【感想】ウマ娘3期12話「2017年ジャパンカップ~キタサンブラックへの愛憎をシュヴァルグラン視点で描く~」

キタサンが世代最強として皆の前を走ったからこそ、同期はその背中を目指して強くなったという話。
今回の話はシュヴァルグランが主役となり、老化で全盛期の力を出せなくなったキタサンへの愛憎を語る。
明るく元気な陽キャ系お祭りウマ娘であるキタサンは陰キャで内向的なシュヴァルにとって苦手であった。
だがそんなシュヴァルに対してもキタサンは躊躇なく距離感を埋め好意を示してきた。
そんなキタサンをずっとシュヴァルは嫌いであったが、嫌いとは好きの裏返しでもある。
衰えが顕著になったジャパンカップでゴール間近に失墜していくキタサンにシュヴァルはビッグラブを見せる。

大嫌いだけど大好きだという愛憎

届かない背中に届いてしまった

今回の主役はシュヴァルグラン。強敵キタサンブラックに阻まれて何度も煮え湯を飲まされてきた。そんなキタサンが突然の引退宣言。他の同期が寂しさを抱える中、シュヴァルは一人悔しさを感じ苛立ちを覚えていた。キタサンとシュヴァルの性格は真逆であり、シュヴァルにとって苦手な存在であった。陰キャで根暗で内向的なシュヴァルに対し、キタサンは明るく元気な陽キャ系お祭り娘だったからである。キタサンのキラキラを疎ましく感じるシュヴァルであったが、そんなシュヴァルに対してもキタサンは距離を詰めて仲良くしてきたのである。挫折や敗北からも努力で這い上がってきたキタサンの姿はまさに世代最強!同期の皆はキタサンに引っ張られてキタサンに勝つために強くなっていったのである。
 

シュヴァルグランの健闘を称えるキタサンブラック

秋天後引退発表をしたキタサンの残りは2レース。ジャパンカップ有馬記念。キタサンは自己の衰えと戦うために必死に地道なトレーニングを重ねていた。そんなキタサンの姿に触発されたシュヴァルは自己の悔しさや苛立ちを昇華させ、キタサンに挑む!ジャパンカップではキタサンがいつものように先頭に立ちレースを引っ張るも、最早その走りにかつての輝きは失われていた。かつては届かなかったキタサンの背中に追いつき、追い越したシュヴァルはそこでキタサンへの想いを爆発させる。キタサンが嫌いだったからこそ、キタサンが大好き。好きと嫌いは裏表。愛と憎しみは両立するという愛憎。そんなキタサンへの想いを一気に噴出し、シュヴァルはキタサンを置き去りにして1位でゴールした。負けたキタサンは悔しがるどころかシュヴァルの健闘を称えて哀愁を漂わせて去っていく。レース後、もう二度と走れない東京レース場を前に黄昏ていたキタサンは、ラストランの有馬記念へ向けて想いを深めていく。

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