入り込みミラーでパラレルワールドへ行ったら神々の世界だったという話。
元の世界に戻るためには次の満月を待たなければならないとのこと。
そのため主人公とその実妹は九尾の狐に世話になり1カ月過ごすことになる。
特に何か事件やイベントが起こることも無くケモミミキャラと日常を過ごす。
テーマ性の薄いキャラゲーでいつもの萌木原ふみたけ先生の原画集である。
萌木原ふみたけ先生原画集
- パラレルワールドから元の世界へ戻るには
- 主人公は進路が決まり卒業を待つだけの高3男子。ある時実妹と共にコタツに入っていると居間の鏡の中から狐耳少女が現れて、鏡の中のセカイへと入り込むことになります。そこは日本神話の神々や妖怪、魑魅魍魎が跋扈する神々の世界でした。元の世界に戻るには次の満月を待つ必要があるとのことで、神々の世界で1か月過ごすことになります。妖狐の母子、因幡の白兎、付喪神が主な攻略対象であり、彼女らと交流を深めていきます。せっかく神々の世界に来たのだから神話をモチーフにした事件やイベントが発生すれば面白いんじゃないかなと期待していましたが決してそんなことは無かった。いやマジで何も起こらないので驚きである。日常描写をやりたいなら何故神々の世界にした!?
- 一応神々イベントっぽいのが、信仰と認識を巡る問題について。神々の世界の住人は現実世界における信仰によって顕現しているとのこと。すなわち信仰が薄まれば存在も希薄となるのだとか。そんなわけで「因幡の白兎」は人々から忘れられたため、長らく神々の世界でも認識されないようになっていたというわけです。たまたまその伝承を知っていた主人公によって観測されたことにより因幡の白兎は久々に姿を現すことが出来たので、好感度爆上げとなります。(因幡の白兎ってかなりメジャーな話なんじゃね?とか突っ込んではいけない)
- で、あっという間に一カ月。寂しさを噛みしめながらお別れを交わして元の世界へ戻った・・・かに見えた。しかし儀式は失敗し主人公が目を覚ますとそこはまだ神々の世界でしたよ、一体どうして!?という所で体験版は幕を閉じます。スサノオとかツクヨミとかの単語がチラホラでてくるので、それらを上手くシナリオに組み込めるのかがポイント。しかしランプオブシュガーの作品は『いつそら』や『マジチャミ』を除いてシナリオは単調なものが多く、萌木原ふみたけ先生の原画集と言われるオチになっています。日本神話・妖狐伝説・付喪神伝承のキャラをだしているのだからそれらのモチーフをシナリオに組み込んでテーマ性を掘り下げればシナリオは面白くなりそうなものだが、単なる原画集の汚名を返上できるかが見ものですな。
2021年5月発売新作ノベルゲーム体験版感想まとめ
Lump of Sugar作品のうち感想を書いたもの
- 『ねこツク、さくら。』 (Lump of Sugar) (2020-06-26)
- 『若葉色のカルテット』 (Lump of Sugar) (2019-08-30)
- 『タユタマ2 -you’re the only one-』 (Lump of Sugar) (2016-09-23)
- 『コドモノアソビ』 (Lump of Sugar) (2015-11-27)
- 『世界と世界の真ん中で』 (Lump of Sugar) (2014-01-31)
- 『Magical Charming!』 (Lump of Sugar) (2013-05-31)
- 『いつか、届く、あの空に。』 (Lump of Sugar) (2007-01-26)