「万が一ってことをスルーしたからアビドスは……」とつぶやき、ソウルジェムを黒く濁らせていく。
 

他校に助けを求めたら介入を受け混乱が拡大した過去を例に挙げるホシノ

だが、アビドスの問題の本質は「心を折る戦い」であった。表面的な敵役であるカイザー社の狙いは借金の回収ではなくアビドスに眠る宝物(ウトナピシュティムの本船)。それ故、借金は永遠に返済することはできないけれども、先生から物資の支援を得ることに成功した今となっては、チンピラを適当にあしらいながら最低限借金の利子だけ払い続ける膠着状態こそが大勝利だったのである(利子を返せない程まで金利を釣り上げられたり、撃退できない程の武装組織をけしかけられたりする可能性はあるが)。だが闇落ちしたホシノは自らの身を犠牲すれば解決できるという甘い罠にまんまと引っかかってしまう。カイザーの背後に蠢くゲマトリアの黒服の狙いは、アビドスの宝物という世俗的な物などでは無かった。ホルス神であり「キヴォトス最高の神秘」である小鳥遊ホシノの個体そのものにあったのだ。ここでホシノが先生に相談できれば良かったのかもしれない。だが大人に裏切られ続けてきたホシノにとって、この時点では先生を胡散臭い存在としてしか見なせなかったのだ。今回の放送では、先生の頼りなさ、うさんくさい様子が強調されていた(アニメ先生の役割はこの頼りなさを演出することに成功している/ここから「大人としての責任」をどう果たすのかに注目だ!)。
 

ユメ先輩を死なせてしまった悔恨を噛みしめる小鳥遊ホシノ

ホシノは唯一自分だけが過去のアビドスを知る高3であり、借金地獄に陥らせてしまった当事者本人でもあった。またユメ先輩を死なせてしまったという悔恨もあった。だからこそ抱え込むのもやむを得なかったのであろうし、自分一人で責任を果たせるなら自分の身を犠牲にして解決するという安易な方法に走ってしまったのだ。仲間たちが大好きで大切だからこそ、仲間達を心から信頼することが出来ず、心を折る戦いで真っ先に心を折ってしまったのが小鳥遊ホシノという少女なのであった。そんなホシノの心境を踏まえながら、OPを聞くと味わい深いものがある。「一人きりじゃきっと みんながいないときっと 笑うことも泣くこともできない 運命共同体」。(メンストVol.1_1章~2章では一人で全てを背負いがちであったホシノが、イベスト「アビドスリゾート復旧対策委員会」では仲間を信頼し一人で全てを背負うことをやめている姿が描かれているので、尊さ満点となっている)。

一人で全てを背負い込んでしまったホシノの背中の演出
これはノノミの太ももとイオリの脚

第6話はいよいよ世界線の分岐点。イオリの脚を舐めなかったらバッドエンド直行フラグまっしぐらなワケだが、果たしてアニメ版先生はイオリの脚を舐めるのか!?

アビドスBAD END~イオリの脚を舐めなかった世界線