- 話の要旨
- 戦時中は戦争勝利のためイデオロギーが希薄化し愛国心が利用された。だが戦後のスターリン時代には思想統制が行われる。フルシチョフの雪融けにより戦争の見直しが行われたが、ブレジネフ時代に「検閲」強化により再び思想統制。ゴルバチョフ期に非公開情報が次々と公開され、社会に大きな衝撃と混乱をもたらし、さらにソ連崩壊により公的理念が激変し、国際的地位が失墜した。そのため愛国主義が勃興したがエリツィンはそれを提示できなかった。ゆえにプーチンは自らを愛国主義者と称し、第二次世界大戦を部分的に再評価する。ロシアには国民統合のための誇れる団結の記憶は独ソ戦しかないのでそれを利用。しかし上からの思想統制としての愛国心だけではない。下からの民衆運動として「健全な」愛国主義が自然に湧き出て第二次世界大戦と独ソ戦の記憶を継承している。
第二次世界大戦当時
フルシチョフ政権期
ブレジネフ政権期
エリツィン政権期
プーチン政権期
終わりに
質疑応答タイム
- 歴史教科書における歴史認識の多様性の維持は現実としてどの程度機能しているのか?
- 講演終了後にはすごい人数に取り囲まれていた・・・