雑録

ウマ娘「ナリタタイシン」シナリオの感想・レビュー

体躯の小ささをコンプレックスとし世界の全てを敵にする反抗期系少女の話。
子どもの頃からチビであるとイジメを受けグループにも馴染めなかったナリタタイシン
自分を支えてくれたのはレースに勝つことだけでありトレセン学園に入学する。
しかしナリタタイシンの我流の走りはトレセン学園では全く通じなかったのである。
周囲を見返すためだけに走ってきたためナリタタイシンアイデンティティ崩壊。
そんなナリタタイシンの「末脚のキレ」を見出しレースに勝たせればフラグは成立。
反抗期系少女との適度な距離感を確立した主人公との関係性が見どころとなる。

ナリタタイシンのキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 世界の全てを敵に回してしまう反抗期系ガール
    • ナリタタイシンのシナリオは結構重め。小さい身体とそれに起因する過去のイジメ経験を引き摺っています。ナリタタイシンは小柄な体躯であったためトレセン学園で結果を残せずにいました。自分の長所に気付けず、小食なのに大量に食事を摂って吐きそうになったり、先頭のポジション争いに絡んでスタミナを消耗したりと四苦八苦。そんなナリタタイシンウイニングチケットとビワナガヒデが気遣うのですが反発ばかりしてしまいます。
    • 何故ナリタタイシンはこんなにも拗らせてしまったでしょうか。これが本シナリオの最大の見どころとなっています。ナリタタイシンは幼少期から体が小さかったため、男子たちのからかいと嘲笑の対象となってしまいました。それ故人間関係をうまく構築できなくなってしまい、女子グループからも排斥されるという悪循環を辿ってきました。そんなナリタタイシンの生きる動機となったのが、レースで勝って周囲を見返すことでした。しかしレースを自己の承認欲求の手段とすることは、ナリタタイシンを蝕むことに繋がります。それ即ち、レースで勝てなければナリタタイシンに生きる価値は無いということ。ナリタタイシンの焦燥は長所を潰すことになり、ついに退学勧告寸前にまで陥ります。

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  • ナリタタイシンとの関係性の構築
    • 拗らせてはいるけれどもナリタタイシンに熱い情念を感じた主人公トレーナーは過去の走りを研究します。するとどうでしょう。ナリタタイシンの長所は末脚であり、最後の追い上げこそが勝利の鍵だったのです。周囲に反発して我流の特訓を重ねるナリタタイシンに主人公はアドバイスをし、見事模擬レースで勝利を勝ち取らせ、周囲の悪評を覆します。これはナリタタイシンにとって周囲を見返す以外に走る動機ができた瞬間でした。ナリタタイシンが主人公に自分のトレーナーになって欲しいと遠まわしに求めるシーンはグッときますね。
    • ナリタタイシンの専属になった主人公でしたが、その距離感の測り方に難儀します。他のウマ娘とのように二人で外出とかご褒美とか色々と気を回すのです。しかし結局は関係性は人それぞれであることを受け入れます。ある時、主人公が一人水族館ムーヴをかますと、同じように一人で水族館を楽しむナリタタイシンがいました。この水族館はエンタテイメント系施設ではないため一人客も結構多いとのこと。水族館に一人佇むナリタタイシンの顔は穏やかであり、周囲の目線を気にしなくて良い、一人の孤独な時間を楽しんでいたのです。主人公はこうして悟ります。ナリタタイシンと無理して距離感を縮めなくても信頼関係は築けているのだと。この結論は最後の夏祭りイベントの場面でも証明されます。お祭りなどの人混みに誰が好きこのんでいくものかというナリタタイシン。それを予想していた主人公は静かな場所で花火を見ようと誘導します。このことはナリタタイシンの心を打ち、ナリタタイシンにとっての主人公は水族館における魚のようだと言わしめるのです。

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