雑録

ウマ娘「ナリタブライアン」シナリオの感想・レビュー

高い実力が故に競争相手に恵まれず孤独となってしまった少女の「渇望」の話。
ナリタブライアンは姉に影響されレースを始め無邪気に走ることを楽しんでいた。
しかし姉に無理を強いて病院送りにしてしまった上、他の相手も圧倒してしまったのである。
ナリタブライアンの走りへの始原的感情は姉の背中を追いかけていたことに起因する。
すなわちレースで競うことの出来る存在を求め渇望していたのだ。
トレセン学園でもライバルが見つからず不完全燃焼となっていたブライアンの心に火をつけろ!
トレセン学園のウマ娘たちの闘志をナリタブライアンは見誤っていたのさというオチ

ナリタブライアンのキャラクター表現とフラグ生成過程

f:id:r20115:20210519071408j:plainf:id:r20115:20210519071415j:plain

  • 【1】姉の背中を追いかけることから始まった競う相手が欲しいという渇望
    • ナリタブライアンは高い実力を有するウマ娘。レースを始めたのは幼少期に姉:ビワハヤヒデの背中を追いかけたからでした。しかしナリタブライアンは成長と共に姉を凌駕してしまい、無理がたたった姉を(間接的にとはいえ)病院送りにしてしまったのでした。ビワハヤヒデ√に入ると妹に勝利するために理論武装して戦うようになる姉の強烈なコンプレックスを読むことができます。一方でナリタブライアンは「競う相手がいない」という渇望を背負っていくことになります。姉を倒した後、近所の子たちをぶっちぎり、数多のレース教室でも向かうところ敵なし。しかしナリタブライアンの圧倒的な能力は、戦った相手の闘志を削ぎ落し競う相手となってくれなかったので、孤独を深めていったのです。

 

f:id:r20115:20210519071421j:plainf:id:r20115:20210519071427j:plain

  • 【2】ビワハヤヒデが説くトレセン学園の生徒たちの闘志
    • そんなブライアンは姉の助言でトレセン学園に入学するのですが、そこでもまたライバルを得られず渇きが満たされずにいました。満たされずにいるブライアンに声をかけるのが我らが主人公トレーナー。ブライアンから何度袖にされても諦めない不屈の精神は姉ビワハヤヒデに買われることとなり過去の一端を知ります。そして主人公はトレーナー生命を賭して、ビワハヤヒデのメイクデビュー戦にナリタブライアンを連れて行くことになるのです。そこのビワハヤヒデの走りはナリタブライアンの目を見張らせるものでした。なぜそのような走りが出来るようになったのに自分と走ってくれなかったんだとシスコンを拗らせるブライアンに対し、ハヤヒデはトレセン学園のウマ娘たちはこれまでのレース教室の生徒のように簡単に諦めてしまうようなタマではないと説くのです。ビワハヤヒデの言葉はナリタブライアンの琴線に触れるものがあり、主人公を専属トレーナーに指名して勝利を目指すこととなったのです。ビワハヤヒデシナリオを読んでからナリタブライアンシナリオを読むとエモさもひとしおです。

 

f:id:r20115:20210519071432j:plainf:id:r20115:20210519071437j:plain

  • 【3】ナリタブライアンの不器用な優しさ
    • ナリタブライアンの個別ルートでクローズアップされるのはその不器用な優しさ。トレーニングだけの関係かと思いきや、実はそうでなかったというステキな展開。主人公はナリタブライアンの人となりを知ろうとコミュニケーションを積極的に試みますが、あっけなく袖にされてしまいます。しかしそれでいて好感度が着実に蓄積されていたという演出がにくい。そのことが分かるのが買い物のシーンであり、ナリタブライアンが「当然のように」一緒に買い物に行くと思っていることや、はぐれた後も「当然のように」主人公を待っているその姿からうかがい知ることができます。

 

f:id:r20115:20210519071442j:plainf:id:r20115:20210519071446j:plain

ウマ娘感想一覧