【感想】ウマ娘シンデレラグレイ「1989年ジャパンカップ~オグリキャップVSホーリックス、南半球のウマが世界レコードで初優勝する~」(114-130話)

期待を背負い結果を出すことを求められ重責と苦悩を抱えるホーリックスがオグリに救済され存在証明する話。
ホーリックスニュージーランドウマ娘。最初はオグリに健康ランドの使い方を伝授する師匠として登場。
だがその実態は姉の代替品として扱われ南半球のウマが世界に通用することを示さねばならぬ辛い立場にいた。
その重責と苦悩によりホーリックスは嘔吐に苛まれ吐瀉物を撒き散らす日々であったがオグリの無邪気さに救われる。
イブンベイとホークスターによる超ハイペースなレース展開にホーリックスは3番手を堅持し最後の直線へ。
ラストは猛追するオグリと死闘を繰り広げることになるが、オグリを抑えてホーリックスが世界レコードで優勝。
南半球のウマが初めてジャパンカップで優勝すると共に、オグリとの仄かな百合友情を結んで再会を誓った。

1989年ジャパンカップの事件とは!?~南半球のウマが世界レコードで初優勝!~

嘔吐し吐瀉物を撒き散らすフォークイン(ホーリックス)

マイルチャンピオンシップに続きジャパンカップへ連闘するオグリキャップ。疲れを取るために行った健康ランドで色々と良くしてくれる人物に出会う。その「健康ランド師匠」こそフォークイン(現実ではホーリックス)であった。シングレの1989年ジャパンカップ編では、このホーリックスが物語の主役となる。

ホーリックスには二つの苦悩があり、それは「姉の代替品」であることと「ニュージーランドの代表として初勝利をもたらす」ことであった。オセアニアウマ娘たちは他の地域で戦える機会は少なく、ジャパンカップは世界レベルと競える貴重なチャンスであった。だが満を持してエラズリープライド(ボーンクラッシャー)を投入した1988年のジャパンカップにおいて彼女は8位で終わってしまう。

エラズリーですら駄目ならどうすればいいんだ!?とニュージーランドの人々が絶望する中で目を付けられたのがホーリックスであった。今までホーリックスは姉ばかり注目を浴び自分を見て貰えないことが心の澱となっていた。だが、姉が負けたからといって、都合よく自分を姉の代用品として見てくる人々接し、深い傷心を覚えるのであった。またオセアニアウマ娘はセカイレベルには到底通用しないという風潮もあり、国としてのプレッシャーやナショナリズムを背負わされてしまう。

こうして重責と苦悩に苛まれるホーリックスは、地方出身で中央に挑み周囲にも期待されるオグリキャップに親近感を抱いたのである。オグリなら自分を理解してくれるのではないかと。健康ランドで二人が出会ったのは偶然などではなく、ホーリックスが能動的にオグリに近づいたからであった。だが健康ランドで出会ったオグリは天然であり自分の理解者とは程遠かった。しかしながらオグリのほがらかな人柄はホーリックスを救済することになる。

1989ジャパンカップのレースは、イブンベイとホークスターが凄まじいペースでレースを進行させたので、世界レコードのオンパレードとなる。尋常でないペースで走る二人は最後の直線で沈むも、3番手についていたホーリックスはそのままの位置をキープする。ラストはオグリが物凄い追い上げを見せ、ゾーン対決となるが、寸での差でホーリックスがオグリを抑えて優勝した。レース終了後、ホーリックスニュージーランドに帰ることになるが、オグリに対しては自分の心情や想いを吐露していく。オグリとホーリックスは淡い百合的な友情をここで結ぶことになり、別れ際に再会を企図するのであった。

フォークイン(ホーリックス)による自己の存在証明
オグリキャップとフォークイン(ホーリックス)の死闘とその末
オグリキャップ×フォークインの淡い百合的恋情

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