ウマ娘「タニノギムレット」シナリオの感想・レビュー

邪気眼中二病に罹患した少女がその青春の刹那に命を燃やそうとする生き様を描く話。
仕事に失敗したトレーナーは行きずりのバーで酒浸りになっていた。
バーテンダーのバイトをするタニノギムレットは自ら調合した酒を振る舞う。
その酒はトレーナーの気分を爽快にする味でありいつしか憂いも吹き飛んでいた。
こうしてトレーナーはギムレットに惹かれていき次第にその姿を目に追うようになる。
ギムレットもまた自分が実力でトレーナーを酩酊させたいと考えており練習に打ち込む。
芝1600mから連続して芝2400mを走るローテでギムレットはトレーナーをときめかせる。
フラグ成立後はギムレットによる謎かけ問答で彼女が拘る「刹那」の生き方を解き明かす。
ラストは今度はトレーナーがギムレットのために朝日を見せ、彼女を酩酊させ絆を深める。

タニノギムレットのキャラクター表現とフラグ生成過程

落ち込んだトレーナーのために酒を振る舞うタニノギムレット
  • 根はすごく真面目で努力家だが邪気眼中二病の振る舞いにコダワリを持つ少女
    • 現在一口に中二病といっても様々な症例がある。斜めに構えることで優越感を抱き因数分解が何の役に立つんですかぁ~とか言っちゃう既存の価値観反発系中二病もいれば、宗教や神話、哲学や倫理学などに出て来る人文・社会系の概念やタームなどを使用しまくることに強い快楽を覚える邪気眼中二病もいる。各コンテンツに一人は中二病患者がいる時代、タニノギムレット邪気眼中二病の気質を持ち、難解な表現を用いて自分の世界観を表現することにコダワリを持っていた。
    • ある時、トレーナーが仕事に失敗して落ち込み行きずりのバーで酒浸りになっていると、突如酒の差し入れが入る。何とバーでバイトをしていたタニノギムレットがトレーナーのために酒を調合してくれたのである!!この酒は気分を爽快にするような味にされておりトレーナーは落ち込んでいた気分にサヨナラする。このタニノギムレットトレセン学園の生徒であり、トレーナーは彼女を気にするようになる。ギムレットは柵を壊しては律儀に自分で直し、授業はサボるが熱心にトレーニングに励むなど、根は真面目で努力家であることが判明する。ある時、芝1600mの模擬レースで末脚での追い込みを披露し、マイルでの力強さを発揮する。トレーナーは彼女に惚れ、担当になりたいと申し出る。ギムレットは満更でも無かったのだが、自分の真の目的のため、今暫しの猶予を持つ。ギムレットNHKマイルからの日本ダービーのローテを狙っており、模擬レースも連続して芝2400mに調整してくる。この模擬レースでシンボリクリスエスを破って勝利したギムレットにトレーナーは一目散に駆け寄る。ギムレットはトレーナーの手を取り、その鼓動を確認すると、満足して専属の話を受ける。彼女は自分の走りでトレーナーを酩酊させたいと願っていたのである。

 

ギムレットが柵を破壊するのは、刹那を求めることから来るもの
  • タニノギムレットが拘るのは刹那の輝き
    • フラグが成立したものの、トレーナーは未だギムレットの本質を測りかねていた。そのため彼女はトレーナーに自分を理解ってもらうために、謎解きを貸す。トレーナーはギムレットのクイズを解き明かしながら、彼女の本質を探っていく。ギムレットが課したクイズの共通点は、全て一瞬の出来事、その刹那にあった。ギムレットは父親から様々な個性を語られるのだが、そこで自分が選んだのは、刹那の輝きだったのである。こうしてトレーナーはギムレットの本質をほんの少し理解できたのだが、今度はトレーナー自身が刹那の中の美しさを提供することになる。夏合宿のある日、キッチリとトレーニングをこなしたギムレット中二病台詞と共に去っていく。一方トレーナーは朝焼けが綺麗な海岸の場所を知ることになる。トレーナーはこれをギムレットに見せたいと思い、彼女を誘い出す。ギムレットは自分の走りによりトレーナーを酩酊させることに喜びを感じていたが、トレーナーにより朝焼けを見せられたことで、トレーナーもまたギムレットを酩酊させる存在なのだと知る。これは邪気眼中二病であるギムレットにとってドストライクなことであった。昂奮したギムレットは朝焼けを眺めながらトレーナーの為に酒を調合し深く結ばれたのであった!

NHKマイルから日本ダービーへのローテ
トレーナーを酩酊させ、トレーナーもまた酩酊する
ギムレットが求めるのは刹那の輝き
トレーナーもまたギムレットを酩酊させる
トレーナーが自分のレゾンデートルになってる程のギムレット