雑録

レヱル・ロマネスク 第10話「帝国主義下における資本投資の対象としての中国の鉄道について」の感想・レビュー

鉄道のグッズ開発で扇形機関庫が出た際に中国では軍事機密であると紹介される話。
今回のアイキャッチにおける紹介文を読むと西瓜ちゃんは中国の鉄道事情に詳しいとのこと。
しかし『LR』は事前知識無しで鉄道観光への政策提言が求められたので中国の鉄道紹介は薄いものでした。
機関庫が軍事機密だというネタとかも無ければ中国鉄路総公司の話も無かったし。何でだ!?
LRで観光政策への提言とかにせずフツーに観光して鉄道事情の紹介で十分面白かったのでは?

中国の鉄道事情を紹介すると帝国主義下の植民地支配に直結するから扱えなかったのかもしれない

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  • 資本輸出の始まりと植民地化
    • 19世紀後半に帝国主義の時代に入りヨーロッパ列強による植民地支配が激化します。それ以前にもヨーロッパ諸国は海外へ進出していたわけですが一体何が違うのでしょうか?一番の大きな違いは「資本輸出」です。それまでのヨーロッパは「資源獲得」と「商品市場」を目的としていたのですね。18世紀の第二次百年戦争で覇権を獲得したイギリスは、19世紀にはパクスブリタニカを現出し、産業革命で生産した綿製品を売りさばく為、自由貿易帝国主義を展開しました。アジアは産業革命の生産物の製品市場と見なされ中国ではアヘン戦争・アロー戦争で開国を余儀なくされます、また支配下で叛乱が起こると直接支配に切りかえてきました(インド帝国など)。
    • しかしながら産業資本と金融資本が結び付き独占資本の段階に入ると、商品ではなく「資本」を輸出するようになります。そしてその資本投資の対象こそが「鉄道」だったのです。まさに鉄道は植民地支配の象徴!中国にも盛んに列強諸国により鉄道が敷設されました。清王朝が滅亡した辛亥革命の原因も、民族資本家が利権回収運動を展開しているのに、清王朝が借款のため鉄道国有政策を行ったからでしたね。日本も日露戦争で満鉄(東清鉄道南支線)を獲得以後、1932年に満洲国を建国すると数多の鉄道網を張り巡らせました。満洲への旅行は国家に後押しされており、移民の奨励も背景にあって盛んにその視察旅行が行われ、観光行動が展開されていたのでした。日本海天皇の浴槽と言われて、日本海航路と北鮮三港も整備され終戦間際になっても観光しに行っていたほどなのです。そんなわけで中国の鉄道事情を扱うと、19世紀後半に始まる中国の植民地化を扱わざるをえません。そのためセンシティブな問題に発展すことを危惧して、鉄道事情を扱えなかったのでしょうか。

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