おちこぼれフルーツタルト第12話「私たちここに存在していいの?教育に悪影響とか…こんな健全なイベントになるなんて」の感想・レビュー

コンテンツ産業を活用した観光促進による地域振興事業の「負の側面」にセルフツッコミする話。
コンテンツ産業を一般的な場面で用いるとジェンダーや青少年の育成という側面で叩かれがち。
それらを克服するのに重要なのが一般人を代表する地元民の理解。彼らが「常識」を担保するのです。
おちフルのメンバーたちは東小金井の地元民に支えられ健全な地域のお祭りイベントに参加。
ネコミミスク水メイドという不健全極まりないのに誰も気にしないし、まさかのチラリズムエンド。
やはり地元民が受け入れているというコンセンサスがコンテンツツーリズムには重要なのか。

コンテンツ産業側に必要なのは自分たちが不健全である(と見られてしまう)という自覚なのかもしれない

f:id:r20115:20201229112555j:plainf:id:r20115:20201229112549j:plain

  • ファンと地域住民の共存のためには→地元民にファンになってもらう
    • 東小金井を全面に押し出したコンテンツツーリズム作品、それが『おちこぼれフルーツタルト』!!全編を通して作中には東小金井の背景がこれでもかというくらいに盛り込まれており、地域の活性化に役に立てようという雰囲気が充満しておりました。
    • しかし『おちフル』は誰がどう見ても健全な作品ではなく、マニアックなファンの特殊性癖を弄ることをウリにしています。……ジェンダー論者や健全な青少年の育成とかに関わる人たちからクレームが来ちゃうわ……それを十二分に理解しているからこそ、アニメのキャラクター自身が自分たちの存在が地域イベントにそぐわないのではないかとメタ的な発言をするのです。確かに何かのファンというのは、そのファンではない人から見れば異常なように見られてしまいがち。ではそれを防ぐにはどうすればよいかというと、地元民全体の理解と受容が求められるのですね。コンセンサスがとれていれば、一部の過激なノイジーマイノリティからクレームが来たとしても残念な結果にはならないでしょう。公の了解と責任の所在とかいうやつ。おちフルのメンバーは地域住民の老若男女に受け入れられ、応援されているという設定です。だからこそ、おちフルメンバーたちが抱く劣等感(自分たちは不健全であり、地域の健全なイベントでは叩かれてしまうのではないかと怯え)が浄化され、存在が肯定されていくのです。
    • まぁ最後はアイドル甲子園の出場が決まった勝因がパンチラだったというオチになるのですが。チラリズムが天然なのか、わざとなのかで議論が巻き起こりバズったからでしたという身も蓋もないエンド。コンテンツ産業を活用したまちおこし事業は問題になることが多いですが、それに対してメタ的な視点からセルフツッコミしていたことに、第12話の面白さの一つがあるのではないでしょうか。

f:id:r20115:20201229112601j:plainf:id:r20115:20201229112606j:plain

f:id:r20115:20201229112611j:plainf:id:r20115:20201229112616j:plain

感想一覧はコチラ