ウマ娘「タップダンスシチー」シナリオの感想・レビュー

大人になれ、現実を見ろと言われ続けたトレとタップが試行錯誤を経て自分たちの走りを確立し夢を実現する話。
トレはGⅠ引いては世界と戦うことを夢見て綿密な研究を重ねる人材であったが現実を見ろと小馬鹿にされる。
そんなトレの研究ノートを拾ったのがタップダンスシチーであり大きな夢を掲げて現実と戦うウマであった。
タップダンスシチーは自分ならトレの夢を実現できると述べ、二人で夢へ挑戦することになる。
なかなか勝てないトレとタップを外野たちは嗤うが、それでも二人は自分たちの走りを目指して高め合う。
自分たちの走りを信じて戦い続けた二人は覚醒!遅咲き・晩成ながらも夢を諦めないことを結果で示したのだ。

タップダンスシチーのキャラクター表現とフラグ生成過程

タップダンスシチーシナリオのテーマは夢と現実

タップダンスシチーは単身アメリカから乗り込んで来た常に前向きで明るく夢にチャレンジするウマ娘。だが自分の夢に対する理解者は少なく現実を見ろと言われ続けてきたため、心の中で孤独を深めながら熾火を燃やしていた。そんなタップダンスシチーが出会ったのだが、同じ様に夢を抱きながらも現実を見ろと馬鹿にされていたトレーナー。かれの夢は虚妄ではなく綿密な研究に基づくものであり、そのノートを垣間見たタップダンスシチーは自分にこれを実現させてくれと頼む。半ば強引にスカウトされるカタチでトレーナーはタップダンスシチーを見ることになるが、その人柄に惚れ込んでいくことになる。タップダンスシチーはトレーナーの緻密なデータ取りにも良くついていき夢を追い求める仲になる。タップダンスシチーの前には何度も現実が立ち塞がることになるが、トレと一緒なら心は折れない!タップの日本でのトモダチであるモブJKが受験を理由に勉強に専念するので関係を断とうした時には、サヨナラじゃなくてまた会おう!だと言葉を決める。この場面結構好き。
 

トレーナーの夢に共感し、それを実現するのがタップダンスシチー

タップダンスシチーはなかなか勝てない日々が続くがそれでもトレーナーと二人三脚して自分たちの走りを信じていく。フラグ成立後も夢を諦めないこと、夢を追い求めることの大切さが説かれる。前者については漫画好きなモブウマ娘の同人ノートを拾い、彼女が筆を折ろうとしている姿を見て、漫画(夢)を捨てたら走れなくなると励ます。後者についてはトレの部屋にイキナリ侵入し冒険と称するデートに繰り出すことになるのだ。タップダンスシチーは一人であったらなんども折れてしまったであろう描写が挿入されるが、信頼できるトレーナーがいれば折れることは無い!その象徴が夏合宿の夜に二人で出かけた無人島であり、そこに刻まれた伝説のウマ娘の爪痕を垣間見ことで気分を昂揚させるのだ!佐藤哲三ジャパンカップにおけるカツラギエースへの憧憬(1984)の伏線も回収されて古馬として結果を残すタップダンスシチーが描かれた。

ジャパンカップ(1984)のカツラギエースに対する憧憬
心を折らずに夢を抱き続けることは難しい
ロマンを追うことは生きているということ。ただ生きることは生きる屍
トレーナーとの関係性を深めるタップダンスシチー

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