言の葉舞い散る夏の風鈴 体験版の感想・レビュー

問題を抱えた少女たちが声優グランプリを目指す声優部の青春学園部活モノ。
少女救済×声優×部活×青春×学園という設定で鉄板のシナリオ記号の掛け合わせ。
声優モノでは演技で魅せる必要があるため、実際の声優さんに相当負荷がかかるよなコレ。
あと主人公くんが非常に紳士的な声豚(誉め言葉)であり、良い味だしてて好印象。
おそらく声優グランプリまでが共通√でそれ以降がトラウマ克服の個別√だと予測できる。
(※製品版後追記:すぐに個別分岐。声優グランプリ後にメインヒロインのグランド√)
果たして主人公くんは声優部をグランプリ優勝に導き、少女たちのトラウマを解決できるだろうか!?
体験版は声優コンテストに応募し部員が5人揃って声優部が結成する所までプレイできる。

コテコテのシナリオ記号の掛け合わせ:少女救済×声優×部活×青春×学園

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  • 天才声優少女はアイデンティティクライシスにより声優を引退しちゃうの
    • 主人公くんは留年生。登山家の親に海外を連れまわされて学校もろくに通えずにいた状況に嫌気がさして日本に戻ってきました。2回目の1年生なので気が重い中、主人公くんを励ましてくれるのは、信仰する声優さん:こころんの存在。生きている行為の全てを褒め讃え励ましてくれる「励まCD」で気分を奮い立たせ、いざ登校!!!しかし登校の最中、偶然見かけた同じ学園の生徒のつぶやきから、当該生徒がこころんだと判明してしまう。声優さんに迷惑をかけたくない!紳士的な主人公くんは華麗にスルーするも、こころんの決め台詞の上の句を投げかけられ、つい下の句を返答してしまい、スルーをふせがれてしまったのでした。こころんの中の人は真額詞葉といい、声優の仕事により学校も通えずに留年。それもあり、高校生という近代的自我の芽生えの時期に入り、幼い頃から続けて来た声優という職業に疑問を感じるようになり引退してしまったのだとか。最初主人公くんはそれを信じずに割とスルーしています(体験版クライマックスのための伏線)。



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  • イキナリ☆コンテストに作品応募しちゃうぞ!
    • 真額詞葉との絡みはその後も続き、二人のやりとりがなかなかステキな掛け合いです。留年をカミングアウトするか否かや、キャラ付けをどのような方針でいくかでの駆け引きはグッときます。主人公くんは留年をカミングアウトし、人畜無害な空気キャラでいこうとするも、ここでもこころん台詞の罠に嵌められクラスメイトの前で呪文を唱えてしまったがゆえに、面白キャラとなってしまうのでした。この決め台詞に反応した腐女子である野原ゆうに誘われ、主人公くんは帰宅部志望から声優部志望へと引きずり込まれることになります。
    • 声優部の扉を叩くと、たった一人の部員で、尚且つ二留している菩提樹仰子さんがティータイムを楽しんでいました。そして締め切り間近のコンテストに作品を応募する流れになります。当初は声優を引退したことから見ているだけの真額さんでしたが、野原さんと菩提樹先輩のハイパーど下手くそ演技を見ているうちに辛抱溜まらん状態になっていきます。しかし、ここで本当のCVあててる声優さんには本当に様々な演技が求められ、しかもこれこそが本作品のテーゼであるため、これ収録すっごい大変なんじゃないの???と少し心配してしまうレベルです。
    • 友情!努力!!勝利!!!のノリで突貫工事で作品を収録しコンテストに応募する主人公くんたち。途中で主人公くんの演技にしびれを切らした真額さんが途中で役を奪って参戦してしまうほど。主人公くんは収録・編集作業で活躍することに。コンテストの結果はあえなく落選するも、形として残せた第一歩になるのでした。



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  • 泣きゲー鉄板かたわ少女
    • みんなで応募作品を聞いているなかで、主人公くんはとある作品に注目します。それは一人三役をこなす演技者によるものでした。しかもどこかで聞いたことのある声。そうなんです!この応募者こそ、足が悪い車椅子の少女百花奏さんだったのです!これも鉄板的泣きゲーキャラ造形:かたわ少女でござい。足が悪いからこそ、自分でもできる何かがしたかったと百花さんは作品を応募したのだとか。声優部に勧誘する主人公くんですが、百花さんは中学時代に所属していた文芸部のトラウマがあり、部活に参加することを躊躇してしまいます。足が悪いと面倒な雑用を免除されるので、部員仲間に引け目を感じてしまうのだとか。これを陰で聞いていた野原さんは、百花さんの前に踊り出て一発演説をぶちます。迷惑かけられたら私たちも迷惑をかけるからこれでおあいこでしょ!!!と。真額さん&菩提樹先輩もこれに同意。こうして初めて自分が認められた百花さんは涙を流し、声優部に入部するのでした。こうして正規の部活に昇格する人数を揃えることに成功し、5人で声優グランプリを目指して活動していくことになったのでした。



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  • 俺はキミに声優の魅力を教わった!!今度は俺が声優の魅力を教えてやる!!
    • 体験版のハイライトは主人公くんが声優の魅力を真額さんに知らしめようと決意をするところ。真額さんは幼少期から今まで才能だけでやってきたため、自分自身の意志で声優になりたいと掴み取ったわけではなかったのです。そのため、このままでいいのかな?という意識に囚われ演技ができなくなり、声優を辞めたことが吐露されます。これを聞いた主人公くんは真額さんがただ迷っているだけだと見抜き、陰ながら、真額さんが主体的意志決定による声優進路選択ができるように支援すること決意したのです。俺に声優の魅力を教えてくれたのは真額さん演じるこころんだ!!!だったら今度は俺が真額さんに声優の魅力を教えてやるぜ!!!と体験版は幕を閉じます。
    • しっかし、12月発売は部活モノでルクル先生の『ぱられろ』と本作が潰し合い、さらに青春学園モノで『捻くれ物語』があり、そのうえ『宿ガル2』やFAVORITEの『さくら、もゆ』(※レジュメ作成者註-12月から延期)もあり、凄まじい激戦区となっていますね。

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