【感想】ウマ娘スターブロッサム「1994年1月~初勝利までの道のり編~」(6話-13話)

サクラローレルが4歳新馬戦に2敗し、ダートに回った4歳未勝利戦で初勝利を挙げる話。
1994年1月6日、ローレルはいよいよデビュー戦に臨むが、なんと1番人気となる。
だが現実とは非常なもので徹底的にマークされポジション争いに敗れてしまい9位に終わる。
目を背けかけるオリトレの椿さんだが父の助言で顔を上げ、不屈の心をローレルから教えられる。
1月15日の2戦目は3位で終わり、椿さんはローレルの足の不調を見抜いて病院へ連れて行く。
病院では椿さんは人馬一体を説きローレルと一緒ならお互い一人では無しえないことも出来ると誓う。
そこで椿さんはローレルをダートに回すことを決意し1月30日の4歳未勝利戦へ挑むことになる。
ライバルとしてシクレノンヴォルクが掘り下げられることになりローレルの良き親友となる。
レースの結果はようやくローレルが初勝利を挙げることができ、3戦を描いた1994年1月が終わった。

将来的には1996年にG1・2勝をあげるローレルだが、そこまでの道のりは遠く本当に遅咲きだったんだなぁと

サクラローレルの不撓不屈の心

スタブロの主人公はサクラローレルだが非常にゆっくりと丁寧に描かれていく。5話かけてようやくローレルはチームに所属することができ、デビュー戦へと挑んでいく。ローレルを語る上で外せないのが、遅咲きの桜・不撓不屈の精神である。そのため初勝利までの道のりも、決して簡単なものでは無かった。1994年1月6日の初戦は1番人気に推されたものの、それにより徹底的にマークされてしまう。ポジション争いに失敗したローレルの姿を見て椿さんは担当から目を背けてしまう。しかしそんな娘に対して父親は前を向くように叱咤し、不屈の心の大切さを説く。デビュー戦は敗北に終わったものの椿さんは最後までローレルを見届けることができた。

続く2戦目は1月15日だが、ここでは惜しくも3位に敗れてしまう。椿さんは連闘による足の疲労の蓄積を見抜き、ローレルを病院に連れて行く。ここでは序盤の名シーンである病院の誓いが交わされる。椿さんとローレルは人馬一体し、二人一緒ならお互い一人では届かないことでも成し遂げらることが出来ると手と手を握り合うのだ。こうして信頼関係を新たに刻んだ二人は、ダートに転向して4歳未勝利戦に挑むこととする。

1月30日の4歳未勝利戦ではローレルのライバル兼親友となるシクレノンヴォルクの掘り下げが行われる。気になって調べてみたら1994年9月17日の4歳未勝利戦で1勝してるだけやんけ!だがゆっくりじっくり丁寧に描いていくのがスタブロであり、シクレノンヴォルクも使い捨てでは終わらせない。彼女は偉大なる二人の姉がおり、彼女たちの背中に憧れているという設定をつけてくる。

アプリ版ウマ娘ヒシミラクルのキャラストでトレセン学園にはレースを第一義としないモブウマ娘たちもたくさんいることが語られたが、彼女もまたモブとして沈みかかっていた。だがローレルに影響されたことにより、そこから這い上がってくる姿が色濃く描かれるのである。番外編では数ページではあるがなんと主役を飾り、姉たちが着たウイニングライブの衣装にまつわるエピソードも挿入される。

このダート戦では走りを楽しむことがテーマとされており、シクレノンヴォルクは途中で苦しくなりレースを諦めかけるのだが、何とも楽しそうに走るサクラローレルに感化され息を吹き返す場面が見どころとなっている。ローレルの諦めない心・不屈の魂・なんでも楽しむことができる前向きさが第三者の視点から描き出され構造となっているのだ!

椿さん×ローレル!人馬一体の絆
三者の視点からローレルがレースを楽しむ様子を描く
シクレノンヴォルクの丁寧な掘り下げ。

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