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  • 『ドーナドーナ いっしょにわるいことをしよう』の感想・レビュー


  • スラブ社会文化

    ロシアにおける第二次世界大戦に関する歴史認識について

    第二次世界大戦についてロシアとその他の国では歴史認識が異なる。またプーチンが愛国主義的歴史政策を取ろうとしているが、歴史教科書は複数解釈を取り上げようとしている。参考文献:立石洋子「現代ロシアの歴史教育と第二次世界大戦の記憶」(スラヴ研究 6…

    ディビッド・ウルフ/半谷史郎訳『ハルビン駅へ 日露中・交錯するロシア満洲の近代史』(講談社、2014)

    ハルビンはロシア帝国の外部に位置したので、リベラルな思想が育まれ、それが帝国にフィードバックされたという内容。 本書の概要 鉄道建設を主題とする「鉄道帝国主義論」。 主たる特徴は東清鉄道がひきおこした国際競争。満洲問題はある種の「競争植民地主…

    立石洋子「ロシアと第二次世界大戦の記憶」(2017年度成蹊大学後期公開講座)のまとめ

    概要 ソ連/ロシアの各政権における第二次世界大戦に関する歴史認識の変遷 話の要旨 戦時中は戦争勝利のためイデオロギーが希薄化し愛国心が利用された。だが戦後のスターリン時代には思想統制が行われる。フルシチョフの雪融けにより戦争の見直しが行われた…

    立石洋子「現代ロシアの歴史教育と第二次世界大戦の記憶」(スラヴ研究 62号 2015 pp.29-57)

    はじめに 論文の趣旨 1990年代から現在までのロシアにおける第二次世界大戦の記憶をめぐる政治を、歴史教育と教科書を題材として分析すること。 1990年代の歴史教育政策や教科書の記述と近年の歴史教科書に関する政策を概観する。 2013/14年度に教育科学省の…

    個人メモ ロシア/極東地域における歴史教育に関する研究のためのメモ

    問題意識とキーワード ロシア 極東 歴史教育 満州 満蒙開拓 ロシア・ソ連・満州・教育に関する研究者 中嶋 毅→教員紹介 :: 中嶋 毅 | 首都大学東京 立石 洋子→法学部 教員紹介 - 成蹊大学研究者データベース 論文 中嶋毅「満洲国北満学院の歴史 一九三八-一…

    富田武『シベリア抑留』(中公新書、2016年)

    この本の趣旨 従来の「シベリア抑留」概念を、歴史的にはソ連による自国民の強制労働から繙くことで深め、地理的には南樺太や北朝鮮など「ソ連管理地域」に、検討対象も軍人・軍属の捕虜中心から民間人抑留者に広げることによって、抑留研究を前進させようと…

    相原秀起『知られざる日露国境を歩く』東洋書店、2015年

    樺太、択捉、北千島(シュムシュ島・パラシムル島)にあった国境線をめぐるはなし。 著者が実際に旧国境線を訪問し、かつてそこにあった国境標石・碑文・旧跡を探す。 前半は樺太にあった国境標石を著者が探索・発見・保護・展示するまでの流れがメイン。 後半…

    芝村裕吏『遥か凍土のカナン』(7)(星海社FICTIONS)の雑感

    日露戦争から第一次世界大戦までを描いた架空戦史モノシリーズ最終巻。 印象としてはすごくダイジェストモード。 ロシア帝国の崩壊に乗じて東シベリア共和国を独立させましたよエンド。 6巻までの感想はこちら http://d.hatena.ne.jp/mmm000mmm/20160103/p1 …

    芝村裕吏『遥か凍土のカナン』(星海社FICTIONS)の感想・レビュー

    6巻でメインヒロインのオレーナを殺して退場させたので良くやった!!と狂喜したら最後に生きているフラグ。 見事に騙されてしまいましたとさ・・・。 まぁ生きてる伏線はかなり張られていましたけども。死体を主人公が確認していないとか醤油を使った似而非…

    NHKスペシャル 満蒙開拓団はこうして送られた

    満蒙開拓団で重要なのは東宮鐵男と加藤完治。移民を計画したのは東宮鐵男。当初はロシアのコサックを参考にして武装農民集団を構想していた。朝鮮人主体の武装農民を日本人の在郷軍人に率いさせようとしたのである。しかしこれに否を唱えたのは、加藤完治。…

    池田嘉郎「2014 年ロシア= ウクライナ紛争の歴史的背景 」(じっきょう地歴・公民資料79号 p.7-10 2014)

