【感想】ウマ娘3期2話「2015年菊花賞~精神崩壊したキタサンブラックを"テイオーへの感情拗らせメイト"としてナイスネイチャが救う~」

テイオーのキラキラに憧れてトレセン学園の門を叩いたキタサンだがクラシック戦線に苦戦し精神崩壊する話。
さらにドゥラメンテが骨折したことを知ると自己の中の悪魔の囁き(他者の怪我を幸運と思う醜さ)を自覚する。
そんなキタサンが木のウロで自己の汚い気持ちを吐き出していると、そこへ現れたのがナイスネイチャ
アイキャッチ絵でいきなりチア姿を披露した時には驚いたがキタサンを救うのがネイチャとは誰が予想したか!?
ネイチャはテイオーへ凄まじい感情を拗らせており、キタサンの心情が痛いほど良く分かったのである。
ネイチャだからこそキタサンを理解することができ、汚い感情を内包する自分こそ自分だと覚醒するのである。
ずるくて、弱くて、カッコ悪い自分を受け容れろ!!
キラキラしたテイオーに憧れるだけを辞め醜いながらも泥臭く藻掻くことを選んだキタサンは見事菊花賞に勝利する。

ネイチャ×キタサン~テイオーに憧れる者たちだからこそテイオーに憧れるだけを辞める~

精神崩壊するキタサンブラック

今回のお話は精神崩壊するキタサンブラックがメイン。精神崩壊モノが好きな皆さんは大集合してください。トウカイテイオーに憧れてトレセン学園に入学したキタサンブラックはその身体的スペックで順調な序盤を迎えクラシック戦線へと挑んだ。だがここからが苦難の道であり、テイオーが勝利した皐月賞(3位)にも東京優駿(14位)にも勝てなかったのである。その二つに勝ったのはドゥラメンテであり、テイオーのようにキラキラしているのは自分ではなくドゥラメンテの方だと意気消沈。さらにそのドゥラメンテが骨折により菊花賞に出られないことが分かると、自己の中の悪魔の囁き(他者の不幸を幸運だと思う醜さ)を自覚してしまい、精神崩壊。チームに帰ることができず逃げ出したキタサンは、木のウロに向かって叫び声をあげることしかできなかった。そんなキタサンを救う存在となるのが、我らがナイスネイチャなのである。
 

突如のチアネイチャのアイキャッチ絵は、キタネイの前振り

今回の視聴者はどのようにキタサンが挫折を克服するかに注目していた。そんななかアイキャッチの絵として突如ナイスネイチャがチア姿を披露する。視聴者たちはこぞって疑問を抱いたわけだが、このチアネイチャこそキタサンを復活させる象徴だったのである。ナイスネイチャキタサンブラックにテイオー拗らせメイトしてシンパシーを感じたのである。これまでネイチャがテイオーに対して凄まじく拗らせた重くて複雑な心情を持っていることは様々なメディアミックス展開で語られて来た。そんなネイチャだからこそ、テイオーに憧れたもののキラキラした存在になれなかった敗北者の気持ちが良く分かるのである。キタサンの悩みを聞き、それが痛いほど共感できるネイチャ。そんなネイチャだからこそ、キタサンの汚くて醜い感情を肯定できるのである。キタサンはテイオーへの憧れの挫折、キラキラした存在になれなかった敗北感、他者を妬む醜い心、他者の不幸を聞いてラッキーと思ってしまった厭らしさを訥々と語っていく。そんなキタサンをネイチャは「勝ちたい」という気持ちが持つ様々な側面を説き、それを昇華させるのである。ネイチャに励まされたキタサンは、自分はキラキラしなくても悟りテイオーに憧れていただけの自分を捨てる。泥臭くても、醜くても、足掻いて藻掻くのだと開眼し復活を遂げる。
 

テイオーへの感情を拗らせた者同士が共有する「ずるくて、弱くて、カッコ悪い」自分の肯定。

そしていよいよ菊花賞本番。今回も「どうした急に」のコンビが見られて嬉しいです。トートツな菊花賞の解説サンクスだし、解説中でもキタサンが通った瞬間にいっけーキタサンブラックゥゥ~をするのも良いテンプレ芸。レース描写はキタサンブラックの「己との戦い」が中心に描かれ、泥臭く足掻け藻掻けと自己を叱咤する様子がクローズアップされる。個人的な見どころは、テレビでチームメイトと観戦していたナイスネイチャ。最終局面でイキナリ叫び出す場面もグッとくるし、キタサンが勝利した後の「もぅ、アンタもキラキラしてんじゃん」の台詞はネイチャファンにとっては狂喜乱舞モノ。こうして初めてG1に勝利したキタサンブラックにおいては「自分との戦い」が描かれたわけだが、改めて以後の戦線においてはライバルたちと鎬を削っていくレース展開が描写されるのだろう。ウマ娘3期のキービジュアルはキタサンブラックを周囲のウマ娘たちが倒しにかかる絵だと評されていたが、アニメでどう表現されるのか楽しみ。

テレビでキタサンを応援するネイチャ
「もぅ、アンタもキラキラしてんじゃん」

ネイチャのテイオーに関する複雑な感情を描いたシナリオはコチラ!


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