かけぬけ★青春スパーキング!「海堂凪子」シナリオの感想・レビュー

合気道少女がサーフィンをする話。なぜ合気道とサーフィンを組み合わせた?
特定分野モノは専門性と魅力を同時に提示する必要があるためライターの力量が問われる。
ではサーフィンの面白さが十分に描けていたかというと微妙と言わざるを得ない。
実家の道場を継ぐとか言ってたのに途中からサーフィンのプロを目指すことになる。
メインイベントはスランプに陥った凪子を励ますため階段ダッシュするというもの。
エピローグではサーファーとして活躍する凪子の姿が!

海堂凪子のキャラクター表現とフラグ生成過程

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  • 合気道少女なのに合気道しないでサーフィンするという
    • 海堂凪子は実家が合気道の道場を開いている武道少女。メインヒロインの響とは従姉妹という設定です。主人公はかつて響と共に道場に通っていたため凪子とも幼馴染の関係でしたが、響の転校以来疎遠になっていました。凪子は合気道に打ち込んでおり、将来は道場を継ぐことを公言しています。しかし凪子√に入ると突如サーフィン展開となります。わけがわからないよ。一応それには理由づけがなされており、凪子はサーフィンをしていることを他者には秘密にしているという設定で、それを偶然知ってしまった主人公と「秘密の共有」をすることになりフラグ構築の端緒となるという流れだからです。
    • じゃあサーフィンはきちんと描かれるんですか?と問われれば、それは微妙と言わざるを得ませんでした。特定分野を題材にするシナリオの場合、その分野の専門性と魅力を同時に表現することが求められるため、とても難易度が高くなります。ライターの腕が余程良くない限り、陳腐なものとなりやすいのです。残念ながら読んでいてサーフィン面白ぇ~~サーフィンやりてぇ~~とはなりませんでした。サーフィン度が足りない。また道場を継ぐと述べていた凪子が、急遽サーフィンに鞍替えすることになった描写も深くは掘り下げられませんでした。少しだけ葛藤するような様子も見せるのですが、いつの間にかサーフィンにのめりこむようになっていきます。
    • 凪子√における主人公の役割は基本的に見ているだけとなります。まぁ主人公にサーフィン属性ないしね。そしてスランプに陥った凪子を発奮させるためにとった手段が階段ダッシュとかいう展開。シナリオ中盤で青春部はアマチュアサーフィン大会に出るのですが、凪子はそこで話題になりSNSの動画がバズったおかげでサーフィン雑誌に注目されて特集を組んでもらうことになります。喜ぶ凪子でしたがその一方で変な力が入るようになってしまい勝手に自滅していきます。その結果、全然サーフィンの技が決まらなくなってしまい、自信喪失となります。サーフィンのことなど何も知らない主人公が凪子に出来ることは何?それは自信を取り戻させること・・・。と、いうわけで上述のように何故か階段ダッシュをするのでした。これでストレス発散した凪子は雑誌の取材も見事に乗り切り、エンディングではサーファーになるのでした。

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