ブルアカTVアニメ8話感想「ホシノおじさんの最期の思い出作り~ユメ先輩エミュの真意~」

アビドスのために身売りする決意をしたホシノが最期の思い出作りとして皆で水族館に行く話。
ユメ先輩の写真を見ながら自分が先輩のように振る舞えていたかを噛みしめる姿がハイライト。
シロコはホシノの異変に気が付き彼女なりにアプローチするが全て柳のようにかわされてしまう。
業を煮やしたシロコはホシノを問い詰めるが騒ぎを聞きつけたノノミによって打ち切られてしまう。
ホシノの受け皿になれるのは先生だけなのだが、ホントにアニメ先生がホシノを救えるのか!?

ただ単に水族館で遊んでいるように見えてホシノにとっては死に水を取るかの行為

ホシノに異変を感じたシロコが思い切ってぶつかるもはぐらかされてしまう

前回後輩たちの成長を見て思い残すことは無くなったホシノ。身売りする決意をしたが、最期の思い出作りとして皆で水族館に行くことにする。いつになくはしゃぐホシノだが、まさにそれは死に水を取るかのような行為であった。ホシノの異変に気付いているのはシロコだけであり(原作基準ならおそらくノノミも気付いているのだろうが)、何とかしてホシノの力になりたいため、事ある毎に相談して欲しい、頼って欲しいとアプローチしていく。最終的にホシノを問い詰めるまでに至るのだが、結局ノノミの介入が入ったこともあり、ホシノが口を割ることは無かった。

ここでホシノが自己の弱さを曝け出す強さがあれば良かったのだが、ホシノにとって「後輩」に対しては絶対にそのようなことは出来ないのである。なぜならば、ホシノは亡くなったユメ先輩をエミュっているのであり、ユメ先輩は決してホシノに弱さを見せなかったから(故にユメ先輩も死んだ)。後輩と先輩という絶対的な関係性がホシノを縛り付けているのだ。ホシノは後輩たちを好いているからこそ、決して彼女たちには自分の本心を話すことは無い。

そんなホシノを救うことができるのは「大人」としての先生だけ。今回はホシノ自身がクジラのような存在だと例えられていたが、ホシノこそがクジラを求めている。ホシノはバレンタインコミュでクジラの巨大さを好んでいることが明らかにされており、その包容力として先生が応えたため原作ではフラグが成立した。ホシノは過去のトラウマから「大人」全般に対して不信感を抱いており、それを乗り越えさせるだけの親密度が必要なのだ。

水族館で思い出作りをしたホシノはユメ先輩の写真に対して、自分が後輩たちに良き先輩として振る舞えていたかを問う。こうして自分の気持ちに整理をつけたホシノはついに黒服の前に出頭する。今までパッとした活躍の無いアニメ先生だが黒服との舌戦が最大の見せ場。アニメではどう描かれるのか。視聴者たちからは関心が寄せられている。

ホシノの思い出作り
ユメ先輩をエミュってきたホシノの真意