雑録

高媛

【先行研究】高媛「満洲国時代の旅行文化の一断面―『旅行満洲』を読む」(『『旅行満洲』解説・総目次・索引』、2019年、5-45頁)

この論稿の概要 JTB大連支部の機関誌として1934年から約10年余りに亘り発行された『旅行満洲』について、誌面に現れている満洲国における旅行文化を分析している。特徴として、JTB大連支部の成立、『旅行満洲』の編集に携わった人物、文芸面の充実、雑誌で扱…

【先行研究】「第八章 「帝国後」と満洲観光」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、233-280頁)

本章の趣旨 戦後における日本人の満洲観光を通して、「失われた帝国」の記憶の「刷り込み」が行われるプロセスを考察する。 参考になった箇所 戦後日本の満洲国ノスタルジー・ジャーニー 「〔……〕『満洲慕情』(1971年)は、「ふだん着のままで、満鉄の汽車に…

【先行研究】「第七章 もう一つの「代理ホスト」」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、213-232頁)

本章の趣旨 日本は帝国主義的侵略という暴力をとおして、欧米客を誘致するための「東亜観光ブロック」の実現をはかり、「東洋」における「代理ホスト」の役割を果たそうとした。 日本は、「西洋にとっての東洋」と「東洋にとっての西洋」の二つの顔を併せ持…

【先行研究】「第六章 「楽土」を走る観光バス」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、189-212頁)

本章の趣旨 観光による権力構造の再生産 内地客のまなざしの介入により、在満日本人は「代理ホスト」と化し、満洲を表現し、「翻訳」し、パフォーマティブに振る舞う。このような振る舞いのなかで、内地客/在満日本人/ネイティブの間の不均衡な権力関係が…

【先行研究】「第五章 「観光楽土」としての満洲国」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、159-188頁)

本章の趣旨 満州国時代の観光に関する、満洲国に向けるゲストの熱いまなざしや、満州国時代の代理ホストシステムについて考察している。 文化装置のコラボレーションが満洲への旅立ちを駆り立て、満洲という「野外劇場」への夢を膨らませたことを指摘してい…

【先行研究】「第四章 満洲観光の興隆」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、130-156頁)

満洲事変前までの満洲観光についての考察。割引切符による観光空間形成、満洲旅行ブームの様相、一般募集旅行団体の集客、修学旅行の実行システムが分析されている。 第一節 観光空間の形成 割引切符 1909年9月25日に、鉄道院から販売された「満韓巡遊券」を…

【先行研究】「第三章 満洲観光の担い手」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、98-129頁)

論文講読用のレジュメ 第三章要旨 (1)満鉄にある旅客課と鮮満案内所、満蒙文化協会、JTB大連支部の事業展開について。 在満観光機関と観光産業は1920年代に徐々に整う。満鉄と満蒙文化協会は宣伝誘致に力を入れ、JTB大連支部は斡旋案内と乗車券の販売の実務…

【先行研究】「第二章 満洲観光の誕生」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、42-97頁)

論文講読用のレジュメ 本章の趣旨 関東州の統治が軍政から民政に移行される前に行われた二つの観光旅行(「ろせった丸満韓巡遊」および満洲合同修学旅行)について分析している。 日露戦争後の満洲観光ブーム 1906年の満洲観光ブーム 著者は、当時の新聞を用い…

【先行研究】「第一章 満洲観光の前史」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、19-41頁)

論文講読用のレジュメ 第一章の趣旨 満洲観光の誕生を、日露戦争後の「ろせった丸満韓巡遊」と「満洲合同修学旅行」に位置付けた上で、満洲観光が誕生する前の満州への旅行はどのようなものであったかを明らかにしている。 江戸後期~日露戦争期における満洲…

【先行研究】「序章」(高媛『観光の政治学 : 戦前・戦後における日本人の「満洲」観光 』東京大学、2005、博士論文、1-15頁)

論文講読用のレジュメ 本論の趣旨 「観光の政治性」。「観光を取り巻く政治」と「観光の生み出す政治」を明らかにする。 第一節 本論の視座 「帝国圏」と「観光圏」 「〔……〕注目しておきたいのは、帝国の「帝国圏」と、帝国国民が旅先として視野に入れる「…