【感想】ゴールデンカムイ4期11話「杉元の家族は結核で全滅した」

疱瘡で家族を亡くし村八分に遭い天涯孤独となった房太郎の境遇を聞く事で杉元も結核で亡くした家族を想起する話。
房太郎は疱瘡で家族を亡くし集落で迫害を受けたことから自分の独立国家を持つことを夢想するようになる。
金塊を見つけて東南アジアの島に自分の国を作り子どもを産ませまくって貨幣には自分の顔を彫る……
(ちなみに雑誌版では白石が金塊を回収し房太郎の望みを叶えて自分の顔の貨幣を作りまさかの白石エンドとなる)
房太郎から家族の話を聞かれた杉元は自分の家族が結核で死んだと言わざるを得ず、思わず過去を回想してしまう。
結核にかかった杉元の父は療養所の病床に空きが無く、治療も受けられずに苦しみながら死を待つばかり。
杉元は看病を続けるも自身もまた結核に冒されるかもしれないという恐怖に晒され続けていた。
それでも杉元は逃げないことを決意し、自分に不死身だと言い聞かせるようになったのであった。

不死身の杉元成立秘話

大沢房太郎に過去の事を聞かれ家族を思い出す杉元
  • 結核で家族全員を亡くし天涯孤独なった杉元
    • 今回のメインは大沢房太郎との戦い。刺青人皮を追わず、アイヌへの聞き取りから金塊の隠し場所を探そうとしていたのが大沢房太郎であった。彼の目的は金塊で東南アジアに自分の国を作り、子どもを産ませまくって家族を増やすこと。発行する貨幣には自分の顔を刻印させると夢想していた。房太郎がそのような夢を抱くようになったのは、疱瘡で家族全員を亡くした過去に起因していた。常に明るく前向きに。この思想が房太郎から疱瘡を遠ざけたと彼は思っていた。房太郎は自分のお気に入りを家臣として国に迎え入れようとし、杉元にも馴れ馴れしく接し、家族の事や金塊を手に入れて何をしたいのかと聞いて来る。言い淀む杉元に対し房太郎は家族全員を殺したのでは?との嫌疑を向けて来るので、結核だと答えざるを得なかった。ここから始まる杉元の過去回想。杉元の金塊の目的は、故郷の惚れた幼馴染の人妻の目の病気を治すためということが最初から明らかにされていた。今回はその故郷についての掘り下げが行われる。杉元の家族は結核で次々と死んでいった。父親も結核で苦しんでいたが、療養所の病床は空かず、ただただ死を待つのみであった。杉元は父親から自身も結核に冒される前に家を出ろと言われて苦悩する。一瞬、その想いに駆られて走り出すが、杉元は父親を捨てることなどできなかったのであった。ここで杉元は自分が不死身だと自身に言い聞かせ強い自分を保つようになった。この強い信念が杉元を生かすことになり、日露戦争を乗り越え、金塊争奪戦に勝利し、アシㇼパと添い遂げることになるのである。不死身の杉元が誕生した瞬間であった。
父が結核に倒れても療養所の病床が空いてないと断られて死を待つしかない
杉元、結核感染の恐怖を乗り越えるため、自身に不死身であると言い聞かせる