ウマ娘「サトノダイヤモンド」シナリオの感想・レビュー

一族の期待を背負わされるもそれを前向きに捉える良家の御令嬢パワー溢れる作品。
サトノグループは新興財閥。業界にカネの力で貢献するもG1ウマ娘を輩出できずにいた。
カネはあっても伝統や歴史が無い。それを叶えるためサトノダイヤモンドが送り込まれる。
普通だったら重圧となりそうだがダイヤちゃんは強く、持ち前の令嬢パワーで粉砕していく。
一方サトノグループはカネの力でウマ娘側がたくさんのトレーナーを選抜していく程であった。
だがダイヤちゃんにはもう既に気になる人がおり、選考で全員落としてしまう。
自分の見初めた人をトレーナーとするため両親のテストとしてマックイーンと対決することに。
無茶な試験内容をトレーナーは無視し発達段階に合わせた調整を行って試合に負けるが勝負に勝つ。
フラグ成立後は恋情により初めて遠慮を覚えたダイヤちゃんをトレーナーが解放していく。

サトノダイヤモンドのキャラクター表現とフラグ生成過程

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自分の見初めた人を専属にしたいダイヤちゃん
  • 一族の期待が重圧ではなく前向きな力となっている強い御令嬢
    • サトノダイヤモンドは新興財閥のお嬢様。一族からG1ウマ娘を出すという悲願を達成するためにトレセン学園に送り込まれてきました。普通のシナリオパターンだったら、重すぎる期待が重圧になってしまったり、敗北により自己を支えるプライドが打ち砕かれてしまったりする展開が予想されます。しかしサトノダイヤモンドは強かった。一族の期待が上手く自己のアイデンティティに受容されており、さらにそれに見合う力もあるというハイスペック。選抜レースでは先にデビューしていたキタサンブラックに勝利してしまう程でした。そんなサトノダイヤモンドのトレーナーになりたいと思う人々は多く、サトノグループでは選抜試験が開催されます。しかし主人公トレーナーはサトノダイヤモンドの欠点を良く見抜いており参加は見送るのでした。サトノダイヤモンドは主人公トレーナーとキタサンブラックが仲良く話しているのを見て、運命を直感します。そして選抜試験に来ていないのを確認すると、試験参加者を全員落としてしまうのです。後日メジロマックイーンが主催するパーティーで再会した時、サトノダイヤモンドは主人公トレーナーを問いただします。ここで主人公トレーナーはサトノダイヤモンドが抱える二つの欠点(競り合い経験の浅さとムキになりがちなこと)をズバズバと指摘するのです。今までおべんちゃらを使う相手しか見てこなかったサトノダイヤモンドは本当に自分のためになることを言ってくれる主人公トレーナーに対してきゅんきゅん来てしまうのでした。

 

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2400という無理難題に対し2000で調整してその先を示す
  • トレーナー選抜試験編
    • サトノダイヤモンドは主人公トレーナーを自分の専属にしたい!しかしそれにはサトノグループから認められなければなりません。そこで課された試験が1か月後に2400でマックイーンと戦うというもの。訓練を試みるサトノダイヤモンドでしたが、この試験はムチャブリでありました。ジュニア級まもないサトノダイヤモンドには2400の訓練は無理があるのです。これを見越した主人公トレーナーはなんと試験内容をガン無視しジュニア級の適性である2000に合わせるという作戦を決行します。本番の試験の際にも2000を想定した走りを披露し、当然の如く敗北します。真意を問われた際、主人公トレーナーは試験内容が愚かであることを指摘し、目先の合格ではなくその先の事(一族の悲願の達成)を考えて指導したと説明します。これを受けて両親は納得。寧ろトレーナーとしての誠実さと実力を買われることになり、晴れて父親からサトノダイヤモンドを託されたのでした。

 

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主人公トレーナーを振り回すダイヤちゃん
  • 初めて遠慮を覚えたお嬢様
    • 自分が見初めたお気に入りのトレーナーを専属にしたダイヤちゃんは心身ともに充実していきます。そして持ち前のお嬢様的気質によってグイグイと主人公トレーナーを振り回していきます。お嬢様であるサトノダイヤモンドにとって、欲望が全て叶うというのは当たり前のことでした。お花プロジェクトでも遊園地デートでも自分の欲望を素直に露呈していきます。しかしトレセン学園の生徒たちとの交流の中で、それは異質なのだと気づいていき、初めて遠慮というものを覚えるのです。他者の事を慮れることはとてもいいことですが、今回はそれが裏目に出てしまい、ダイヤちゃんの率直さを掻き消してしまったのです。ここでも主人公トレーナーはいち早くその変化に気付き、サトノダイヤモンドに心情を吐露させ、それを受け入れます。こうして素直な欲望を肯定されたサトノダイヤモンドは今まで遠慮していた分もありトレーナーに襲い掛かるのでした。うまぴょい。夜の浜辺で花火が打ち上げられる中、二人は親密な時を過ごして関係性を深めるのでした。

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ダイヤちゃん、はじめて遠慮というものを知る
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素直さを肯定されて欲望マックスになるダイヤちゃん