ウマ娘「大乱闘!?夏色☆バカンス」の感想・レビュー

マルチヨとゴルマクを主軸に据え枠内に自分を抑え込みがちな少女を解き放つことを主題とした話。
マルチヨ√は圧倒的強さを持つが故に本気に慣れないマルゼンをチヨちゃんが解放する。
ゴルマク√はメジロ家の誇りに囚われすぎるマックイーンがゴルシを前にして自我を解放。
マルチヨもゴルマクも姿かたちは違えども自分を解き放つことを主題としている。
ラストはゴルシにマックイーンが寄り添い情緒溢れるゴルマクエンドで幕を閉じる。
チヨちゃんの3dモデル夏ver.見たいと思ったのは私だけでは無いハズ。

トラウマや世間体により自分を抑えがちな少女たちを解き放て!

バブルでノリノリな姿は最強すぎて本気出せないトラウマを隠すためのもの

今回のイベントストーリーでは節制の効いた少女たちがメインとなります。まずはマルチヨ。マルゼンスキーは圧倒的な能力を持つことから本気で勝負をするということがありませんでした。それ故バブル世代なノリで振る舞っていますが、それこそも自分を騙している自己欺瞞なのかもしれません。今回のイベントの花である水鉄砲バトルもかつて新入生だった時に優勝したことがあり、そこで場の空気を読まず圧勝してしまったことがトラウマとなってしまったのです。以来マルゼンは物事に本気で取り組み勝ってしまうことの怖さに囚われることとなったのです。これにいち早く気づいたのがサクラチヨノオー。マルゼンが強すぎて本気を出せない事を見抜くと、マルゼンが本気を出せるように努力を重ねます。そして屋上で複雑な感情に囚われるマルゼンに宣戦布告をするのです。どことなくつまらなそうにしているマルゼンを燃えさせるために頑張るチヨちゃんが可愛いです。修行を積んだチヨちゃんに対し、マルゼンも本気にならざるを得ません。息をもつかぬ攻防戦はマルゼンの血を滾らせものであり、しかもチヨちゃんに軍配が上がるのでした。
 

メジロの誇りや世間体を気にし過ぎて自分を出せないマックイーン

他方でゴルマクサイド。こちらはメジロの誇りや他人の目線ばかりを気にして自分を抑制してしまうマックイーンに焦点が当てられます。そんなマックイーンの行動を見てあきれるのが賭博師ナカヤマ。自分を抑え込みがちなマックイーンを見てヤキモキします。しかしマックイーンを真に解放することになるのは当然ゴルシだったという寸法です。そもそもマックイーンがイベントに参加したのは他者に対する遠慮からでした。雑誌のインタビュー記事でパクパクですわの内容を変えてもらったマックイーンは人様に迷惑をかけたと猛省します。そのためゴルシに勝手に出された参加申込書をキャンセルしようとした時、もう既に処理されていることを知って、また迷惑をかけてはいけないと申込みを取り下げることが出来無かったのです。この行為もまたナカヤマに揶揄されています。メジロ家の誇りとして水鉄砲大会を盛り上げなければならないという意識に駆られるマックイーンは当然イベントを心から楽しむことも出来ません。そのためゴルシは対戦に飽きてしまい戦意を喪失してしまったのです。このゴルシの態度はもしかしたら計算されたわざとのものだったのかもしれません。しかしながらマックイーンを覚醒させるには十分でした。ゴルシのあまりの所業にブチ切れたマックイーンはメジロの誇りなどを捨て去り猛然とゴルシを追いかけ回すのです。この一連の流れは良く利くブレーキを持つが故に人生を損しているマックイーンを大きく成長させるものでした。ゴルシのおかげで自己を解放できたマックイーンは、夕焼けを見ながらゴルシに寄り添いゴルマクハッピーエンドで幕を閉じます。
 

マルゼンを熱くさせようと特訓の成果を見せるチヨちゃん
ゴルシにより抑制していた自己を解放できたマックイーン