レヱル・ロマネスク 第12話「人吉市とまいてつ祭~第一次まいてつ炎上事件と第二次まいてつ炎上事件の連動性~」の感想・レビュー

今回は「まいてつ祭」が題材となり大成功を収める様子が描かれました。
しかしながらこの『まいてつ』はあくまでもPS4でありPCゲームではなかったのです。
つまりコンシュマー版を出すことであくまでも一般向けを装い実現したのでした。
このような事例は珍しくなくFGOやグリザイア、鍵作品等でも普通に行われています。
しかしまいてつの場合、FDを出す際、一般向けに振り切ることができませんでした。
このことが第二次まいてつ炎上事件の下地になっていたことは否定しきれないでしょう。
ちなみに人吉市の広報誌を見るとまいてつ祭は一切無視されていることが分かります。

第一次まいてつ炎上事件と第二次まいてつ炎上事件の連動性

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  • コンシューマ化して一般ゲーに偽装しきれなかった反動
    • 前回でも紹介しましたが、第一次まいてつ炎上事件とは、まいてつのキャラクターIPをグッズ(応援切符)に使用しようとしたところ、レーティング作品であったことから失敗に終わった事件です。その後『まいてつ』はプレステ4で一般向けコンシュマー版を出し、「まいてつ祭」を成功させて意趣返しを行うことになります。つまり『まいてつ』はこの時点でレーティング作品には戻れないところまで来てしまっていたのです。一般に周知されればされるほど、その原点がレーティング作品であることは忌避されることになります。Fateもなのはもグリザイアも鍵作品もレーティングの殻を破り一般向けに巣立っていきました。『まいてつ』は災害復興に貢献したとしてNHKにも取り上げられてしまったため、今更レーティング作品として発表されることは、無理を孕んでいたのです。そのためファンディスクとして『まいてつLR』が発売された際に、一般向けを装ったレーティング作品と化しました。こうしたどっちつかずの状態になってしまったことが、第二次まいてつ炎上事件の遠因となったのです。このアニメ、『レヱル・ロマネスク』もまいてつと世界観を同一にしてはいるものの別作品という扱いからその一端をうかがい知ることが出来ます。
    • 第二次まいてつ炎上事件とはメーカーが批評サイトに介入してデータを削除させた事件です。この事件は一部のユーザーたちからは低評価を隠蔽するものだった言われています。(作品の評価はプレイした本人にしか判断できないので各自がプレイすることをお勧めしますが、私がプレイした限りではなぜ低評価とされてしまったのかについてはきちんとした理由があるように思われます)。そしてメーカー側は自分たちの作品に自信があり、介入した件についても正当性があるというのなら、堂々としていればよいのですが……なんと!今度は大量の修正パッチ攻勢に出てきました。この修正パッチの内容を見ると、メーカー側は低評価の原因をレーティング描写が足りていなかったことに求めていることが分かります。
    • 以上のことを踏まえると、『まいてつ』は一般作品として生まれ変われなかったことを意味します。それらを覆い隠すために『まいてつ』とは別作品であるこの『レヱル・ロマネスク』が生み出され、まいてつ祭には一般社団法人が加わっているのでしょう。まいてつ祭2019の状況ですが、市の広報誌を見ると一切取り上げられていません。まいてつ祭2019は、「観光列車サミットin人吉球磨」及び「くまてつまつり・くまてつまるごとマルシェ」と連動して行われたのですが、告知でもイベント報告でも完全にスルーされてしまっています。『まいてつ』が引き起こしたこれらの現象はコンテンツ産業史・コンテンツツーリズム史の先行研究事例として必ず参照されるべき事例となるでしょう。

cf.広報人吉より抜粋 「まいてつ祭」について一切触れていない

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