    今日も地道に教材研究をしていると出版社の方が教科書の売り込みにくる。昨日は山川、今日は実教。 こんな非常勤講師のところにきても教科書採択の権限はないぜ!といってやりたくなったが・・・ 問題集についてアレコレ言うと、営業は献本しますね〜と喜ん…

    ウスリー江以東の沿海州

    / 国家は創られた産物であり、国境という概念は西洋起源の主権国家体制によるものである。 イスラーム世界や東アジア世界では主権国家体制とは異なる国際秩序が敷かれていた。 そのため、西洋列強は主権国家体制に組み込むため国境画定条約を締結していく。 …

    松戸清裕『ソ連史』ちくま新書 2011年

    資本主義の本質は絶え間ない利潤の追求。人間の欲望の解放とともに、貧富の差の拡大や階級対立、格差の再生産が行われていく。そんな資本主義に対し、かつて20世紀にはソ連という国家がその矛盾を克服しようとした。結果としてソ連は崩壊してしまったが、西…

    揺れる大国 プーチンのロシア「プーチンの子どもたち〜復活する“軍事大国”〜」の感想

    中高一貫の軍学校「カデット」において子どもたちに愛国心を注入し強いロシアを現出するおはなし。 志願兵のみで構成され高い士気を誇る一方で行き過ぎた愛国心教育が極右勢力を生み排斥を行う。 軍事力強化で強いロシアの成る鍵となるのは祖国を愛する愛国…

    揺れる大国プーチンのロシア「離反か 従属か〜グルジアの苦悩〜」の感想・レビュー

    親欧米路線を取ろうとする旧ソ連構成国のグルジアに対して威圧するプーチンのおななし。 NATO加盟を目指すグルジアのサーカシヴィリ政権に待ったがかかる。 その方法がグルジア内部の内部分裂を図る南オセチア問題であった。 NHKスペシャル http://www.mofa.…

    「揺れる大国 プーチンのロシア 失われし人々の祈り 〜膨張するロシア正教〜」 の感想

    宗教によって国民統合を強化し強いロシアを生み出そうとするプーチンのおはなし。 共産主義下では徹底的に弾圧されたロシア正教が、現在は共産主義イデオロギーの代替となっている。 ロシア正教が統一強化の装置となり、愛国心を醸成している。 http://www.n…

    ソルジェニーツィン/木村浩編訳『胴巻きのザハール』(岩波文庫『ソルジェニーツィン短篇集』内収録)

    一人称回想小説。自転車旅行でのクリコヴォの戦いの古戦場について語る。 ・クリコヴォの戦い 1380年ドミトリー・ドンスコイがドン河流域で、キプチャク・ハン国のママイ大遠征軍を打ち破り、タタールのくびきに初の大打撃を与えた。 古戦場では記念碑を守る…

    ソルジェニーツィン/木村浩編訳『公共のためには』(岩波文庫『ソルジェニーツィン短篇集』内収録)

    初出は1963年『新世界』誌7号。舞台はソビエトロシアの技術学校。 おおまかな話の筋はこんな感じ。 手狭になった技術学校で新校舎の建設がなかなか進まない。そこで生徒たちも工事に参加し、努力した結果、ようやく竣工となった。だがしかし校舎引渡しは遅延…

    ソルジェニーツィン/木村浩編訳『クレチェトフカ駅の出来事』(岩波文庫『ソルジェニーツィン』短篇集内収録)

    そして、きのうの女たちがそうだったように、きょうも、夫を戦場へ送り出したばかりの若い人妻たちは、いや、娘たちも、みながみな操を守り通すことができずに、明りの届かない片隅で、若者たちと抱き合って寝ることになるのだろう。 舞台は第二次大戦中のソ…

    ソルジェニーツィン/木村浩編訳『マトリョーナの家』(岩波文庫『ソルジェニーツィン短篇集』内収録)

    だがマトリョーナは自分のものにしなかった…… 家財を揃えようともしなかった……品物を買い、そのあとで、自分の生命よりもそれを大事にするために、あくせくするようなことはなかったのだ。 舞台は1953年のソビエトロシア。一人称回想小説。 偏狭の地で数学教…

    ソルジェニーツィン著/木村浩・松永緑弥訳『煉獄のなかで』(タイムライフブックス)

    スターリン支配下のソビエトロシアにおける特殊収容所を描いた作品。 ソルジェニーツィンの創作態度の特徴として「一定の主人公を生み出すものではない」とされているが、話は収容所の中であるネルジンと収容所の外であるヴォロジンを軸として進んでいく。特…