雑録

おちこぼれフルーツタルト第9話「アイドル物販の極意」の感想・レビュー

デビューCD及び関連グッズを売るため大宮で無料ライブを開催する話。
ずっかり東小金井のご当地アイドルとして定着した衣乃たちですが初遠征に赴きます。
ライブは撒き餌!本質は物販!ということでドルオタ利根っちから商法を伝授されます。
アイドル物販の極意とは偶像崇拝の対象との現実における関わり!
形而上学的な存在と実際に触れ合える機会を売るのだとあざとい仕草が重視されます。

偶像の歌と踊りを集団で体感させることで気分を昂揚させ、本来なら手の届かない偶像と直に触れ合えるという体験を撒き餌にして信者を集め、その偶像が性的に消費される商品を、偶像自ら売らせることで付加価値を生み出すという宗教と資本主義が結び付いた産物こそがアイドル物販!

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  • 性的搾取と資本主義の悪魔合体がアイドル物販
    • 今回のお話はアイドル物販。初めてのデビューCDを完成させた衣乃たちはそれを売り捌くために大宮で無料ライブを開催することになります。そもそも音楽がデータ配信で売られるようになって久しい2020年代において、わざわざ物理上の円盤ディスクを買い求める客がどれくらいいるのでしょうか。売り捌くには無理くりにでも需要を喚起させねばならないのだ!と、いうことでアイドル物販のプロである利根っちに協力が要請されます。
    • ドルオタである利根っちはユーザー側として数々の物販を潜り抜けてきた歴戦の勇士であり、その極意を伝授してくれるというのです。その趣旨は「偶像崇拝の対象との現実における関わり」。テレビやネットでしか見られない憧れの対象と現実で交流できることをウリにし、ファンを虜にするための性的な仕草が伝授されていきます。お辞儀をする時の角度は斜め45度!手を前にして組み丁寧に頭を下げろ!そうすると乳が強調されて谷間を見せるあざとい仕草を自然な形で表現できるぞ!と自らを性的に消費させていきます。さらに自分たちが性的消費の対象となっている商品(プロマイド写真や抱き枕など)を自ら販売するというスタイルでカネを落とさせるという仕組み。

 

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  • ライブによる熱狂の喚起
    • そしてアイドルのライブはまさに宗教。集団で集まり、歌と踊りにより気分を昂揚させ、熱狂的な興奮を生み出すということは原始のアニミズムから見られる現象です。2020年前後の時事用語で言えば「尊い」という感情を発露させ、偶像崇拝の対象に信仰を生み出すのです。こうして信仰の対象・憧れの存在という偶像崇拝を作り出したうえで、その偶像を性的対象として消費したいという欲望を刺激させます。そのアイテムとなるのが抱き枕カバー9800円。アイドルたちのあられもない全身像の写真をプリントすることで布地の需要を爆上げさせるのです。最近では布地の品質にもこだわっているそうで、日本の織物産業にも深く関わってきています。
    • さらにアイドルのライブで欠かせないのが、ファンたちによる遠征という現象。今回の放送では東小金井の星である衣乃たちを応援する為、商店街の人々がわざわざ大宮にまで遠征しにきてくれました。近年ではただ単にライブ会場として箱物を提供するだけではなく、会場の地元民たちの交流なども増えており、社会貢献という名の地域振興にも利用されたりしています。まさに現代資本主義の権化ともいうべきなのが、アイドル業界。だからこそ、雨後の竹の子のようにアイドルモノが乱立するようになっているのですね。アイマスアイカツラブライブを筆頭に消費しきれないアイドルコンテンツが盛りだくさん。そのような中でどのように競争に打ち勝ち顧客層を広げカネをむしり取るのかが日夜研究されているのです。

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