雑録

ゴールデンカムイ樺太編(3)「満洲が日本である限りお前たちの骨は日本の土に眠っているのだ」の感想・レビュー

鶴見中尉が自分の腹心を作り上げていくシリーズ。今回は月島軍曹回。
「優しい嘘」(甘い嘘)でたらしこみ命を投げ出すことも厭わない部下を作り上げていく。
月島軍曹は「優しい嘘」に気付きながらも鶴見中尉に縋ることしかできない。
生きる意味を喪失した月島軍曹は鶴見劇場をかぶりつきで見ることに縋ったのである。
(23巻で谷垣のベイビーの出産に立ち会い月島軍曹の呪縛は解かれる)

鶴見中尉のホントウの目的とはいったい何のか?

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  • 月島軍曹といご草ちゃんの悲恋
    • 【1】月島基は佐渡生まれの元・悪童。父が毒親であったため周囲から疎外されて育ち誰からも人間扱いされませんでした。唯一の例外がいご草ちゃんであり、その存在は月島軍曹の生きる糧となっていたのです。しかし日清戦役から帰ってみるとなぜか月島が戦死したことになっており、いご草ちゃんは後追い自殺を図ったのだというのです。月島は誰が戦死のデマを流したのかを突き止めることになるのですが、それはなんと自分の父親だったのです。今までの鬱憤もあり怒り狂った月島は父親を殴り殺してしまい死刑を待つ身となったのでした。
    • 【2】そこへ現れたのが鶴見中尉であり、月島にロシア語を習得させ仲間に引き込むため「優しい嘘」を使ってきます。いご草ちゃんは死んでおらず、両親が玉の輿に乗らせるべく、月島のことを諦めさせるために戦死のデマを流したというのです。現在いご草ちゃんは資産家と幸せに暮らしている・・・こうして「優しい嘘」に騙された月島は必至でロシア語を身につけ鶴見中尉の忠犬となったのでした。
    • 【3】日露戦役の奉天会戦中、鶴見中尉はさらに月島軍曹の心の傷は抉ってきます。本来なら出会うはずのない佐渡出身と称する兵士が、いご草ちゃんの骨が月島の家から見つかったとか言い出すのです。いご草ちゃんはきっと資産家と結ばれ豊かな生活をしているであろう。このことが月島の支えとなっていたのですが、それが喪失されてしまったのでした。鶴見中尉に騙されたと思った月島は戦闘中にも関わらずブチギレ。しかしこのこと自体も鶴見中尉の策略であり、月島を完全にたらしこむためのものでした。親殺しの罪がロシア語に堪能なだけで許されるはずもなく、月島が釈放されるには父親が残忍な人物であると知らしめる必要があった。そのため父親がいご草ちゃんを殺したように見せかける必要があったのだと「優しい嘘」をついてきます。
    • 【4】一体、何が本当なのか分からないよ!完全に心を折られた月島は、鶴見中尉の忠臣となり鶴見劇場をかぶりつきで見ることに自分の残りの人生の意義を見出します。この月島の呪縛が解かれるのは23巻。谷垣の赤ちゃんの出産を巡る攻防戦を通して、いご草ちゃんが現在本当はどうなっているのか知りたいという願望を表に出すことができるようになるのです。果たして鶴見中尉の本当の目的とは一体何なのか?スパイ時代に極東で妻と子供を亡くしているので、それ絡みか!?

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鶴見中尉の呪縛に苦しむ月島軍曹とその解放

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