【感想】ウマ娘 ROAD TO THE TOP 第3話 「走る理由」

闇落ちアヤベさん回。トレーナーがいない世界線だと前世の呪縛(競走馬時代の史実)を乗り越えられないという話。
前回トレアヤやカレアヤの描写も無く、死んだ妹の残影問題が解決しないまま東京優駿に勝利したアヤベさん。
第2話でアヤベさんの掘り下げが少なく残念に思っていた所、第3話で闇落ち要素として挿入してくるとは!!
東京優駿で勝利したアヤベさんは嬉しさに酔い、一瞬妹を忘れたことを幻影に糾弾されるという演出。
またトレーナーがいないと前世の呪縛(競走馬時代の史実)を乗り越えられないことが示唆された。
闇落ちしたアヤベさんは自分を責めたて、そんな脚など壊れても良いと自暴自棄になり孤立を深めていく。
トレーナーがいないセカイでアヤベさんを救えるのはカレンチャンだけだ。アヤベさんに救いはあるのか!?

トレーナーがいないと前世の呪縛を乗り越えられないことをアヤベさんの闇落ちを使って描く

東京優駿の勝利に酔い妹を忘れたことを残影に断罪されるアヤベさん
  • 東京優駿での勝利を自責のための演出として描く
    • 前回の東京優駿アドマイヤベガは勝利した。視聴者たちはアヤベさんが妹の残影問題を解決しないまま勝利したことに疑問を抱いた。そんな視聴者にお応えするカタチでお出しされたのがアヤベさんの闇落ちだったのだ。アプリ版においてアヤベさんは妹の残影問題をトレーナーに受容されることで解決する。トレーナーは、アヤベさんが死んだ妹に囚われていることに対し、妹の残影を否定するのではなく、それごとアヤベさんを受け入れるのである。トレーナーの懐に包まれたアヤベさんは自分を肯定してくれる存在(理解しようとしてくれる他者)の愛情を確信することができ、呪縛と向き合いながら進めるのである。それ故トレーナーがいないRTTT版のアヤベさんはどう妹の残影問題と向き合うのかが注目されていたのだ。

  • ウマ娘セカイにおけるトレーナーとはどのような存在なのか
    • ウマ娘においてトレーナーの存在は前世の呪縛(競走馬時代の史実)を克服させる存在として描かれて来た。ではトレーナーが存在しないウマ娘はどうなるのか?その答えが前世の呪縛に囚われたまま闇落ちしてしまうことであった。アヤベさんはトラウマを克服しないまま東京優駿で勝利してしまう。アヤベさんは自分の存在意義を死んだ妹の代わりとして走ることに見出していた。だがアヤベさんは東京優駿の勝利で一瞬妹のことを忘れて勝利の喜びに浸るのである。このことはアヤベさんを自責に駆り立てることとなる。死んだ妹のために走っていたのに妹を忘れた。アヤベさんの中の妹の残影は、アヤベさんがライバルに恵まれてギリギリのレースを展開しその中で勝利した喜びを罪として糾弾してくる。その断罪は競走馬時代の史実の呪いを発動させ、アヤベさんの脚を痛めつけていく。医者に診てもらっても異常はないのに、ファントムペインがアヤベさんを苦しめていく。

  • トレーナーがいるトプロとの対比によりその役割が際立つ
    • 前世のことを無意識に感じ取ったアヤベさんは自分の脚が菊花賞までであると悟ると完全に闇落ち。自暴自棄になって孤立を深めていく。今回のシナリオでは走る理由を喪失したトプロがトレーナーの存在により自分は何のために走るのかという始原的理由を取り戻せたことがテーマであった。そのためトレーナーがいないアヤベさんがより一層際立つのである。夏合宿後のGⅡ(京都新聞杯)でアヤベさんはまたもやトプロに勝利するが、そこにはもう勝利に喜ぶアヤベさんの姿は無かった。アヤベさんは修羅と化しており、闇落ちしていた。トレーナーがいない世界線であと唯一救いと成れるのはカレンチャンだけだ。アヤベさんは史実通りに菊花賞で終わってしまうのか!?雪星こころ先生のアドマイヤベガ漫画を読んで心を落ち着けよう。
カレンチャンの好意を無下にし孤立を深めるアヤベさん
前世の呪縛(競走馬時代の史実)に押しつぶされたアヤベさん
自分の脚は菊花賞までだということを無意識に悟る
精神崩壊したアヤベさんは闇落ちしてしまった
妹の残影問題を解決できず修羅と化し、闇落ちエンドを迎えつつあるアヤベさん

アヤベさんが救われる世界線のキャラストをみんな読んでくれ!!