ウマ娘「サトノクラウン」シナリオの感想・レビュー

テーラー業とレースの両立を目指す有能だが肝心な所で詰めが甘いエリート少女に尽くす話。
サトイモシナリオは悲願達成のためにトレーナー選抜試験が行われたがクラウン√はそうではない。
たくさんいるトレーナー志望者をウマ娘が選ぶという点では同じだが肝心なのはクラウンのお眼鏡に叶うかどうか。
クラウンはトレーナー陣にサトノ家の悲願を達成するための覚悟を背負えるかどうか問いかけるのだ。
さらに彼女は家業も大切にしていたため、それを尊重した上でサポートできる人材を必要としていた。
我らがトレーナーは他のトレーナーが尻込みする中、真っ先に名乗りを上げ、公私共にクラウンを支える。
クラウンは有能なエリートであるものの肝心な所で詰めが甘く、ここぞという時に失敗する運命下にあった。
それでもクラウンは逆境になるほど燃える性質であり、失敗してもそこから何倍もの努力をして立ち上がる。
そんなクラウンだがトレーナーへの依存が大きくなると逆に甘えられなくなるというかわいい側面も見せる。

【目次】

サトノクラウンのキャラクター表現とフラグ生成過程

【前編】サトノクラウン、二枚の草鞋編

サトノクラウンをレースと家業共に支えるトレーナー!

サトノクラウンサトイモと同様にサトノ家の悲願であるGⅠ勝利を目指す名家の令嬢。アニメとは異なり香港が強調され中国語と英語を操りテーラー業にコダワリを持っている。アプリ版のサトイモシナリオのようなトレーナー試験トライヤルなどが行われるわけではないが、それでもクラウンはサトノ家のための覚悟はあるか迫ってくる。これに対して一番に名乗りを上げたのが我らがトレーナーであり、彼の情熱的な積極性を買ったクラウンは仮契約を結ぶことになる。

クラウン√で特徴的なのが彼女がレース一本ではなく父の事業も大切にしていること。レース以外にも少なからぬ時間を割いていることを否定してしまえばフラグクラッシュとなったであろう。だがクラトレは彼女の事業を大切にし、細やかな気配りやサポートをする方面に舵を取る。レースだけの関係でなく、クラウンと付き合うなら、彼女そのものを理解しなければならないというトレーナーの姿勢は功を奏したのである。

こうして仕事でもレースでもクラウンの傍らに侍り彼女を支援する存在としてトレーナーは頭角を現していく。クラウンが必要とするならば何でもできるようになりそうなトレーナーだな!クラウンはレースだけでなく商才にも恵まれバリバリとテーラー業をこなしていくのだが、彼女は有能なエリートなのに何故かここぞ!という場面で必ず失敗するという運命を持っていた。それでもクラウンは逆境に強く、追い詰められれば追い詰められるほど燃える性質だったので、失敗をバネに倍以上の成果を上げることが出来た。

ビジネスに力を入れ過ぎてしまいトレーニングが疎かになってしまった時でも、トレーナーはクラウンの走りを徹底的に分析した効率の良い時短メニューを組み、メキメキと成長させていく。こうしてドゥラメンテとのレースでも彼女に肉薄することが出来たのである。最終的にクラウンにとってトレーナーはなくてはならない存在となり本契約を交わすことになる。

ここぞ!という時に必ず失敗するが、逆境を糧に這い上がる!
家業に時間を取られトレーニングが疎かになっても巻き返せ!
こんな逆境跳ね返して見せる!

 

【後編】サトノクラウン、言語による相互理解編

香港にもトレーナーが着いて来てくれることを自明の理としていたクラウン

フラグ成立後もトレーナーとクラウンの息はピッタリであり人馬は一体。クラウンの考えの先を読み、気持ちよく仕事が出来るように采配する能力を示していく。こうして二人の仲は相思相愛であり順調かと思いきや、クラウンはあまりにもトレーナーが傍に侍ってくれることを当然と考えてしまっていたことに気付き、自分からトレーナーを求めることが出来なくなってしまう。

それが顕著になるのが香港渡航。クラウンはトレーナーが来てくれることを自明の理としていたため、友人に指摘されてはじめてトレーナーを誘っていないことに気付く。いつまでも誘えないことに悶々としながら、いつものようにトレーナーの方から察して言い出してくれるように誘導しようとする。彼女自身はこの誘導が完璧だと思っていたのだが、あまりにも婉曲的過ぎたことによりトレーナーは単に香港へ旅行に行くのだと勘違いし、故郷で楽しんで来るといいよとあくまでも他人事であったのだ。

その後もクラウンは遠回しにトレーナーを香港に誘うも断られてしまい、振られたものだと思い込み、自分がトレーナーにどんなに依存していたかを知るのであった。クラウンはトレーナーがもし断ったらどうしようという怯えから直接トレーナーを誘えなかった。だが、あなたも一緒に行くのよと一言いえばこのトレーナーはどんな局面でもついて来たのであろう。

案の定、クラウンの事情を知るとトレーナーは自分も可能なら着いて行きたいと言い出しクラウンに衝撃を与える。あなた、私が前に誘った時に断ったじゃない!と。だがクラウンは言葉に出して誘っていなかったのである。これまでトレーナーとクラウンは阿吽の呼吸で空気を察するほどツーカーの仲であったので直接クラウンが言葉で求めることは少なかった。だがエスパーじゃないんだから言葉にしないと分からないこともあるよと、言語による意思疎通の大切さを改めて噛み締め、キャラストは幕を閉じる。ちなみにバレンタインイベントでは一生大切にすると言葉を交わしていた。

トレーナーを誘えずに葛藤するクラウン
婉曲的表現過ぎて断られるクラウン
ところがどっこいトレーナーも着いて行きたがった!
言葉にすることの大切さ

サトノクラウンのバレンタインイベント「一生大切にする」

バレンタインでトレーナーから(ドライフラワーを)一生大切にすると誓われて照れるクラウン可愛い

サトノクラウンのクリスマスイベント「あなたを手放したくない」

贈り物のサイフの意味は身近に置いてずっと大切にして欲しい

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