ウマ娘「シリウスシンボリ」シナリオの感想・レビュー

意志の弱い流され体質の弱者男性がシリウスの主体的な自己決定に脳を焼かれる話。
これもまたトレーナーの話。シンボリトレは自己主張の出来ない弱者男性であった。
トレセン学園に入学できたのも就職予備校で言われたことをやってきただけのように感じる。
体中からひ弱さが滲み出るトレーナーであったがその子犬のような姿がシリウスに気に入られる。
そんな弱者男性トレーナーであったがシリウスと接するうちに自我が芽生えてくるようになる。
全て一人で自分の意志を貫き通そうとするシリウスに対し「選択」をぶつけあう関係性を構築する。

弱者男性☆シリウスシンボリのトレーナーのキャラクター表現とフラグ生成過程

弱者男性を見かねて育てることにした感があるシリウス

弱者男性流行ってるのか!?今回のシナリオも弱者男性の成長物語である。本作の主人公トレは自己主張が出来ず、他人からいい様に使われてしまうだけの情けなさっぷりがこれでもかと描かれる。だが他人に従属することを嫌うシリウスシンボリからはその子犬のような弱さが気に入られ、単なる愛玩動物として逆採用されることになる。シリウスのトレーナーはペットと化し、ただただシリウスを見守るだけであった。

だがシリウスを見守るうちにその漢気に惚れ込んでいったトレーナーは彼女に従うだけの毎日に疑問を抱くようになる。それ故、従属関係ではなく、選択肢をぶつけ合うことでお互いを高め合う関係になりたいと願い、ビリヤード勝負で一矢報いて関係性を変化させる。こうしてシリウスはトレーナーの意見もトレーニングに取り入れるようになっていく。

そしてシリウスと関係性を深めたことで、どうしてそんなに彼女が自分の意志を貫こうとするのか、理由を語ってもらえるようにまでなる。幼少期のシリウスはトレーニング機器やコーチを用意され恵まれた環境の中で育った。お受験などもそうだが、環境を整えある程度時間と金をかければ成績は伸びるものである。シリウスは考えることを放棄し唯々諾々と言われたことをやっていただけであったので、成長には限界があり能力の頭打ちは目に見えていた。その結果は残酷であり、幼少期のシリウスはルドルフに大敗してしまった。しかもシリウスは負けた理由を他人のせいにしようとしてしまったのであった。文句を言いながらも自身でそのことに気付いたシリウスは羞恥心で膨れ上がり、以来、自分のことは全て自分の意志で決めるようになったのであった。

それを理解したトレーナーは自身も主体的意志決定に目覚め、シリウスと対等な関係となり、選択肢を提示できる男に成長していく。シリウスは気弱でひ弱だったトレーナーが自身の影響により覚醒したことに得も言われぬ満足を覚える。シリウスはトレーナーをペットな子犬扱いされながらも、その男性性を示されに喜ぶのである。

シリウスを見て変わりたいと願い努力することにした弱者男性
従順なだけであった弱者男性が能動的になり、しかもそれが自分の影響だと知って歓喜するシリウス
如何にしてシリウスは主体的意志決定を信条とするようになりしか
弱者男性が見せる気概にきゅんきゅんするシリウス
自分の意志による選択を何よりも大事にするシリウス
ルドルフへの執着を滾らせるシリウス