【感想】ウマ娘3期第3話「2015年有馬記念~ゴールドシップ引退をキタサンとの世代交代として描く!~」

まさかこれまでギャグ担当であったゴルシ√にこんなに真面目なシナリオが作られ泣かされる日が来るとは!
2015年の有馬記念はキタサンの初挑戦であると共に、ゴルシのラストランでもあった。
アニメ版では二人は同じチーム(スピカ)に所属しているという設定であり、どのように描かれるかが着目されていた。
スタッフが選んだ手法は「世代交代」。ルービックキューブをメタファーとしゴルシの想いをキタサンに託す!
レース描写でもゴルシ最後の大まくりで見せ場を作ったロングスパートとそれでも伸び切れない現実が描かれた。

キタサンがG1-7勝するフラグとしてゴルシのG1-6勝を超えろという想いの継承が演出された

ゴルシが自己の衰えを語るシリアスな場面でゴルシギャグ集を入れるスタッフ

今回は2015年有馬記念。キタサンにとっては初挑戦だが、ゴルシにとってはラストランになったこのレースをどう描くかに注目が集まっていた。基本路線となるのがゴルシの衰え。2015春天に勝利したものの、続く宝塚記念で大いにやらかしてしまったエピソードが挿入されながら、全盛期の走りが出来なくなった無念が語られていく。シリアスで真面目な雰囲気の中、ゴルシのやらかしエピソードや変顔集が流されるのは情緒がおかしくなりそう。JCでも10位に終わったゴルシはついに引退を決意し記者会見。有馬記念をラストランにすると発表し、圧倒的な支持を得てレースに臨むことになる。
 

キタネイというおねロリが誕生した

一方キタサンは憧れであったテイオーが1993年に勝利した有馬記念に自分も出られるかもしれないと意気込む。そんなキタサンを支えることになるのがナイスネイチャ。前回キタサンの精神崩壊を救済したネイチャだが、すっかりとお姉さん的ポジションを確立しメンタル的な支えとなる。今回はキタサンとスワンボートデートにしゃれ込みキタネイというおねロリを見せてくれるぞ!自己の有馬記念3年連続3位に触れながらキタサンを励まし、キタサンが悩んだ時には相談相手に成ると姉御肌を見せつけるのだ。これにはキタサンじゃなくても惚れてまうやろ!このシーン妙に艶っぽく描かれているのであった。(と、いうかその後も2回出てるし合計5回も有馬に出てるのかネイチャ)。
 

キタサンの無邪気さがゴルシのしめっぽさを払う

そして肝心のゴルシとキタサンの関係。同じチームの先輩と後輩という設定である二人が同じレースに出るわけで、しかもラストランと初挑戦なわけですよ。ここで取られた手法がキタサンの天然無邪気な思い上がり。ゴルシがしめっぽく語るのに対し、キタサンは自分が勝つからゴルシが有終の美を飾れなくなっちゃうと返すのである。これで一気に話がギャグトーンと化し、ゴルシはキタサンに手を抜くんじゃねーぞと言いながらプロレス技をかけて明るい展開に変る。二人のやり取りをマックイーンが見守っており、ジジイと孫の絆もそれとなく挿入される。
 

ゴルシの最後の見せ場と熱狂するファン

こうして下準備は整った。いよいよレース本番となり2015年有馬記念が開催される。先頭で逃げるキタサンと最後尾でまくるゴルシというのも対比的。そしてゴルシが皆から愛されて来た象徴としてお出しされたのが、謎の「どうした急に」コンビ(誰なの?)。いつもはレースの解説をぽっちゃりとひょろの競馬ファンが担当するのだが、今回もいざ彼らが説明を始めようとすると、突如謎のコンビがインターセプトし、代わりに解説を始めるのである。それだけゴルシ固定のファンがいるってことさ!観客の期待に応えて、ゴルシはロングスパートをかけて持ち前の大まくりを見せつける。だが既に衰えていたゴルシは伸び切ることが出来ず、最終的に8位に終わった(キタサンは3位)。それでもゴルシは堂々と引退セレモニーを終え、本日の主役となったのであった。終局部では、キタサンたちの宴会にゴルシが訪れ、ルービックキューブを託す。これがG1勝利数のメタファーとなっており、ゴルシは6面揃えたが、キタサンは何面揃えられるかと投げてよこすのである。キタサンが菊花賞かったから黄色の面が揃えられているのがニクイ表現だよね。こうしてキタサンはこれからG1_7勝を遂げるのだが、そのフラグとなったのであった。

ルービックキューブによる想いの継承

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